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[本]のメルマガ vol.738


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 ■■ [本]のメルマガ                 2019.12.15.発行
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 ■■  mailmagazine of book       [もう年越してしまいそうな号]
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 『宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス』(上下)
 
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 日本経済新聞(12/14)書評! https://s.nikkei.com/38H23ll 宇宙をめぐる
 軍と科学者の「奇妙な同盟」を、科学技術の発展史、現代の巨大軍需産業と国
 際政治との関連にいたるまで、世界的宇宙物理学者が率直につづった話題作。
 
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 【連載】………………………………………………………………………………
 
 ★「散慮逍遥月記」 /  停雲荘主人 
 → 第62回「2019年の読書(?)から」

 ★「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
 → 第126回 年老いた少年
  
 ★「本棚つまみ食い」 / 副隊長 
 → 島国日本の島たるところ!久々に『SHIMADAS』降臨
  
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 ■トピックス
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 つのイベントをご紹介します。
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 ■「散慮逍遥月記」 / 停雲荘主人
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 第62回「2019年の読書(?)から」
 
 こんにちは。
 
 気がつけば2019年もあとわずかになりました。わたしは,来年度から「卒業研
 究」を持つということで,今月からささやかながらゼミというものを始めまし
 た。海のものになるか山のものになるか,まだまだ混沌としておりますが,な
 かなか楽しみなことです。
 
 さて今年は仕事が変わったこともあり業務量も増えたため,読書量がめっきり
 落ちました。読書ノート代わりに利用していたメディアマーカーがサービスを
 停止したこともあって記録も付けておらず,新規に読了した本は10冊あったか
 どうか。その中で最高の収穫だったのは『現実逃避していたらボロボロになっ
 た話』(永田カビ著,イースト・プレス,2019年11月)(1)で,破滅型の私小
 説作家がマンガを書くとこうなるのか,と思わせる風情を漂わせています。
 常々「人間そう簡単に成長も反省もしませんよ」と思ってるわたしはこの作風
 わりと好きなタイプですが,ひとによっては,こうもあからさまに人間の弱い
 ところをさらっとサバサバ描くところが好悪を分けると見えて,他者に厳しく
 対処したい方々がお揃いであるらしいAmazonのレビューにはなかなか手厳しい
 ものが並んでいます。もっとも,これまでの破滅的な生き方を心底反省して真
 人間よろしくアルコールを断ち切ったら,この作家は何も書けなくなるのかも
 しれません。それはそれで損失だと思ってしまうわたしは,意地が悪いのでし
 ょう。
 
 閑話休題。
 この10年ほど,河出文庫がぽつりぽつりと吉田秀和の作曲家別あるいは演奏家
 別に編集されたアンソロジーを出しています。最初に出たのはわたしの大好き
 な作曲家を取り上げた『マーラー』(2011年3月)(2)で,これは忘れもしない
 2011年3月11日の午後,とある書店にて購入しようと手にしていたところへ,
 東日本大震災が発生しわたしはこの本を買うことなく書店をあとにしたのでし
 た。その後しばらくして購入し,いまも手元にありますが,吉田秀和の本領は
 作曲家よりも演奏家を批評した文章にある,とわたしはにらんでまして,例え
 ば最近出た『ブラームス』(3)でも,ページの前半分を占めるブラームスの評
 伝よりも,個々の作品について録音・演奏評を並べた後半の方がわたしには抜
 群に面白いです。
 
 「澄んだ開始から,音が次第にふくらんで,川幅いっぱいに水が滔々と流れ出
 すような趣は,実に見事なのだが,よく聴いていると,それは音が大きくなり,
 力が増してくるというだけではなくて,一句一句の間の休み,別の言葉を使え
 ば,休止の間合いのそれとはっきりわかる良さと切り離せないものだと合点が
 いくのである。」(4)
 
