[本]のメルマガ

配信済のメルマガのバックナンバーを見ることができます。また、記事に対するコメントもお待ちしております。
<< [本]のメルマガ vol.434 | main | [本]のメルマガ vol.436 >>
[本]のメルマガ vol.435

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■------------------------------------------------------------------
 ■■ [本]のメルマガ                 2011.7.15.発行
 ■■                             vol.435
 ■■  mailmagazine of books       [夏だ!暑いぞ!節電だ!号]
 ■■------------------------------------------------------------------
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ★PR★ 原 書 房 最新刊 ★ http://harashobo.co.jp/
 
 『ハワイ式 幸せの作り方:ホ・オポノポノで人生が変わる』
 
 大崎百紀著 定価1575円 四六判 136頁 ISBN:9784562047147
 
 ハワイの伝統的な教え、「ホ・オポノポノ」を実践して、身も心も美しくなろ
 う! おすすめパワースポットやヒーラーの教え、アロハ・スピリット溢れる
 ライフスタイルからビューティまで、ハワイのスピリチュアルな文化が注目さ
 れている今、必読の一冊。

 ■CONTENTS------------------------------------------------------------  

【連載】………………………………………………………………………………

 ★「虚実皮膜の書評」/ キウ
 → 「ドストエフスキーを思わせる総合小説」。平野啓一郎の意欲作が文庫化
  されました。

 ★「図書館の壁の穴」/ 田圃兎
 → 第39回 ワークショップのことなど 

 ★「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
 → 第24回 ジャワ再訪

 ★「本棚つまみ食い」 / 副隊長
 → 古代から現代までの中国が舞台。縦横無尽の推理小説をご紹介します。

 ★「知るは楽しみ」 / 立木 菜
 → 鎌倉へ。米原万理に会いに…。

  今月のお休みは……………………………………………………………………

 ★「ひよっこ行政書士 Rock’n’law相談室」/ いそむらまき


 またの回をお楽しみに!

 ----------------------------------------------------------------------
 ■トピックス
 ----------------------------------------------------------------------
 9つのイベントをご案内しています。
 ----------------------------------------------------------------------
 ■ 「虚実皮膜の書評」/ キウ
 ----------------------------------------------------------------------
 『決壊』 平野啓一郎 新潮社 08.6 文庫11.7
 
  三人称の多視点で描かれ、それぞれの登場人物の心理描写も綿密に行いつ
 つ、全体の客観性も損なうことなく話を進める、ドストエフスキーを思わせ
 る総合小説であるけれども、主人公と言ってもよいだろう、沢野崇が抱え込
 む虚無感が際立っており(それこそカラマーゾフの兄弟の次男イワンを思わ
 せる)、その小説の登場人物としての魅力で読者を引っ張っていっていると
 もいえる。実際、この小説はミステリーの体裁を取っており、その最大の容
 疑者として、沢野崇は警察に執拗に取調べを受ける。本当に彼は弟殺しの犯
 人なのか、その人物像の不可思議さとあいまって後半まで読者を引っ張って
 ゆく。
 
  物語は兄弟の帰郷から始まる。兄・沢野崇は東大出のエリートで国会図書
 館に勤務する有能な調査員。弟・沢野良介は平凡な会社員であり一児の父。
 この九州への帰郷を通して、二人の対照的な人物像を浮き彫りにする。
 
  沢野良介は妻と一人息子の良太を伴って九州へ帰郷。実家には定年を迎え
 て鬱気味の父親と、それを気に病む母親が待っている。良介自身も化学薬品
 会社の研究室勤務から営業へと回されて屈託を抱えていた。それと妻の佳枝
 が兄の崇と密かに通じているのではないかという疑いにも苦しんでいた。
 兄・沢野崇は、優秀な頭脳を持ちながら何事かに情熱を注ぐということが出
 来ないでいた。不倫関係を含む複数との女性との関係を持っていたが、真に
 人を愛するということがよく分からない状態にあった。徹底した気遣い、し
 かしそれは相手に応じたオーダーメイドの「自分」に過ぎなかった。もちろ
 ん、その「自分」は嘘ではない。しかし、たとえば弟・良介の生きている場
 とは、まったく違ったところにいることを知っている。良介は良介で、子供
 の頃からの兄に対するコンプレックスと、そのような優秀な兄を誇りに思い
 つつ、それほどの兄が何事にも真に情熱を注ぎ込めないでいることにもどか
 しさを感じている。
 
