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[本]のメルマガ vol.449

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■■ [本]のメルマガ                2011.12.05.発行
■■                             vol.449
■■  mailmagazine of books       [どこか本棚の不思議の国 号]
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『ファインダー越しの3.11』

安田菜津紀/佐藤慧/渋谷敦志著
四六判 168頁 定価1575円 ISBN:9784562047581

あの時のたった一枚の写真が忘れられない記憶となる…被災地でシャッターを
切る3人のフォトジャーナリストは、ファインダーの向こうに何を見ていたの
か。写真を撮る意味、残す意義を考える●特設サイト http://f311.jp/

■CONTENTS------------------------------------------------------------

★トピックス
→ トピックスをお寄せください

★「神戸発、本棚通信」 / 大島なえ
→ 古本屋を怒らせる方法のエピソード

★声のはじまり / 忘れっぽい天使
→ 主張をしない主張
    ―フォルカー・ザッテル監督『アンダー・コントロール』

★読者起点が出版業界を変えていく / aguni
→ 留萌ブックセンターモデルは地方都市の文化水準を救うか?

★「[本]マガ★著者インタビュー」
→ メールにて、インタビューを受けていただける著者の方、募集中です。
  【著者インタビュー希望】と表題の上、
  下記のアドレスまでお願い致します。
  5日号編集同人「aguni」まで hon@aguni.com

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■トピックス
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■心理学書販売研究会フェアのお知らせ
└──────────────────────────────────
第11弾「心理学書、この1冊 ― 2011年 今年の収穫―」

1年以上の長きにわたって、さまざまなテーマで開催してまいりました「心理
学書販売研究会×紀伊國屋書店新宿本店5階」の共同フェア企画もいよいよ、
今回が最後となります。2011年に刊行され、書評・紹介された書籍、あるいは
重版された書籍など、話題になった心理学書をピックアップ、「今年の収穫」
としてみなさまにおすすめいたします。どうぞご来店くださいませ。

場  所|紀伊國屋書店新宿本店 5Fエレベーター前フェア台
会  期|2011年12月5日〜2012年1月29日
お問合せ|紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-5700 ※5F直通

詳細は心理学書販売研究会ブログ
http://shinpanken.blogspot.com/

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■トピックスをお寄せください
└──────────────────────────────────

 出版社の皆様、あるいは出版業界の皆様より、出版関係に関わるトピックス
(イベント、セミナー、サイン会、シンポジウム、雑誌創刊、新シリーズ刊行
など)の情報を、広く募集しております。

情報の提供は、5日号編集同人「aguni」hon@aguni.com
あるいは、FAX 03-6410-7768 まで。

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■「神戸発、本棚通信」 / 大島なえ
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 第七二回・古本屋を怒らせる方法のエピソード

 いやあ今年も師走だす(古いなぁ)12月5日、あと残すところ幾日と数え
始めると、慌しい暮れがやってくるのだ。しかし忙中閑あり。じゃないがいや
あなたいつもヒマそうじゃないですか、と声が聞こえてきそうなんだけど、と
にかく暮れだし本の整理をしていたら、本棚のすき間からポロッと出てきたミ
ニ冊子があった。

 それは手の平におさまる小さな手作りの冊子で表紙はどうも「暮らしの手帖」
の表紙を切って使っている。タイトルは「古本屋を怒らせる方法」林哲夫。す
むーす堂2004年12月5日発行。P−book 01とあるのは、そう言え
ば七年前に自分が毎月作っていた「ほんの手帖」(フリーペーパー)を、林さ
んの家へ送ったお礼にいただいたものだった。その他にも印章をカタログ風に
したモノや、その頃飼っておられた犬のミカンの絵ハガキ等いつもさりげなく
何か送るたびに、きちんとお返事をいただいた。実にマメで丁寧な方で、そん
なミニ冊子を無論捨てることなく全部保管しているハズなんだが多分どこか本
棚の不思議の国に入りこんで出てこないらしい。それであらためて冊子の掌編
小説風「古本屋を怒らせる方法」を読んでみたら、もらった時に一度読んいる
ハズなのに初めて読んだみたいに忘れているし、とても面白かった。