 どうやったら,音楽を文章化するにあたってどのような教養と筆力を兼ね備え
 たら,斯様な文章を紡ぐことができるのか,と嘆息するしかない見事なもので
 す。
 
 この吉田秀和が,『フルトヴェングラー』(5)を実際に聴いて実に敬愛し書き
 綴っていたのと同じくらい,『カラヤン』(6)についても紙幅を費やし評価し
 ていたのは,なかなかに興味深いことです。この国においては,中でもフルト
 ヴェングラーを褒めそやしカラヤンをけなしつける勢力の声が大きかった時代
 においては,カラヤンを適正かつ的確に評価していたのは大変なことではなか
 ったかと想像するのです。何よりカラヤンの演奏が持つアゴーギグを多用しな
 い,スマートなテンポ感を吉田秀和は好ましく思っていたのですが,『カラヤ
 ン』に収録されている「カラヤンのプッチーニ」という文章で,吉田秀和はカ
 ラヤンの「マダム・バタフライ」のある箇所の演奏の「つまらなさ」に触れて,
 こんなことを書いています。
 
 「これは,指揮者が音楽の中に情緒,感情を付け加えて演奏していないからで
 ある。」
 「カラヤンは,そこに,何も色をつけようとしない。」(7)
 
 別の音楽評論家が「カラヤンは音楽の内面を表現しようとしない代わりに外面
 を徹底的に磨き上げる」という意味のことを否定的に述べていた記憶がありま
 すが,ここで吉田秀和が書いていることは,恐らく同じことを指しているのだ
 ろうと思います。ただし,吉田秀和はここで「芝居っ気」のないことを称賛し
 てはいないものの,カラヤンのやり方を,音楽のありのままを提示しようとし
 ているものとして評価しているように読めます。そして「感情の表現」が,
 モーツァルトの演奏ではしっくりこないことに別の文章で触れ,「目下のとこ
 ろ,モーツァルトはカラヤンのアキレス腱ではないだろうか」(8)と書くにい
 たります。
 
 すでにカラヤンも吉田秀和もこの世のひとではない現在,わたしたちは,例え
 ば『僕は奇跡なんかじゃなかった:ヘルベルト・フォン・カラヤンその伝説と
 実像』(9)などにより,カラヤンがどちらかといえば俗物で,深遠な哲学など
 にてんで興味のなかった人物であることを知っているわけですが,カラヤン死
 して30年が経過して,さて彼の評価はこれからどのように変転していくでしょ
 うか。ちなみにわたしは,カラヤンの残した録音で,あとあとまで残るのは
 チャイコフスキーとリヒャルト・シュトラウスだと考えています。これに付け
 加えるなら新ヴィーン楽派(シェーンベルク,ヴェーベルン,ベルク)の録音
 だろうと。ヴェーベルンのほぼ同じ作品を収録しているヘルベルト・ケーゲル
 の録音と比較してみれば,カラヤンのヴェーベルンが恐ろしいほどの完成度に
 達していることは誰の耳にも明らかなことで,それは好き嫌いを超えて認めら
 れるべきものでしょう。
 
 最後,吉田秀和ではなくカラヤンの録音に力点が移ってしまいましたが,吉田
 秀和の音楽評論は,もうしばらくわたしの音楽生活を豊かにしてくれるもので
 あり続けるでしょう。
 
 
 2019年もお世話になりました。仕事が増えてこちらの連載も休載が多くなって
 しまったことを,この場を借りてお詫びいたします。2020年はもう少し計画的
 に原稿を執筆したいものです。その2020年は騒がしい年になりそうですが,ど
 うか引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
 
 注記
 (1) https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781618364
 
 (2) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309410685/
     今年(2019年)に増補新装版が出た
   http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309417110/
 
 (3) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309417233/
 
 (4) 『ブラームス』177ページ。これはカルロ・マリア・ジュリーニがEMIに
       録音したブラームスの交響曲第4番への評言である。
 
 (5) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309411194/
 
 (6) http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309416960/
 
 (7) 『カラヤン』212ページ
    ついでながらわたしは,感情を表現しないが故にカラヤンは,
      プロコフィエフの交響曲第5番やオネゲルの交響曲第2番を,あれだけの
      高水準で演奏し録音できたのだろうと思っている。
 
 (8) 『カラヤン』238ページ
 
 (9) https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail_sp.php?code=203790
 
 
 ◎停雲荘主人
 2019年4月から司書養成が本務のはずの大学教員兼大学図書館員。南東北在住。
 好きな音楽は交響曲。座右の銘は「行蔵は我に存す,毀誉は他人の主張,
 我に与らず我に関せずと存候。」(勝海舟)。 
 