  その良介が、大阪で崇と会った後、行方不明になり、京都でバラバラ殺人
 事件の遺体となって発見された。バラバラに発見される遺体にはそれぞれ挑
 発的なメッセージの紙が附されている。〈悪魔〉〈離脱者〉と名乗る犯人
 は、世間に向けて無差別殺人を促す。
 
  良介と最後に会っていた人物として、崇は容疑者として警察からの取調べ
 を受ける。しかし、この小説の中で同時進行に描かれていた鳥取の少年によ
 る殺人事件が起こるに及んで、事件は急転直下の展開に。
 
  この小説の恐ろしいところは、次々に起こる残忍な無差別殺人事件が、犯
 罪者個人の人格に還元しきれずに、犯人自身の言葉としても語られるように
 社会のシステム・エラーとして描かれているところにあるだろう。「稚拙な
 プログラムによって引き起こされた、この社会のバグ」として起こっている
 殺人であると。そこにあるのは格差社会の問題でもあるのだけれど、単純に
 貧困の問題にも還元しきれないのは、同時進行で描かれていた、決して貧困
 層とはいえない少年の犯罪や、小説の後半で吐露される沢野崇の独白にあ
 る。社会のエリート層に属する沢野崇自身が、この社会のシステム・エラー
 としての犯罪という観念を受け入れていると思われる言動が垣間見える。も
 はやこの世にあるのは「罪と罰」ではなくて「病と治療」であると。犯罪者
 の不在。理性ある人間が、その理性ゆえに犯罪者の人格を追及しきれずに、
 社会システムのエラーにその原因を還元してゆけばどうなるのか。しかし逆
 に犯罪者の人格へと事件の原因を還元してしまえば、それで問題は解決する
 のか。そういった錯綜したテーマをこの小説は我々に突きつけているのだ。
 
  しかし、この小説の結末は、やはりこういうふうに終わらすしかないの
 か、という嘆息と、もっとこの現状に対して対抗的に締めくくることは出来
 なかったのであろうか、という複雑な思いも交錯する。
 ----------------------------------------------------------------------
 ■ 「図書館の壁の穴」/ 田圃兎
 ----------------------------------------------------------------------
 第39回 ワークショップのことなど
 
 3月14日(月)に開催予定だった第4回Code4Lib JAPAN Workshopを、ようやく
 6月13日(月)に実施することができた。
 
 ここで取り上げたワークショップの題材は、国会図書館と富士山マガジン
 サービスが出している目次情報のRSSを利用した「新着雑誌記事速報」とい
 うシステムで、参加者それぞれが、自分の勤務する図書館にあわせてつくっ
 てみようという講座だったのだが、もしご興味がある方は、こちらをご覧い
 ただければと思う。
 
 ○新着雑誌記事速報
  <http://lib-yuki.city.yuki.lg.jp/room_ad/sokuhou/main.html>
 
 僕の勤務先も、今回会場を提供してくださった茨城県潮来市立図書館さんも
 3.11のダメージが大きく、当初の予定から仕切り直しに3か月もかかってし
 まった。
 3月に参加申し込みをしてくださったみなさんには、大変なご迷惑をおかけ
 してしまったが、それでもともかく無事に開催できたので、まずはほっとし
 ている。
 
 6月の開催直前にも大きな余震が続いていたので、当日はまず避難経路の案
 内からスタート。基本的なことだと思うが、案外忘れがちになるので、これ
 は今後も余震の有無に関わらず、忘れず最初にしておこうと思った。
 
 当日の模様はCode4Lib JAPANのブログに掲載されているので、ご関心のある
 方はご覧いただければと思う。
 
 ○Code4Lib JAPANブログ(6/21のエントリー)
  <http://d.hatena.ne.jp/josei002-10/20110621>
 
               *  *  *
 
 この潮来の会に続き、今度は名古屋で「OPAC+」を扱うワークショップが開
 催される。
 
 ○Code4Lib JAPANブログ(7/4のエントリー)
  <http://d.hatena.ne.jp/josei002-10/20110708>
 (OPACとは - Online Public Access Catalogの略。 オンライン検索できる
  図書館の蔵書検索システムのこと)
 