 冒頭に「あんなクソじじい、死んでせいせいしました」と言う過激な言葉か
ら始まっているのだが、それは所謂つかみ。で、多分あそこだろうなと思われ
るその頃亡くなった古本屋のおやじの顔を思い浮かべながら、古本好きならた
まらない目録が出てきたり古書の名があり当時の古書価が比べられていたり、
マニアックな内容ながら楽しい読み物である。このミニ冊子をいただいてから
林さんはちゃんとした出版社から同名の単行本を出しているので、このミニ冊
子はその前の遊びで作った感のミニコミになると思う。当時すむーす堂からは
ミニコミ的にそんな小さな冊子を何冊も発行していて、上に書いたように私は
そんな可愛い、すむーす堂刊の出版物を殆ど買わずに持っている。それが今は
古本として結構人気があるらしく某ブログ日記で写真入りで買った話があり、
あれまぁこれ全部持ってまっせ。と内心びっくりした。もしかしたら発行人も
同じかも知んない。すむーす堂のはミニコミなので書店では売ってない。まし
て七年前のは欲しい人には探すのもむずかしいんだろうな。案外、発行人本人
に欲しい。と手紙を出せば定価で売ってくれると思うとこもあるけどねー

 「古本屋を怒らせる方法」で出てくる古本屋は、今では次第になくなりつつ
ある頑固おやじが居る、文芸書中心の長年同じ地でしている古本屋のことだ。
わかりやすい例だと「さらば!国分寺書店のオババ」椎名誠に出てくる古本屋
と言えば感じがわかるかな(オババは女性だけど)。店に入る時も勿論缶コー
ヒーを手に持ってたり何か食べてたり、連れと大声でしゃべったり等はオババ
の怒りを買うに決まっているし、雨の日に濡れたカサを持って入るのは論外だ。
今流行りのケータイセドリなどしたら、それこそ「クズばっかりの客」と大声
で言われるだろう。今時そんな商売してたらやっていけまへんで。うるさいわ
い、そんなこと百も承知で古本屋やってんねん、はよ帰れ。と怒られるのだ。
(こんな時は大阪弁がほんまによう似合う)

 しかしさびしいのは、死んでせいせいしたと言われるような古本屋が本当に
少なくなって、国分寺書店のオババ風の古本屋おやじ(?)が消えて、新しい
若い人の古本屋になっていることだ。世代交代しているのだ。それはまぁ時の
流れと共に当たり前のことなんだが、別に怒られたくは無いがやっぱりそんな
ふる〜い古本屋の方が落ち着くから困ったもの。

 そう思いだせば老人ではないが中年のおやじに私は何度も以前、怒られたこ
とがある古本屋に今も懲りもせず行く。一番覚えているのは、何気なしに携帯
電話の写メールを撮ったら店主が猛烈に怒って「二度と来るな!」と怒鳴られ
てシュンとなって帰ったことがあった。

 それで半年ほど行かなかったのが何か前を通った時に魔がさしたようにドア
を開けてはいり、その時のこと等すっかり忘れているみたいに店主はにこやか
に話をして、お茶まで出していただいた。それで何冊か本を買い、今も魔がさ
したように前を通り過ぎずドアをあけて入り古本を何冊か買っている。たまに
捨てるから要るんならあげるでと古雑誌や目録をいただく。しかし油断はでき
ん。いつまた何がきっかけで怒って「二度と来るな!」と怒鳴られるかわから
ないところがある。暗黙のこれはダメみたいなルールがあるのを察知しなくて
はいけないし、単に今日はすごく機嫌が悪いと思われるような時はさっさと出
ていくのが怒られない秘訣だ。古本屋はソウウツみたいなのも多いのよ。

 実は絶対に嫌われる客は自信をもって言えるが、さんざん本を出して見るだ
け見たおして何も買わずに帰るヤツ。それを何度もすると絶対に怒られます。
これも某古書店で実際に聞いたけど「見るだけなら出ていって」と言われた客
がいた。その古本屋オヤジも今はいない。なんだか今はマナーの悪い客に私が
怒りそうな時代になっている。オババみたいになったらどないしよ。