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 ■「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
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 第126回 年老いた少年

 
  行きつけの食堂で偶然会った友人から、一冊の本を手渡された。『門司の幼
 少時代』(山田稔 著 ぽかん編集室)という本だった。四六判の洒落た装丁
 で、手触りがとてもいい。ドイツ装というらしい。手に取った瞬間、いい本だ
 なあ、と思った。
 本を贈るのは、むずかしい。自分の思いだけで本を選ぶと、
 本といっしょに自分をおしつけるような感じになってしまうし、あたりさわり
 のない本ならば、「本を贈る」意味なんてなくなるしなあ。

  そういえば、ずいぶん昔のことだけど、女の子に本をプレゼントしたら、
 「あたし、他人から本をもらわないことにしているの」といわれたことがある。
 もしその本が気に入らなかったら、その後、どんな顔をして会っていいかわか
 らないから、と。

  うーん、本をプレゼントするのも、女の子の歓心を買うのもむずかしい……
 ってことだった。贈った本はなんだったんだっけ。ずっと思い出せずにいたが、
 電車に乗っているときにふと思い出した。『草のかんむり』(井伊直行 
 講談社)だったっと思う。1983年の作品だって、36年も前になるんだ!
  たしか主人公の青年がアマガエルにされてしまう話。どうしてこの本を選ん
 だのか、どうも思い出せないけれど、寓話のようなロマンチックな話だった。
 もう一度、読み直してみよう。
 
 いただいた『門司の幼少時代』はフランス文学者で作家の山田稔が幼いころ
 を振り返ったエッセイ集で、舞台は北九州の門司という港町だ。
 
 門司という地名ですぐに思い出したのが、藤原新也の写真集『少年の港 』
 (SWITCH LIBRARY) だった。生まれ故郷の門司港を再び訪れて写真とエッセイ
 を書いている。そのカバーの写真が幼い男の子の後ろ姿だった。ぼくは山田稔
 の文章を読みながら、その写真を思い浮かべていた。まるでその男の子が幼い
 頃の山田稔のような気がしていた。そうしたら、本にはさんであった薄い冊子
 に藤原新也の写真展のことが書いてあった。

  じつはいままで山田稔の文章を読んだことがなかった。1930年生まれ、両親
 と同じ世代の仏文学者というので、なんとなく勝手に難しい文章を書く人、と
 思い込んでいた。でも、読み始めてすぐに、しまった!
  もっと早く読んでおけばよかった!と後悔した。

  なんて瑞々しい文章なんだろう。最初の生まれ育った門司の様子を描く文章
 が軽やかで楽しい。夏休みに帰省して、いっしょにバスに乗って停留所でおり
 て、とぼとぼと歩いているようだ。米屋、煙草屋、駄菓子屋、銭湯がならんで
 いる。東京生まれ東京育ちのぼくには田舎はないけれど、まるで久しぶりに故
 郷に帰ったような気分になる。

  でも、これは何十年も前の町のすがたなんだな。だからなのか、ぼくにとっ
 ても「幼い頃の記憶という故郷」を訪ねている気持ちになるのかもしれない。

  氷屋が自転車で氷を配達に来る。若者が自転車の荷台の上で目の粗いノコギ
 リで氷をシャッシャッと切る。最後のところで手を止め柄をコツンとぶつける
 と、氷がみごとに割れる。読んでいるとそのシャッシャッとか、コツンという
 音が聞こえてくる。ぼくも、その音は遠い昔に聞いたことがある。山田稔の素
 晴らしい記憶力、そのディテールを再現する文章によって、タイムトラベルを
 しているようだ。そしてぼく自身の記憶もつぎつぎに蘇ってくる。

  ただ昔を懐かしむエッセイではない。門の前で見つけたカブトガニの話。近
 所の子どもが海岸でつかまえて、弄んだ末に捨てていったカブトガニが、放置
 されてやがて腐った臭気を放ち始め、どこかに消えてしまうまでを十数行で書
 いている。生と死に迫る短編小説を読んでいるようだった。近所のお邸から聞
 こえてくる、鼓の音を書いた文章からは、ひっそりした午後の空気が伝わって
 くる。たった数行なんだけれど、「神秘」を感じる。
 ある日、どういうわけ
 かクラスメイトたちに無視されるエピソードが書いてある。遊びにも誘われな
 いし、遊び仲間は顔を見るとみなが慌てて逃げ出すようになる。しかたがなく、
 学校からの帰りに「競馬場」の小高い丘にのぼって、遠く門司港を見下ろして
 時間をつぶす山田少年。大型船が通るのを丘の上でながめることでくやしさを
 忘れようとした。大好きだった「あるぜんちん丸」「ぶらじる丸」が現れると
 胸のうちでわあーと歓声を発するシーンでは、ぼくの胸もつまって涙がこぼれ
 た。