 OPAC+というのは、ユーザー側が図書館OPACと他のサービスとをリンクさせ
 たり、検索結果に書影を表示するなど、大幅に機能拡張できるシステムで、
 今回メインの講師を務められる野田市立図書館の川嶋斉氏が発案・実装され
 たものだ。
 
 ○野田市立図書館(トップページ中央の検索窓が「OPAC+」)
  <http://www.library-noda.jp/>
 
 この仕組みを教えていただいて、僕の勤務先でも非公式ながらこんなことを
 はじめている。
 
 ○ゆうき図書館PLUS
  <http://www.lib-yuki.com/#1>
 
 この仕組みを応用すれば、単に検索してノーヒットでしたで終わらないOPAC
 が自らの手で作れるようになる。
 その手ほどきを開発者自身から受けられるこのワークショップは、有意義で
 魅力的なものになるだろうと思う。
 
               *  *  *
 
 先の潮来で開催したWorkshopでは、参加したいけれど自館の復旧が済んで
 いないので断念したという、仙台の大学図書館に勤務する友人がいた。
 
 彼の勤務先は、男手が少ないこともあり、復旧作業が大変な様子だったので
 こちらの職場の有志と共に、2度程作業の手伝いに行ったり、ささやかなが
 らメッセージをそえて物資を送ったりしたことがある。
 こういうことを書くと、善行自慢っぽいかもしれないなと、特に発言せずに
 いたのだけれど、この動きを察知した他の図書館の方も、早速職場で募金活
 動をして送金したりと、それぞれの立場で支援したことを知って、ちょっと
 したきっかけが大きな広がりになるのを感じ、考えが変わってきた。
 要は、必要としている人の役に立てばいいのだ。
 
 現に、SaveMLAKによる東北学院大学中央図書館のボランティアツアーは、図
 書館員によるボランティアの入り口としては非常に有意義だったと思う。
 
 ○東北学院大学ホームページ「お知らせ」
  <http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/news/110627-4.shtml>
 
 ちなみに今回僕達が手伝いに行った、同大学の泉キャンパス図書館では、開
 架フロアの書籍の落下防止のために、こんな(↓)工夫をしていた。
 
 ○棚の前にロープを張った画像
  http://p.tl/DlOJ
 
 この結び方だと、結び目の位置が自在に変えられるので、本を取り出すとき
 には少し緩めて、あとから再び張り直すのも容易だ。
 何より、低コストである程度の安全対策ができるのが良いと思う。
 
 ちなみにこの結び方は、こちらに詳しく掲載されている。
 
 ○ロープの結び方(千住消防団の方の個人サイト)
  http://www.roy.hi-ho.ne.jp/asunoro/s3cont/r_work/jizai.html
 
 ともかく、この仙台の友人とのやりとりが発端となって、数か月後に仙台で
 何かワークショップをやってみようということになり、いま準備を進めてい
 る。
 また現地からの要望として、ワークショップとあわせて仙台の書店や出版関
 係の方も交えた交流会を催したいという話も出ている。
 確かに、図書館と書店・出版業界は隣接していながら、リアルな接点が少な
 いと感じているので、そういった意味でも良い機会になれればうれしく思う。
 
 開催時期は、9月下旬くらいになるだろう。
 本稿は隔月連載なので、次回にはきちんとお知らせできるよう進めていきた
 い。
 
 こうして東北との縁が深まったことを、今後も前向きな形で活かしていけれ
 ばと思う。
 
 ◎田圃兎<tanbousagi@infoseek.jp>
     <http://d.hatena.ne.jp/t_rabi>     
 ----------------------------------------------------------------------
 ■「ときには積ん読の日々」 / 吉上恭太
 ----------------------------------------------------------------------
 第24回 ジャワ再訪