大島なえ(おおしま・なえ):1958年生。神戸在住のふらふら兼業主婦も
している。今年もあと幾日になってきました。本のメルマガも四年もだらだら
と続いて書いております。ほとんど間違った時だけど思わぬ人からメールで、
指摘されたりすると、思わぬ人びとに読んでもらえているんだなぁ。と反省も
せず思ったり。今年も読んでいただき、ありがとうです。また来年もやります
よ多分。
フリ−ぺ−パ−「ほんの手帖」発行人。書店巡り愛好者。
http://d.hatena.ne.jp/nae58625/

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■「声のはじまり」/忘れっぽい天使
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第63回 主張をしない主張
    ―フォルカー・ザッテル監督『アンダー・コントロール』

 福島原発の事故以来、原発行政を批判するたくさんの書籍が刊行され、ベス
トセラーになったものも数多く現われた。「FUKUSHIMA」は原発の危
険を象徴する単語として世界的に有名になっている。だが依然として原発は世
界中で稼働しており、ベトナムやトルコは日本企業に原子力発電所の建設を発
注しようとさえしている。

 原子力は二酸化炭素を排出しない「環境に優しいエネルギー」「クリーンな
エネルギー」と宣伝されてきた。危険性はゼロではないが、環境のことを考え
ると――といったロジックで「我々」は懐柔されてきた。それは日本だけのこ
とではない。脱原発を決めたドイツでも、70年代までは原子力は「夢のエネ
ルギー」だった。今回ご紹介する『アンダー・コントロール』(フォルカー・
ザッテル監督)は、ドイツの原発事情をレポートしたドキュメンタリー映画で
ある。

 この映画は、ドイツが脱原発の方向へ舵をきったここ3年程の様子をレポー
トしている。原発推進派であったメルケル首相が明確に脱原発を宣言したきっ
かけは福島の原発事故だが、この映画で描かれているのはその直前までのこと
だ。原発廃止の流れはできたが、まだその歩みは速くはなく、推進派の抵抗も
少なくない、そんな流動的な状態が極めて鮮明に捉えられている。

 白い煙をもくもくと吐く巨大な冷却塔。最新式の設備を誇る原子力発電所の
建物は、現代のテクノロジーの象徴のように見える。制作者たちはは礼儀正し
くその中に入り、現場の様子を丁寧に撮影し、職員に話を聞く。まず印象づけ
られるのは、いかに「安全」に気を配っているかという発電所側の主張だ。

 コントロールルームでは、何台ものコンピュータが、あらゆる観点から原子
炉の状態をチェックし、記録している。少しでも異常が見つかればすぐに調査
され、問題があると判断されると炉の停止の手続きが取られるのだという。現
代の技術の粋を尽くした最新の設備と高度な訓練を受けた職員の目。事故防止
のためのマニュアルは完璧であるように見える。何と、テロの攻撃対象にされ
た際のことも想定して、施設を煙幕で包む仕掛けもあるのだという(飛行機で
突撃されるような事態を想定しているのだろう)。職員の健康についても万全
の対策が取られている。放射線防護服の着用、部屋を移動する際の注意、検査
の徹底、など。

 だからといって、異常事態を完全に避けることができるわけではない。本作
でも、故障が起きた際の様子が生々しく記録されている。ほんの一部の部品の
劣化・破損がすぐさま大きな事故につながってしまう。高価な機材をそろえ、
専門家たちが密なコミュニケーションを取りあって冷静に対処していても、原
子炉がただちに人間の意のままにならないことが暴露されてしまうのだ。本作
で撮し出されたケースでも、退避命令が下る直前までいく。事故は回避できた
が、その過程は不確定要素がいっぱいなのだ。

 原子力の専門家である職員は、ヒューマンエラーの可能性を強調する話をす
る。人よりも機械の判断を重視し、主観の恣意性を排除しなければならないと
いうのだ。しかし、いざ故障が起きるとやはり人間が出て来ざるを得ない。こ
の矛盾が、見ている者の心を限りなく不安にさせる。

 廃棄物の処理についても同様である。地下の巨大な倉庫に夥しく積まれた核
廃棄物の缶。制作者たちは複数の関係者に廃棄物処理についての話を聞くが、
歯切れの良い答は返ってこない。コストもかかるし、管理が大変だという愚痴
めいた談話ばかりだ。