  山田稔の文章から「外に向かっている」ような感じを受けるのは、もしかし
 たら、こんなふうに子どものころからずっと海や港を、そして外国に向かう船
 を見ていたからだったんじゃないか、と思った。

  遊び相手がいなくて、ひとり部屋にこもって本を読む。南洋一郎の『密林の
 王者』『吼える密林』、山中峯太郎の『敵中横断三百里』『亜細亜の曙』など
 の冒険小説、軍事小説は読み飽きていた。そして家庭医学書の「赤本」を母親
 にかくれて読んでいたそうだ。極彩色の内臓解剖図に見入っていたという。

  この話、学校をさぼっては、ナルニア物語やアーサー・ランサムを読んだり、
 こっそり両親の本棚からテリー・サザーンのエロチックな小説『キャンディ』
 を盗み読みしていたぼくにはとてもシンパシーのあるエピソードだ。

  赤本が置いてある部屋に忍び込めない日はレコードをかけていた。箱型とポ
 ータブル型の2台の蓄音機があったというから、裕福な家庭だったんだろうな。

  うちにも小型の蓄音機があったのを覚えている。小さなラッパがついていた。
 物置を探検したときに見つけた。残念ながら、ぼくは音を聴いたことがない。
 引っ越しのときに劇団、たぶん天井桟敷だったように思うが、たくさんのがら
 くたといっしょに譲ってしまったらしい。黒い円盤に針を落とすと、ラッパか
 ら音楽が流れてくるなんて、子どもにとっては夢のような体験だったろう。

  学校生活の話もほのぼのとしていて楽しい。小学生のときのクラスメイトに
 は、ふたりの朝鮮人の子がいた。小柄だが動作が機敏なチンくん、図体が大き
 く無口なゴンくん。チンくんはおどけ者でクラスの人気者、ゴンくんはいつも
 薄笑いを浮かべている。そんな生徒だったゴンくんだったが、5年生の担任
 だった土屋先生は授業中、答えられないことがわかっていても、ゴンくんを指
 名する。当たられてもゴンくんはのっそりと席を立ち、そのまま黙っている。
 先生は「よろしい」と笑顔でいって座らせた。教育っていうのは、こういうこ
 となんじゃないか。出来なくても無視をするわけでなく、答えられなくても叱
 らない。生徒のひとりであることをきちんと認めている。ゴンくんもまたクラ
 スの人気者だったそうだ。

  しかし、戦争が忍び寄ってくる。土屋先生は若く溌剌としていて、ランニン
 グシャツの下からのぞく腕の筋肉は隆々としていた。太平洋戦争が始まった昭
 和16年の年が明けた三学期、朝礼に軍服姿で現われた。長靴をはき軍刀を吊る
 していた。朝礼台にあがった土屋先生は力のこもった声で挨拶をして、最後に
 挙手の礼をした。
 生徒たちは「土屋先生バンザーイ!」を三唱した。その間、
 土屋先生は挙手の礼を続けていた。

  のちに土屋先生の戦死の報を聞くことになる。

  ぼくが小学生のころは、戦争で生き残って帰ってきた先生がたくさんいた。
 特攻隊だったが、戦闘機が故障したため不時着をして命を落とさずに帰ってき
 た長田先生は、こわい顔をしていたが、生徒たちにはとてもやさしかった。国
 語の小松先生は、便所に行くことを「爆撃」といっていたっけ。「みんな、授
 業が始まるまえに爆撃しておけよ」って。戦争はとても身近で生々しい存在だ
 った。

