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[本]のメルマガ vol.717

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 ■■ [本]のメルマガ                 2019.5.15.発行
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 ■■  mailmagazine of book        [芍薬の美しい季節です号]
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 ーに彩色。鉄道、高層ビル、電話、飛行機などの発明品から、二度の世界大戦、
 内戦、革命にいたるまで、人類の歩みをあざやかに目撃する歴史写真集。

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 【連載】………………………………………………………………………………
 
 ★「散慮逍遥月記」 /  停雲荘主人 
 → 第59回「肩書が変わり仕事が変わり」

 ★「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
 → 第119回 銭湯と町が愛おしくなる
  
 ★「本棚つまみ食い」 / 副隊長 
 → 新しい「働き方」
  
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 ■トピックス
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 ふたつのイベントをご紹介します。
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 ■「散慮逍遥月記」 /  停雲荘主人 
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 第59回「肩書が変わり仕事が変わり」
 
 こんにちは。
 
 4月になって年度が変わり,5月になって元号も変わりました。「元号が変わっ
 ても世の中は何も変わっていない。お祭り騒ぎはまやかしだ」と批判したり愚
 痴をこぼしたりしていたひともいますが,何より「変わる」ためには,まず自
 分が何かを変えようとしなければダメなんじゃないかと思う今日このごろです。
 
 わたしはこの4月から肩書が変わり,本務が常勤講師で兼務が図書館の中のひ
 とになりました。おかげで3月末から今日まで講義の準備に追われる毎日です。
 10連休があったじゃないか,と言われそうですが,そちらはそちらで,普段や
 っていない後期高齢者とその孫へのサービスをこなしておりまして。毎週,
 1600字程度のレポートを4つ書き上げて次に進む,という感じでやっています。
 
 これまで,それなりに大学図書館の業務もこなしてきましたし,非常勤講師も
 務めましたし,論文や記事を書き講演も頼まれてきましたが(5月と6月も依頼
 をいただいて,著作権法と大学周りのお話をする予定です),大学の講義を複
 数ほぼ同時に準備するという作業は,またこれまでとは異なる難しさがありま
 す。
 
 もちろん,教科書の類は司書課程においても,いくつも出版されており,その
 うちのどれかを選んで,教科書(あるいはそれに基づく講義ノート)を読みな
 がら淡々と進める,というスタイルをとることはできますが,教科書を頭から
 読むのなら自学自修で充分。生身の人間が教壇に立って講義をするというのは,
 教科書以外のところにある「知識」や「経験」を伝えるためにやるのではない
 かと思っているので,結局のところ教科書は参考程度(いまわたしが持ってい
 る「知識」の再確認が主)で,わたしが改めて調べて再構成した内容を中心に
 講義をしています。
 
 数年前から講義もぼちぼち引き受けていたので,各種の教科書を拾い読みして
 いますが,例えば「情報資源組織論」という講義。ここでは図書館が所蔵もし
 くは所有していない,Webに点在しているネットワーク情報資源も含めた(情
 報検索のための)「図書館目録」のあり方を考えることが求められているのだ
 ろうと思うに,いまだにむかしの「分類・目録論」から一歩も踏み出していな
 い,具体的に述べると「メタデータ」にすら触れていない教科書がある,とい
 う有様です。いまやWebを使った情報検索など一般社会に普及しており,(そ
 の是非はともかく)Web上に存在しないものは世の中に存在しないものとほと
 んど同義になっていると言うのに,情報のハブたらんと欲しているはずの図書
 館の,その業務の中枢のひとつであるはずの図書館目録の教科書が,カード目
 録の時代と変わらぬ意識と技術を以って執筆されている,というのはさすがに
 如何なものかと思うところです。
 
 ところで,最近の学生は講義内での教員の雑談を嫌い,シラバスの通りに講義
 が進まないと低い授業評価を付けるのだそうです。35年ほど前に,大学1年の
 新学期に受けた第1回の講義が「わたしは若いころ,刺繍のデザインで生計を
 立てていたことがありましてね」で始まったなどということは,おそらくいま
 の大学生には「ありえない」ことなのだろうと少々残念な気持ちになります。
 