  昨日(7月11日)、インドネシアから帰ってこの原稿を書いている。ジャワ
 島へ行くのは2回目。今回も日本ワヤン協会の松本亮さんの公演を見るため
 だった。第2回「ワヤンの誘惑」でワヤンについて書いたけれど、もう一度
 簡単に書いておこう。

  ワヤンは、インドネシアのジャワ島、バリ島などで行われる影絵芝居。ダ
 ランと呼ばれる人形使いが水牛の皮で作られた人形を操り、白いスクリーン
 (クリル)に影を映して演ずる。ストーリーは古代叙事詩「マハーバーラタ」
 や「ラーマーヤナ」から演目が選ばれる。ダランはストーリーを語りながら、
 人形を操り、効果音を出し、後ろに控えているガムラン楽団に音楽の指示を
 出す。脚本はなく、語りはすべてダランの即興で、物語の合間に社会風刺な
 どを織り交ぜて観客を沸かせる。
  ぼくはまだ現地の本格的なワヤンは見たことがないのだが、上演時間は5、
 6時間にも及び徹夜で行われるという。ワヤンのための劇場があるわけではな
 く、お祝い事や結婚式の行事としてダランに上演を依頼するらしい。それこ
 そ王宮内から路地裏まで、場所を選ばず催されるものらしい。だからどこで
 ワヤンが上演されるのか情報を得るのはなかなか難しいとのことだった。

  ぼくが“追っかけ”のようにして2度もインドネシアに行ったのは、ワヤ
 ン協会の主宰、松本亮さんの魅力のために他ならないだろう。松本さんの生
 き方は、ぼくにとってあこがれになっている。何度お会いしても、話を聞い
 ても、心にしみる言葉を聞くことが出来るのだ。

  1927年、和歌山に生まれた松本さんは、中学生のときの先生の言葉、
 「この世で大切な芸術は、詩、そして能、外国ものではバレエだよ」に大い
 に影響を受ける。

  上京後バレエを学び、バレエを知るために自らバレリーナとなって踊った
 こともあるそうだ。当時から詩を書き始め、詩人・金子光晴や画家・岡鹿之助
 と出会う。詩を書いては金子に見てもらい、岡の家ではひたすらフォーレやド
 ビュッシーまたシャンソンのレコードを聞いていたという。このへんの話は、
 いつ聞いても楽しい。夢のような話だ。そして平凡社の「太陽」の編集者とし
 て、さまざまな「贅沢な取材」をする。ジャワの影絵芝居ワヤンに出会ったの
 は40歳を過ぎてからだという。

 「本物を知るためには、時間と金をかけなくてはなりません」というとおり、
 ジャワに通っては、ワヤンや舞踊などの芸能を追い続ける。今回の旅で当時か
 らの友人という方に会えたが、彼は当時ホテルの文化部の担当でジャワの芸能
 情報に精通していた。松本さんは彼から情報を得て、ありとあらゆる場所に行
 ったという。ワヤンは、自分だけのためにダランに演じてもらったそうだ。こ
 うして「詩、踊り、ワヤン」が松本亮の世界になった。

 「私はいつも縁あって知りあったひとびとのお陰で生きてきた種類の生物のよ
 うだ。偶然の重なりの中で、それなりの生き甲斐が感じられることがあれば、
 人間はけんめいに生きているということにもなる。くらげのように浮かびただ
 よう意識のはたらきのままに生きるにすぎなかったにせよ、くらげはくらげな
 りに潮の流れにのり、ときとして藤紫いろに花ひらき、また浮き沈みする。く
 らげにもはかなげな喜びや哀しみがあるのだった」
                    (松本さんのエッセイ「わが千夜一夜、わが流浪」より)

  なかなか、くらげのようになれないぼくも、何時間にも及ぶ物語に身を委ね
 るワヤンを見ることで、「くらげのように漂うこと」を体験できる気がする。

  今回の演目は「野獣、恋のバラード」というフランスの幻想童話「美女と野
 獣」をもとにした松本亮さんのオリジナル劇だ。「美女と野獣」は詩人のジャ
 ン・コクトーの映画が有名だが、詩人・松本亮が手がけるには格好の題材だと
 思う。松本さんの解説によると、この童話の原形は古くはマハーバラタやギリ
 シア神話にも見られるそうだ。インドネシアでは、高校の教科書に採用される
 などお馴染みの物語という。