  『門司の幼少時代』を読んだ午後、美しい文章にうっとりしながら、両親の
 青春に思いを馳せたり、昭和の風景を思い出したり、文章と自分の思い出を行
 ったり来たりして過ごした。しばし、ぼくも老いた少年となって、とてもいい
 時間を過ごすことが出来たと思う。この時間こそが、素敵なプレゼントだった。
 

 

 ◎吉上恭太
 
文筆業。エッセイ集『ときには積ん読の日々』がトマソン社から発売中。詳し

 くはトマソン社のサイトを見てください。http://tomasonsha.com/ 。翻訳絵
 本『あめのひ』『かぜのひ』は徳間書店から出ています。
 セカンドアルバム
 「ある日の続き」、こちらで試聴出来ます。

 https://soundcloud.com/kyotayoshigami2017

 タワーレコード、アマゾンでも入手出来ます。よろしくお願いします!
  
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 ■「本棚つまみ食い」 / 副隊長
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  満を持して15年ぶりの改訂版が待望の登場です。待ってない人は待って
 ないけど、待ってた人は首を長くして待っていただけに、喜ばしいことこの上
 なしです。
 
 『新版日本の島ガイド SHIMADAS』、日本離島センター、2019
 
 『SHIMADAS』は日本の離島についての百科事典です。人口や面積のよ
 うな基礎情報から、観光案内や特産品まで幅広く網羅しています。離島とい
 っても厳密に船でないと行けないところだけではなく、神奈川県の江ノ島や
 城ヶ島・広島県の向島・山口県の角島等々今では橋で結ばれている島も含
 まれています。
 
  そして観光案内的な島ガイド本とは一線を画しているのが、定期航路の無
 い有人島や、無人島も掲載している点です。掲載されている島の数は
 1,750島にも及びます。しかし日本全体では6,852島もの島がある
 (p,166「島の数」)というから全てではありませんが、それは本書の価値を低
 めるものではありません。
 
  島の紹介に目を移すと多くの島では、平成22年度国勢調査の時点と直近
 の27年の国勢調査での人口の比較で人口が減少傾向にあることがわかりま
 す。また65歳以上の老年人口が一番多いグループとなっている島も数多くあ
 ることがわかります。
 
  多くの島で過疎化と高齢化が進んでいることが見て取れます。無人島の中
 にはかつて有人島であったが、この数十年で無人化してしまった島もあります。
 そんななかでも定住者はいなくなっても耕作地などに使われるなど、通いで使
 われる島もあったりします。無人化しても人と島との縁がすぐに完全に切れて
 しまうわけではないことが伺えます。
 
  ちなみにU・Iターン情報なども載っていますので、島暮らしに興味のある方
 には特におすすめです。学校・医療関係の情報も島ごとに詳しく書いてあるの
 で、あちこちネットで調べるよりまずは本書で条件に合いそうな島を探した方が
 早いかもしれません。
 
  もちろん島の観光情報も満載なので、島に出かけてみたいという方にもうっ
 てつけです。交通事情や島内の宿泊施設についても詳しく書いてあります。
 
  私のような灯台好きな身としては、普段触れる機会の少ない離島の灯台情報
 が満載なのが嬉しいところです。岡山県笠岡諸島にある六島の六島灯台や広
 島県因島の大浜埼灯台など、離島には美しい灯台が数多くあります。なぜか添
 付されている島の地図にも灯台の地図記号がしっかり書き込まれていますし、
 「島の航路標識」と題されたコーナーが配置されていたりして、灯台好きを狙って
 いるとしか思えません。
 
  まあそれはさておき日本の離島の今が詰まっていますので、読むごとに新た
 な発見があるのは間違いありません。もちろん事典という情報の海からどのよう
 なイメージを立ち上げるのかは、読み手に委ねられているのですけれども。
 
  気が早いかもしれませんが次回の改定はいつになるのでしょう。人口減少社
 会で災害が続く(もっとも災害が続くのは今に始まったことではない気もします
 が)と、経済性だけを考えて離島へのインフラ投資が無駄と判断される世の中が
 来てしまうかもしれないと考えられる現状がありますので、次回の
 『SHIMADAS』では、今回の版に書かれた情報の多くが失われてしまう可能
 性もあるのではと、秘かに心配していたりもします。
 