 それでも,図書館というところは「知の伽藍」「知の広場」だと思っているわ
 たしは,やっぱり余計な話を織り交ぜて講義をしていきます。講義しているわ
 たしが聴きたい講義をやることが,モチベーションを維持するためにも必要だ
 ろうと思っています。わたしの「面白いこと」が受講生にとっても「面白いこ 
 と」として記憶されれば幸甚でしょう。
 
 では,また次回。
 
 
 ◎停雲荘主人
 2019年4月から本務と兼務が入れ替わった大学と大学図書館の中のひと。南東
 北在住。好きな音楽は交響曲。座右の銘は「行蔵は我に存す,毀誉は他人の主
 張,我に与らず我に関せずと存候。」(勝海舟)。
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 ■「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
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 第119回 銭湯と町が愛おしくなる

 
  4月28日、黄金週間の二日目に催された不忍ブックストリートの一箱古本市
 は、たくさんの人が訪れて、売り上げもとてもよかったそうだ。今年は箱数が
 40、12スポットと規模が小さくなっての開催だった。店主の申し込みも数秒で
 埋まってしまったそうだ。雨の多かった黄金週間だったが、この日は快晴で、
 しかもそれほど暑くならなかった。一箱古本市の成功の鍵は、やはり天候なの
 だと思う。池の端に移転した古書ほうろうは、28日に仮オープンしたけれど、
 引っ越し直後のカオスのような様子とは違って、店内はきちんと整理されてい
 て驚いた。洒落た雰囲気の古本屋になりそうで、正式なオープンがとても楽し
 み!

 
  黄金週間の前、4月26日は、イラストレーターの武藤良子さんのエッセイ集
 『銭湯断片日記』(武藤良子 著 龜鳴屋)が出版されたということを聞いて、
 目白のブックギャラリーポポタムに行った。出版を記念してポポタムで武藤さ
 んと編集者・ライターの南陀楼綾繁とのトークがあったからだ。『銭湯断片日
 記』は、武藤さんが2007年から書き続けたブログから銭湯について書いた文章
 のみをまとめたもの。版元の龜鳴屋(かめなきや 
 http://kamenakuya.main.jp/)は金沢での小さな出版社で、ぼくは矢部登さん
 の『田端抄』を持っている。龜鳴屋の本は原則的に通販のみの販売なのだが、
 トークの会場には龜鳴屋の本がほぼ全タイトルが少部数ずつ並んでいた。一冊
 一冊、心をこめて作られていて、装丁、造本がじつに美しい書籍ばかりで、手
 に取ると欲しくなるものばかりで、ぼくは新潟在住の児童文学者・杉みき子
 『マンドレークの声』を買った。表紙の絵は高野文子だ。ミステリを愛してや
 まない児童文学者のミステリのひきだしから集めて編んだヴァラエティ・ブッ
 ク、ということで読むのが楽しみだ。

 『銭湯断片日記』の造本もやはり凝っていて、512ページという分厚さだが、
 それほど重くない。各章扉にはその年に描いた絵(印刷)を9年分の9枚貼りこ
 んであって、奥付には検印紙が貼ってある。付録の栞も差し込んであって古書
 店「石神井書林」店主・内堀弘のエッセイが読める。もちろん、すべて手作業
 で限定526部(ゴー・風呂)ということだが、まだ100部ほどしか出来ていない
 らしい。
 
 
 武藤良子さんの文章が好きで、いつかまとめて読みたいと思っていたから、
 この本は待ちに待ったという感じだ。武藤さんのエッセイはたんたんとしてい
 て飾らない文章で読んだあとに、胸に温かさとじわーっとひろがる。

 
  銭湯について書いた文章を集めてあるといっても、もちろんガイドブックで
 はない。武藤さんが絵を描いて、ビールを飲み、餃子を食べて、そして銭湯を
 訪ねるという日々の記録だ。そして東京という町の暮らしが浮かび上がってく
 る。

 
  9年の日々の記録、年月の重みを感じる。9年という年月を、武藤さんの軽快
 な文章を読みながら自分の過ごした時間を思い返してみる。あっという間に過
 ぎた気もするが、やはり長いよね。

 
  武藤さんはポポタムでのトークで、ブログをまとめるということで、出版に
 あたり読み直して、悩んで、もがいて、苦しんだという。何回も校正を取り直
 したということだった。軽快なエッセイ集な仕上げるにはやはりそれなりの苦
 労があるものだ。
 