  そして8時。いよいよ公演が始まった。会場はソロのマンクヌゴロ王家の王
 宮。会場には100人近いお客さんがつめかけた。ワヤンでは、客はスクリーン
 に映し出される影を見るのではなく、ダランの人形さばきを「裏」から見るも
 のなのだが、今回は演出でスクリーンの影を見るようになっている。松本さん
 のいう影絵詩劇だ。台詞はインドネシア語に翻訳されたものをテープで流す。
 音楽はガムランではなく、日本からかけつけた音楽家が笙、笛などの和楽器を
 使い、ジャワの音楽家がガムランの楽器を使うコラボレーション。ほとんど即
 興なのだが、見事に合っていた。人形は、伝統的なワヤン人形に加え、オリジ
 ナルのものを使うなどインドネシアの人にとっては驚くことばかりだったよう
 だ。

  聞き慣れた「ふるさと」の歌が流れて、スクリーンに影が映し出され、その
 影が会場の大理石の床に映り、より幻想的な効果を盛り上げた。ジャワの人形
 を使っていても、真っ赤な夕焼けは日本の風景のようにも思える。途中、本物
 のダンサーが登場。スクリーンに映し出される、アラブ風音楽にのせて踊る影
 の舞はとてもセクシーだった。ジャワでも、日本でもない、松本さんのワヤン
 の世界。ぼくは、子どものころに読んだ物語を見るような、胸がきゅんとする
 ような郷愁を覚えたのだが、ジャワの人にはどのように受け取られていたのだ
 ろう。

  普段はワヤンが終わると客は拍手をするでもく、さっさと帰ってしまうそう
 だが、会場が明るくなってからも、ほとんどの人が残り、松本さんの挨拶を待
 っていた。

 「もうこれが最後になるでしょう」と日本を出る前に言っていた松本さんだが、
 挨拶ではしっかりと来年のジャワ公演の話をしていた。

  どうやら来年もジャワに「追っかけ」することになりそうだ。

  今後の日本ワヤン協会の公演は以下の予定になっています。
 くわしくは日本ワヤン協会のホームページ
 (http://www.kt.rim.or.jp/~banuwati/)でご確認下さい。

  9月10日(土)渋谷ラママ・徹夜ワヤン
  9月24日(土)東京家政大学博物館 「野獣、恋のバラード」
  11月5日(土)日暮里サニーホール 「スマントリの仕官・天人の羽衣」
 
 ◎吉上恭太 文筆業。仕事よりギターを弾いていることが多い。                            
 ----------------------------------------------------------------------
 ■「本棚つまみ食い」 / 副隊長
 ----------------------------------------------------------------------
  寝苦しい熱帯夜には、暑さも忘れてストーリーにのめりこめる推理小説を読
 むのがぴったりです。読み終わった後に汗びっしょりで気持ち悪かったりしま
 すが・・・。
 
  というわけで今回とりあげるのは、ちょっと前に出たこちらです。
 
 『もろこし紅游録』、秋梨惟高、創元推理文庫、2010
 
  この『もろこし紅游録』は前作『もろこし銀俠伝』の続編という形ではあり
 ますが、前作とは独立したエピソードがほとんどなので、前作をお読みでない
 方も十分楽しめます。
 
  さて『もろこし紅游録』というタイトルからも分かるように舞台は中国です。
 世直しの使命を授かった「銀牌俠」という特別な人々が、さまざまな謎を解き
 明かしていくという物語です。主人公の銀牌俠は一人ではなく、古代から近代
 まで綿々と世直しの使命は受け継がれ、それぞれの時代に事件が巻き起こりま
 す。ちなみに今回の本の全四話の舞台となった時代は、戦国時代・明・清・中
 華民国の時代と幅広いものです。
 
  しかも銀牌俠は人並みはずれた能力の持ち主とされています。その超人的な
 能力で、世直しを行うわけなのですが、普通推理小説では怪力乱心の類はあま
 り登場しないものですが、ここではそんなことはありません。ただしそれでい
 て謎解きそのものはきわめて論理的に行われます。
 