 原発への風当たりが強いことは関係者たちも無論よく知っている。運転寸前
で廃炉が決定した原子力発電所では、施設が遊園地として再利用され、冷却塔
が回転遊具になっている。くるくる回転する遊具に実際に人が乗ってはしゃい
でいる様子にはドッキリさせられる。関係者たちは、かつては最高の頭脳が、
クリーンなエネルギーの開発を目指し誇りを持って仕事に邁進していたことを
語る。それが、今やどうだ、ということだ。但し、原発推進派もまだまだ勢力
があり、国際会議の会場ではオーケストラの演奏などの華やかな催しもある。
また、国際原子力機関(IAEA)は基本的に各国の原子力発電所に提言をす
るだけで、自らが強制力を持って積極的な行動に出るわけではないことも語ら
れる。

 この映画では、制作者サイドの意見が声高に叫ばれることはない。原子力関
連の施設を訪ね歩き、その様子を丁寧に描くことに徹している。原子力発電所
で働く人々のインタビューも数多く収録されているが、脱原発運動家の声など
は一切取り上げていない。制作者の態度は非常にニュートラルだ。表面的には
推進派寄りとさえ言って良い。しかし、ニュートラルである分原発が抱える
「危うさ」がより鮮明に浮かび上がる。見終わった観客の胸には、原子力はい
くらコントロールしようとしてもしきれないものだ、という結論が強く刻まれ
ることになる。

 冷徹に事実を積み上げていく手法は、感情的に脱原発を叫ぶやり方よりも遥
かにインパクトがある。例えば、脱ぎ捨てた防護服が、丁寧に映像化されるこ
とで、限りなく恐ろしいものに感じられてくるのだ。平常の運転から解体に至
るまで、その全てが危険、そう思わせるところに、制作者側の意図があるので
はないだろうか。制作者自ら主張するのでなく、観客にそのように考えさせる
のだ。原発の危険を告発するプロパガンダ映画としてとてもよくできている。
が、逆に原発推進派がこの手法を使えば、ちょっと怖い効果が出てしまうので
はないかと想像したりもしたのだった。

*フォルカー・ザッテル監督『アンダー・コントロール』(ドイツ)
イメージフォーラム(11月24日―)より全国順次公開。 

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■「読者起点が出版業界を変えていく」/ aguni
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留萌ブックセンターモデルは地方都市の文化水準を救うか?

 ずいぶんのご無沙汰です。出版業界で心ときめくようなニュースがあれば、
いつでも書こう書こうと思っているうちに、なんだかえらく間が空いてしまい
ました。すみません。

 というのはもちろん、心ときめくようなネタが見つけられなかったわけです
が、こんなときにふと出会ったニュースがこちら。

 市民が呼んだ本屋さん                 7月28日(木)
 http://www.stv.ne.jp/tv/dnews/past/index.html?idno=20110728195536

 って、半年近く前のネタです。すみません。

 上のニュースだけではいまいち状況がわからないので解説しますと、場所は
北海道の留萌市。どこやねん。旭川と札幌の間、人口約2万4000人の町。

 以前は小さな本屋さんがいくつかあったようなのですが、だんだん減ってい
き、昨年12月には、市内最後の2書店が閉店。

 マンガや雑誌はコンビニで買えるとしても、問題は、勉強で使う参考書。子
どもはクレジットカードもないのでネットでも買えません。

 ということで、留萌振興局などが学童用の参考書などを販売する臨時出店者
を募集。これに三省堂書店が応じ、期間限定の臨時店舗が設けられたそうな。

 しかし臨時店舗ということで、4月末で営業終了。

 これに対して市民が誘致活動を開始。署名の替わりに取った方法が、なんと
三省堂書店のポイントカードへの入会。

 お店もないのにカードの入会、というのがこれがイイじゃないですか。泣か
せます。その数、2000を超え、2500、そして5000を超えたとか。

 人口の20%以上がカード持っているって、ありえなくない?