  ただ当然その心配は杞憂であってほしい。人口一桁の島にだって住んでいる
 人がいます。前述のとおり住むには適さなくなった島に通いで漁業や農業を続
 けている人もいます。仮に人が住まない無人島になったとしても、それだけで人
 と島との繋がりが消えてしまうわけではありません。
 
  移住してくる人も出て行く人もいて、人が移動する生き物なのはそのとおりで
 す。ただ島に生きる人たちの暮らしに思いを馳せると、人と土地のつながりも軽
 く見てはならないとも改めて思います。
  
 ◎副隊長 
 鉄道とペンギンの好きな元書店員。
 
 -------------------------------------------------------------------
 ■トピックス
 -------------------------------------------------------------------
 ■ 『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』(作品社)刊行記念
         池澤夏樹さん×松山巖さんトークイベント「本への誘惑──書評という仕事」
 └─────────────────────────────────

 誕生日が4日違いという、池澤夏樹さんと松山巖さん。
 同時代を併走してきたお二人が、奇しくも大著の書評集を上梓した。
 池澤さんの『いつだってあるのは目の前の一冊なのだ』(作品社刊、704頁)
 と松山さんの『本を読む。──松山巖書評集』(西田書店刊、894頁)。
 本読み巧者のお二人に書評という仕事の魅力について
 存分に語っていただきます。
  
 
 ◆日時:2020年1月16日(木) 19時〜(開場18時30分)

 ◇場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール    

 ★参加費:おひとり様1000円(要予約)
 
 ☆予約方法:メール・店頭・電話
 
 ・メールでご予約の場合
   http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?cat=5
   「お申し込みはこちら」のリンク先専用応募フォームから
   お申し込みください。
  ・店頭または電話でご予約の場合
   イベント名・お名前・電話番号・参加人数をお知らせください。

       ご予約受付電話番号:03-3291-5181

 ■ 『窓辺のこと』(港の人)刊行記念
        石田千さん×牧野伊三夫さんトーク&サイン会
                                                 「石田千のレルビー」
 └─────────────────────────────────
 2001年第1回古本小説大賞を受賞して以来、
 石田千は小説、エッセイ、紀行などと幅広い分野でチャレンジしながら
 作家の道を歩んで来た。
 2020年正月、そろそろ20年を迎える作家生活を振りかえり、
 明日のことを思う。
 石田千のレルビーを聞く。
 お相手は、銭湯仲間の画家、牧野伊三夫(本書の装画・絵を担当)。


 ◆日時:2020年1月17日(金) 19時〜(開場18時30分)
 
 ◇場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール    
 
 ★参加費:おひとり様1000円(要予約)
 
 ☆予約方法:メール・店頭・電話
 
 ・メールでご予約の場合
    http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?cat=5
  上記「お申し込みはこちら」のリンク先専用応募フォームから
  お申し込みください。
 ・店頭または電話でご予約の場合
  イベント名・お名前・電話番号・参加人数をお知らせください。

     ご予約受付電話番号:03-3291-5181
 
 ----------------------------------------------------------------------
 ■あとがき
  今年はどんどん配信が遅れて本当に申し訳ないです。
 執筆の方もみなさんきちんとされていて、一重に私のせいでございます。
 ご存知だと思いますが。
 本当に申し訳ありませんでした。
 今年もまた、一層時間に追い越されて生きてきました。
 年々そんな風になっています。
 
  いろいろと反省しきりですが、来年は勤勉に、いや難しいかな、
 でも、せめて出来る限り誠実にやっていければいいな、と思います。
 もうこれ以上はないです。
 
  来年もどうぞよろしくお願いします。         畠中理恵子
 ----------------------------------------------------------------------
 ■広告募集のお知らせ:当メルマガは現在4065名の読者名の皆さんに配信して
 おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
 ■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
 ■ 今号のご意見・ご質問は
  15日号編集同人 「畠中理恵子」まで nora.7-4.ttpnkffb.c@ezweb.co.jp 
 ■ トピックスの情報提供もよろしくお願いします。
   なお、当メルマガは配信日によって、情報の提供先が変わり
   ・5日号:aguni原口 hon@aguni.com
   ・15日号:畠中理恵子 nora.7-4.ttpnkffb.c@ezweb.co.jp
   ・25日号:朝日山 asahi_yama@nifty.com
   ただし、掲載の可否については編集同人が判断します。
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