 
 日常のことだから、それほどドラマチックな出来事はない。読みながら先日
 聞いた漫画家の山川直人さんの言葉を思い出した。
「永島慎二、つげ義春、滝
 田ゆうの漫画というのは、街を歩いていたら、すべってころんだというくらい
 の、そういうことで漫画を描いてて、しかも自分にはそれが面白いということ
 が発見だった」

 
  そうなのだ、武藤さんのエッセイを読んでいても、面白いのは日常だ、と改
 めて思うようになった。2008年4月9日の「鍵なしッ子」では、旅先の大阪、公
 園で小学生の男の子と出会う。鍵を持っていなくて家に入れないらしい。その
 子を連れて古本屋に行って、結局、そこに預けてしまう話。どうってことのな
 い話だけれど笑ってしまう。
 
 
 同じ年の6月16日に、アトリエに行く途中で表面がぼろぼろの傷ついたビー
 玉を拾う話も好きだ。そのビー玉を「アトリエの机の上に、小さなビー玉を、
 ことん、と置く。」それだけなのだが、じつに鮮やかにイメージが浮かび上が
 る。
 
 
 イラストレーターだからだろうか、映像を捉える目がすごいなあ。銭湯の様
 子が目の前にありありと浮かんできそうだ。スケッチしたり、写真を撮ってい
 るわけがないだろう。メモだってとっていないだろう。銭湯までの道、銭湯の
 外観、扉、番台、湯船、桶、カランのこと、そしてお風呂に入っている人たち
 との会話。武藤さんの文章で脳内銭湯を楽しむことができるのだ。それもおそ
 らく一生入ることのない女湯! だ。湯気の香りまで蘇ってくる。
 
 
 ぼくは歩いていても、いつもボーッとしていて、風景のことや、すれ違う人
 の顔、服装などまったく覚えていない。たとえば、いつも行っている喫茶店を
 文章で描写しようとしても、どこまで出来るか、まったく自信がない。いつだ
 ったか児童文学者の筒井敬介さんが「ファンタジーを書くには、ディテールを
 書き込まなくてはならない」と教えてくれたことがある。描写がリアルでなく
 ては、ファンタジーはなりたたないということだった。この本は銭湯通いをし
 ないぼくにとっては、銭湯ファンタジーなのかもしれない。
 
 
 銭湯の数はどんどん減っているらしい。そういえば近所にあった「亀の湯」
 も昨年6月に廃業してしまった。本の終わりに武藤さんが訪れた銭湯のリスト
 があるが、98件の銭湯のうち33軒は廃業している。銭湯でなくても、町から自
 分の好きな店や場所がなくなることがある。そのときにただ嘆くだけでなく、
 その店、場所を守るために自分にできることをやってきたのか、と自分に問い
 かけることが大事だと思う。

 
  2010年5月3日の「あなたの好きなもの」で武藤さんはこう書いている。
 「あなたが好きなものが銭湯でなくてもいい。飯屋でも酒場でも雑貨屋でも本
 屋でも古本屋でもいい。あなたの好きなものたちは、誰かではなく、あなたが
 大事にし、守るべきだ。」

 
  自分の好きな店、友人がいる店が閉店するのは、とてもつらい。そのつらさ
 を思うとき、武藤さんの言葉はぐさりと胸をえぐるようだ。閉店を残念に思う
 資格さえ、自分にはないのではないかと思うのだ。
「あとがき断片日記」で武
 藤さんは、2019年2月9日に閉店した古書信天翁のことを書いている。閉店する
 ために店にあった本を古書市場に持っていくが、その選にもれた本を路上で売
 っていた。ネットでの閉店情報を知らずに何人かの人が古書信天翁を訪ねてき
 た。だれもが驚き、閉店を惜しむ。武藤さんは思う。本を書くことで、閉店を
 知らずに訪ねてきた人たちの行き場のない声を「あそこに古本屋があったよね、
 あそこに銭湯があったはず。そうした声をわたしたちがいなくなった先までず
 っと、本が受けとめ続けてくれる。」と。

 
  写真家の大西みつぐさんは、撮影で町を歩くときは、銭湯セットをバッグに
 入れているといっていた。ぶらぶら歩きながら、銭湯を見つけたら、ひとっ風
 呂浴びる、そんな散歩ができるようになりたいものだ。

 
 ◎吉上恭太
 
文筆業。エッセイ集『ときには積ん読の日々』がトマソン社から発売中。詳し

 くはトマソン社のサイトを見てください。http://tomasonsha.com/ 。翻訳絵
 本『あめのひ』『かぜのひ』は徳間書店から出ています。
 セカンドアルバム
 「ある日の続き」、こちらで試聴出来ます。

 https://soundcloud.com/kyotayoshigami2017

 タワーレコード、アマゾンでも入手出来ます。よろしくお願いします! 