 で、この活動に押され、人口30万人いないと出店しない、と言っていた三
省堂書店側も根負けして出店。で、上のニュースで、

 【横内店長】「うちの会社としては英断した」

 とまあ、こうなるわけです。

 しかし、まあ、そこは商売ですから、三省堂書店側としても、利益が出ない
と困ります。

 株式会社三省堂書店は留萌振興局は、包括連携協定を締結し、こんなことを
やっていくそうな。

 ・商店街活性化への協力、地域密着型ブックフェアの実施
 ・読書環境づくりの推進 等
 ・店舗を活用した留萌の食・観光等のPR 等
 ・書籍や読書をテーマとした各種イベント等の開催
 ・店舗における中学生等の職場体験の実施
 ・教職員を対象とした社会体験研修の実施 等

 で、2か月後、9月25日付の読売新聞によると、ポイントカードの会員数は、
約6400人。「書店ゼロの留萌出店 三省堂順調」とのこと。

 もちろん、一過性のブームかもしれないが、地域活性化の象徴ということに
なれば、生き残る戦略はいくらでもありそうだ。例えば、地域の商店街でポイ
ントを有利に消化できれば、利益にも反映する。それを留萌市が補てんすれば、
買い物に他地域に行く人も減るかもしれない。

 ちなみに北海道の書店の件数がわかるデータとして、北海道書店商業組合の
組合員数があるようだ。これによると、組合員数は82年の732店(支店登
録含む)をピークに減少傾向が続き、今年4月30日には130店とピーク時の2
割以下になったそうな。

参考)
 http://www.interiordesignnews.info/?p=358
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/feature/hokkaido1312161219114_02/news/20110926-OYT8T00278.htm

 もちろん、北海道は顕著だろうけれども、他の地方都市も推して知るべし。
地方の小さな書店が知らないうちに潰れていき、気づけば町に書店がゼロにな
ってしまう。

 これは別に少子化とか高齢化だけのせいでもないだろう。まずは雑誌が売れ
なくなったこと。コミックスや文庫本などがコンビニやスーパーで流通してい
ること。

 そしてもちろん、大手取次による書店の選別もあるだろう。物流の原則から
考えれば、大きいところに売れるものを置いた方が効率が良いのは間違いない。

 一方で、マニアックなアダルト本や雑誌など、中小書店でしか買えない本を
買えなくなっていることを嘆くブロガーも居た。確かに大手一極集中によって
多様性が失われていくことは、道理である。

 もしかして書店とか本の文化というものは、そろそろ政治の出番なのかもし
れない。それは国がどうこうしろ、ということではなく、地方都市が文化の水
準を守り続けるために、本屋の灯を消さない、ということだ。

 個人的には、地方に大書店が出店するよりも、地方の書店組合が一致団結し
てひとつの書店を作った方が夢もあるし希望もあるとは思うが、しかしそんな
ドラマチックな展開は、今の高齢化した書店業界にはあまり期待してはいけな
いのかもしれない。

 今回の三省堂書店の出店。店の名前は「留萌ブックセンター」。あくまで主
役は誘致した市民、ということだろう。

 将来的には生協のような形で、組合員によって地方都市の書店が運営されて
いく。そんなひとつのモデルとして、心ときめいたニュースを年末ということ
でご紹介してみました。

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■あとがき
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 就職活動が始まったということですが、あるサイトを見てびっくり。

 業界動向サーチTOP > 出版業界
 http://gyokai-search.com/3-hon.htm

 何がびっくりと言って、ランキングです。
 http://gyokai-search.com/4-hon-uriage.htm

 ベネッセが一位、以下、角川、ぴあ、ゼンリン、、、

 え?

 よく見ると、下に但し書きが。

「上記ランキングは有価証券報告書を元に作成しています。できる限り多くの
企業を載せるようにしておりますが、全ての企業を反映したものではありませ
ん。また、講談社、集英社、小学館など有価証券報告書非公表の企業について
は反映しておりませんのであらかじめご了承下さい。」

 まあ、そうですよねぇ。
 つまり出版社って、有価証券報告書非公表会社ばっかりなんですね。
 それはそれで、いまどきすごいことだと思います。

 ちなみに、このデータによると、出版販売額は5年連続減少。

「書籍・雑誌の販売高は96年をピークに減少傾向。平成20年の出版販売金額は
1兆9,356億円と5年連続で減少。21年ぶりに2兆円を下回り、平成8年以降減少
基調が続きます。近年では特に月刊誌や週刊誌など雑誌出版物の大幅な落ち込
みが目立ちます。」

 とのこと。就職希望の学生さんに、新しい出版業界への希望を訊いてみたい
ところです。(原口)

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  ・25日号:朝日山 asahi_yama@nifty.com
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