  中国を舞台にした一種の時代物なのですが、普通の時代物とは一線を画して
 いるのが、すでにふれた怪力乱心の登場です。さらに著者自身があとがきで
 「もろこしシリーズの歴史考証はいい加減」(p,317)と述べているのが曲者
 です。もちろん全くの嘘八百ではないのですが、中国史に詳しくない(が聞き
 かじり程度の中途半端な知識だけある)私などには、背景として語られる部分
 がどこまで史実かが分かりません。用語解説のページもついているのですが、
 その後にこのあとがきがあるのですから、この用語解説自体も100パーセントの
 信用は置けません。このあとがきには、小説の記述を鵜呑みにされては困ると
 いう注意の意味もあるのでしょうが、それは小説を読むに当たっては言わずも
 がなです。むしろ作者は狙って小説内の情報の正確性を読者に低く見積もらせ
 ているのではないかと勘繰りたくなります。
 
  こうした全体に漂う「うさんくささ」がこの物語の特徴といえるでしょう。
 銀牌俠は創作(だと思う)だから措くとして、幇(中国の秘密結社)・武林
 (格闘家たちの作る社会)といった現代日本に暮らす我々にとってみるとなか
 なか知りようの無い、それが事実であるか否かとは別に、ちょっと「うさんく
 さい」感じのする舞台設定がかえって物語の魅力を増しています。
 
  例えば各話冒頭に置かれている、聞いたこともないような中国の文献からの
 引用。ストーリーの展開に関わりのある箇所が引用されているのですが、本当
 に謎の文献からの引用です(何故謎の文献なのかはあとがきをお読みになれば
 分かるはず)。かと思えば、明の洪武帝と永楽帝の違いをわりと事実に即して
 謎解きに絡めていたりします。さらにはまるで人間離れした技を用いる登場人
 物による決闘シーンもあります。史実の流れに沿ったリアリティで物語を作る
 のでなく、物語の水準に史実を引きずり込んでいくと言えばいいのでしょうか。
 そうした虚実の渾然一体振りが素晴らしい。
 
  もちろん際立った登場人物も魅力のひとつです。第三話には、鉄鞭の使い手
 にして探偵役でもある大男、幻陽先生こと呼延雲(水滸伝が好きならこの武器
 と名前にはピンと来るはず)。第四話にはなにやら隠された過去のありそうな
 風水師、青眼彪の関維なる人物が登場します。こうした渾名と名前の組み合わ
 せも水滸伝好きな人にはたまらないのではないでしょうか。
 
  ところでこの青眼彪の関維は弟子から
 
 自分がいなくなっても、ああいう風にのんべんだらりと生きていてほしい。同
 じ空の下で関維が ぼんやり日々を送っていると思えば、どんな辛いことも我
 慢できると思うのだ。(p,273)

 と思われるような変わった人物です。「同じ空の下で」頑張るのではなく「の
 んべんだらりと生きてい」ることを期待される男。そんな風変わりな主人公が
 謎解きに挑みます。
 
  個性的な登場人物が一見(不可能なというより)不可解な謎へ、論理的な推
 理を重ねて謎を解く。その物語自体は推理小説でありながら、その道具立てや
 超人的な登場人物の活躍ぶりは、講談の世界から生まれた「三国志演義」や
 「水滸伝」を読むような楽しみも味わえるのではないでしょうか。中国の社会
 や歴史を少しだけ覗き見ることも出来ますし、色々な楽しみがあるという点で
 もお薦めです。
 
  気に入られた方はぜひ前作『もろこし銀俠伝』もどうぞ。こちらではあの有
 名な浪子・燕青も活躍しますよ。
 
 ◎副隊長 鉄道とペンギンの好きな書店員
 ----------------------------------------------------------------------
 ■ 「知るは楽しみ」/ 立木 菜
 ----------------------------------------------------------------------
 ----
 先日、鎌倉の近代文学館に行った。
 夏が始まったばかりだというのに、日が陰り、風が吹き抜け、
 意外にも涼しく、終わり始めた紫陽花もいくつかあるなか、
 梅雨時最後の花も見て回ることが出来た。
 目的は『米原万里展「ロシア語通訳から作家へ」』を見ること。
 