 
 
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 ■「本棚つまみ食い」 / 副隊長
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  会社に勤めていると、やれ仕事ができるできないだの、いくら利益を生み出
 しているだの、いろいろ値踏みされているように感じて、なんだか面倒くさく
 思います。とか思っているとこういうタイトルの本には心を惹かれます。 
 
 『ルポ雇用なしで生きる』、工藤律子、岩波書店、2016
 
  雇用されて生活の糧を得ることが当たり前に思っていると、なかなか刺激的
 なタイトルかもしれません。ただし本書の舞台は日本ではなくスペイン。かの
 地で雇用主に振り回されることなく生きていく試みしている人々を取り上げて
 います。
 
  そのなかのひとつに時間銀行というものがあります。これはそれぞれが自ら
 の提供できるサービスを時間単位で他人に提供し、その分貯まった時間で他人
 からサービスを提供してもらうというシステムです。
 
  時間銀行に登録した人が、誰かの家で1時間料理をする。すると1時間分の貯
 金ができます。そしてその貯金は誰か別の人に1時間語学を教えてもらうのに
 その貯金を使う、そんな感じです。
 
  そうすると結局何も提供できるものがない人も出てきてしまうのではないか
 という懸念もありますが、実際には高齢者の買い物の付き添いなど、そこまで
 ハードルの高くない仕事などもニーズがあるようです。
 
  またこのシステムの特徴は個人間の信頼に基づくものであるという点にあり
 ます。普通にサービスを提供する企業だと、対価を支払った分のサービスを提
 供するという点に重点が置かれます。しかしこの場合は個人同士のことになり
 ますので、相手に喜んでほしいということに力が注がれるのではないでしょう
 か(もちろんどちらが良いとか悪いとかの話ではありません)。やり取りするの
 もお金ではありませんし。
 
  こういうシステムがあれば、必ずしもお金を沢山持っていなくても様々なサ
 ービスを受けることが可能です。そのぶん賃金労働を減らすことも夢ではあり
 ませんね。
 
  もちろんお金が時間に置き換わっただけというわけではありません。誰でも
 平等に何をしても1時間は1時間の貯金にしかならないし、運用して増やすこと
 もできません。そして時間銀行では時間を貯める一方の人には、使用が推奨さ
 れます。銀行とはいうものの資本主義的に効率的な投資をして多くの利益を上
 げるという考え方とは全く異なる思想です。
 
  他にもフードバンクや地域通貨、協同組合などスペイン各地で行われている
 魅力的な取り組みが紹介されています。ちなみに協同組合は組合員自身で組合
 の方針を決めて運営していく、直接民主主義的な組織です。
 
  そんななか最後に取り上げられているのが、アンダルシア地方の小さな村マ
 リナレダです。
 
  この村は1980年代から貴族の農園をはじめ、長い闘争の末に最終的に農地を
 農民のものとし、組合方式の農園を設立。その農園が村の主要な産業となって
 います。
 
  村長のサンチェス・ゴルディーヨは反資本主義的な思想の持ち主で、ここでは
 それがさまざまなところで表れています。直接民主的な議論で運営される村政、
 低価格で受けられる公共サービスなどです。住宅も月15ユーロ(1,800円くらい)
 で済むことが出来るというから驚きです。
 
  村長のキャラクターも含めてこの村はなかなか興味深いのですが、ちょっと
 本書では扱いが小さい。マリナレダについては『理想の村マリナレダ』
 (ダン・ハンコックス著/プレシ南日子訳、太田出版、2014)が詳しく、こちら
 もお薦めです。
 
  この村の思想を表しているのが、その農園です。ここでは労働者が多く必要
 で、加工工場で加工して出荷できる作物を作ることを選択しました。それはそ
 の方がより多くの人を雇用することができるからです。機械を使って収穫でき
 る小麦ではなく、サヤインゲンやブロッコリーが栽培されています。
 
  そしてこの農場では利益は組合員に分配されるのではなく、新たな雇用を創
 出するために投資されます。組合員の給料も一律です。もちろん決して低いわ
 けではなくスペインの最低賃金の倍の額です。
 
  村長のサンチェス・ゴルディーヨはこう語ります。「今、人間は商品と見な
 されています。利益を生み出しているうちは利用されますが、利益を生み出さ
 なくなれば捨てられます。この残酷で非人間的な価値観を変えなければなりま
 せん。」(『理想の村マリナレダ』、p,222)
 
  スペインに広まるこうした資本主義とは異なる価値観を探る試みは、実は他
 の国々でも行われています。いくら稼ぐかか人間を測る物差しなのはおかしい
 と思っている人が、世界にも沢山いるのだと思うと勇気付けられます。
    
 ◎副隊長 
 鉄道とペンギンの好きな元書店員。
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 ■トピックス
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 ■ 鬼海弘雄写真展 「PERSONA ペルソナ」
  └─────────────────────────────────
 ◆日時:2019年4月27日〜6月30日 10時〜19時 (4水曜日休館)
 
 ◇場所:寒河江市立美術館 山形県寒河江市本町2丁目
 
 ★入場無料
 
 寒河江市出身の写真家・鬼海弘雄氏が故郷の美術館で自身の代表作、2004年
 に土門拳賞を受賞した写真集『PERSONA』などから浅草の市井の人々の肖像
 写真を45点展示しています。

 ■ 萬画家・石ノ森章太郎展    ボクは、ダ・ビンチになりたかった
  └─────────────────────────────────
 
 ◆日時:2019年4月20日(土)〜6月30日(日)
                 毎週月曜日(祝・休日の場合は開館し翌日休館) 
 
 ◇場所:世田谷文学館 2階展示室  
     〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1丁目10-1 
      TEL03-5374-9111   
 
 ★入場料:一般=800円、65歳以上、高校・大学生=600円
        障害者手帳をお持ちの方=400円  中学生以下無料

 マンガ家として『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』など数々
 のヒット作で知られる石ノ森章太郎(1938-1998)は、エンターテインメント作品
 を量産する一方で実験的作品『章太郎のファンタジーワールド ジュン』や
 『マンガ日本経済入門』など画期的なテーマにもチャレンジし続け、万物を表現
 できるメディアとしての<萬画>を提唱しました。また、後進育成のための、
 マンガ入門書やエッセイ刊行の他、晩年は郷里貢献活動として、「マンガを活
 かした街づくり」に尽力するなど、教育者や作家、社会企業家(社会変革の担
 い手)としての側面も併せ持ちます。本展では「世界一多作なマンガ家」の多
 様性、先見性をご紹介します。
 
 ■ 「ある編集者のユートピア」展 小野次郎:W・モリス、晶文社、高山建築学校
 └─────────────────────────────────
 ◆日時:2019年4月27日〜6月23日 10時〜18時
              (入場は17時半まで) 月曜休館
 
 ◇場所:世田谷美術館 1階展示室
      〒157‐0075世田谷区砧公園1‐2 TEL03‐3415‐6011
 
 ★入場料:一般1000円、65斎以上800円、大高生800円、中小生500円
 
 編集者にしてウィリアム・モリス研究家の小野二郎(1929-1982)が生涯を通し
 て追い求めたテーマがユートピアの思想でした。弘文堂の編集者を経て、1960
 年には仲間と晶文社を設立、平野甲賀の装幀による本が出版社の顔となります。
 一方では明治大学教授として英文学を講じる教育者でもありました。晩年には
 飛騨高山の高山建築学校でモリスの思想を説き、そこに集った石山修武ら建築
 家に大きな影響を与えました。W・モリス、晶文社、高山建築学校の3部構成で
 小野二郎の“ユートピア”を探ります。
 
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 ■あとがき 
 また、発行が遅くなってしまいました。いつも申し訳ありません。
 涼しくて湿度も少なく快適な五月…と思いきや、いきなり真夏日連続でちょっと
 残念ですが、緑が映えて気持ちいい季節です。
 面白そうな展示も目白押し。外に出かけてみたい今日この頃です。畠中理恵子 
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