 自宅から約1時間半、鎌倉駅で江ノ電に乗り換えて由比ヶ浜へ。
 案内に沿って道を行くと木々に囲まれた石畳の坂が始まる。
 ゆるく蛇行する上り坂を鬱蒼ともいえる枝葉が囲むため、
 一歩踏み出す度、違う世界に分け入るかのように感じる。
 すれ違う人はほとんどいない。この道でいいのかと思うけれど
 静かで穏やかな気温もあってか、間違えていてもいいかも
 という気になる。間違えていたら不法珍入者だ。
 平日のため、静かだったからかもしれない。ひっそりと心が躍る。
 何を見ることが出来るだろうか。そして何を感じられるだろうか。
 
 建物の重厚な造りと静けさに圧倒され、
 展示を逆周りに見てゆくという間抜けをしつつも、
 ひたひたと迫る文学の空気に満たされてゆく。時が、止まる。
 鎌倉にまつわる現在までの多くの作家の常設展をじっくり見た後、
 小さな明るい部屋に、作家/通訳・米原万里の凝縮された半生が
 展示されている。両親の写真、子供の頃の写真、お転婆なエピソード、
 チェコ時代の心の拠りどころだったという児童文学全集、
 友人からの贈り物、家族の思い出の品、お気に入りだった本、
 学生時代の論文、階段を下って、翻訳業の多忙を示す大量の資料、
 ボロボロの函とともにある露和辞典、お気に入りの金色の服
 (蒸れなかったのだろうか)、書斎の一コマ、収納ファイルの束、
 作家としての多忙を記した手帳、受賞のときの写真、友人の手による
 お気に入りの絵画、そして、著書と書評対照となった多くの本。
 見飽きることがない。
 その筆跡や付箋、痕跡が、ここに確かにいたのだと、
 米原万里のその人となりの一部を教えてくれる。著書からの抜粋と、
 簡潔に、しかしどこか心を衝く解説のパネルが要所に配されている。
 おそらくその書き手も哀惜の念に耐えつつ言葉を選ったのだろう。
 次々出る著書を追いかけるのは正直しんどいものだが、
 もう次は執筆されることがない、という悲しみはやはり耐えがたい。
 この人ならどんなものを書いただろうか、今をどう表現しただろうか、
 この人の言葉に導かれて、新しい地平を見てみたかった。
 思いは尽きない。
 印象に残るものは数多くあったけれど、彼女の一冊の著書が
 脳裏に張り付くように残っている。
 「毒舌が、もう聞けない」
 たしか、帯にそう書いてあったように思う。大きく。濃い文字で。
 嫌味などではなく、その人の在り様を表し、かつ悼む言葉である。
 この帯文を決めた経緯は知らない。私は一読者でしかなかったから。
 ただ、この帯を決めた人たちも彼女と
 新しい本を作りたかったのだろうと、
 その不在にやりきれない思いがあったのだろうと思った。
 もう、この言葉が指す人はいないのだ。
 亡くなってから過去の記事・連載がまとめられて
 いくつか刊行されていたけれど、きっとこれが最後だったのだろう。
 タイトルは『言葉を育てる 米原万里対談集』。
 最後まで未来を見つめる人だった、と思った。
 
 慌ただしく、様々なものを取りこぼし、忘れ、置いたまま、
 駆けていかなければならない毎日のなかで、
 ふと、自分の向かう先はどこなのかと不安とも孤独ともつかない、
 来し方を振り返るような郷愁のような思いに立ち止まることがある。
 これでよかったのかと思い、これからを悩む。仕事でも生活でも。
 思い描いた軌道を進む人であってもきっと思うはずだ。
 自分は一体何者になる、なったのだろうか、と。
 その答えを探して、その疑問を思い出すために、私は本を読む。
 「言葉ではなく、その意味」を追い続けた米原万里のように、
 作品世界とその心を、話者の伝えんとすることを、追い続けたい。
 どこまでも、果てしないから、おもしろいのだ。
 
 
 ※近代文学館の「 米原万里展」は7月10日で終了しています。

 ◎元書店勤務。言葉の世界はおもろいなあ!と改めて思っています。
 -------------------------------------------------------------------
 ■トピックス
 -------------------------------------------------------------------

 ■ 在るがまゝ  tel qu'ilest ―林 哲夫展
 └─────────────────────────────────
 ◆日時:2011年7月8日(金)〜20日(水)10:00〜19:00 木曜日定休
 ◇場所:<メリーゴーランド KYOTO> 電話 075-352-5408
      〒600-8018京都市下京区河原町通四条下ル市之町251−2寿ビル5F
       http://www.merry-go-round.co.jp/kyoto.html

 ------------------<関西業界トピックス>11・07・04より抜粋---

 ※以上の関西のイベントは<関西業界トピックス>11・06・02
   (川口正さん)から転載させていただきました。

 ■ ジュンク堂書店 那覇店イベント情報
 └─────────────────────────────────
 ●新潮社刊『本音で語る沖縄史』発売記念  仲村清司 トーク&サイン会

 ◆2011年7月31日(日) 15:00〜 ※参加無料
 ◇場所:ジュンク堂書店1Fエスカレータ前特設会場
 
  『ほんとうは怖い沖縄』『新書 沖縄読本』の仲村清司が放つ、待望の
  沖縄歴史本刊行!
 
 ☆整理券は必要ありません。ご参加無料です。
 ☆新潮社刊「本音で語る沖縄史」をお買い上げ頂きましたお客様には、
  トークライブ終了後サイン会にご参加頂きます。
 ☆イベント当日以前にお買上げ頂いた場合もお持ちになればサイン会にご参加
  頂けます。
 
 ★トーク時の座席には限りがございます。満席の際はお立ち見になりますので
  ご了承ください
 
 □仲村清司(ナカムラキヨシ)
  作家・沖縄大学非常勤講師。1958年、大阪市生まれの沖縄人2世。1996年に沖
  縄県那覇市に移住。移住者の目から見たディープで不思議な沖縄のアレコレ
  を書籍・ラジオ・インターネットなどで発信中。著書に『爆笑沖縄移住計画』
  (『住まなきゃわからない沖縄』として文庫化),『沖縄大衆食堂』(共著),
  『ザ・ウチナーンチュ』(『沖縄学』として文庫化),『沖縄うまいもん図鑑』
  『泡盛「通」飲読本』(共著),『仲村清司の独断偏見!!沖縄とっておきの隠
  れ家』『ほんとうは怖い沖縄』『新書沖縄読本』など多数。
 
 お問い合わせは⇒
 〒900-0013 那覇市牧志1丁目19-29 1F〜3F
      電話:098-860-7175/FAX:098-860-7176 10時〜22時 6月無休
 ----------------------------------------------------------------

 ■ ZINE’S MATE SHOP 2011 ―ORGANIZER OF THE TOKYO ART BOOK FAIR
 └─────────────────────────────────
 THE TOKYO ART BOOK FAIRは、毎年開催されるアジア最大のアートブックフェア
 です。第三回目となる今年も、国内外からアート出版社、ギャラリー、セルフ
 パブリッシングアーティストが一堂にあつまります。
 2011年のメインテーマは「TIMELINE」。3つのエキシビションなどZINE’S MATE
 のオリジナルコンテンツを通じて、過去・現在・未来を繋ぎ、進化し続けるアー
 トブックの魅力を再発見していく場所となるでしょう。
 
 ◆日時:2011年 7月16日(土)、17日(日)、18日(月・祝)
                    11:00〜19:00 (18日は18:00まで)
 ◇場所:3331 Arts Chiyoda 東京都千代田区外神田6-11-4
 

 ■ 東京堂書店神田神保町店 イベント情報
 └─────────────────────────────────
 ●「TOKYODO PRIME COLLECTION」一階で開催
   ―第一弾 書肆山田イベント―  詩(ことば)を巡る対話
         
 ◆日時:2011年7月23日(土) 15:00〜17:00(開場14:45)
      「ハーン・出雲・そして詩の逆説」
            入沢康夫さん(詩人)&宇野邦一さん(仏文学哲学) 

     2011年7月29日(金) 18:00〜20:00(開場17:45)
      『「ごろごろ」から「裸のメモ」(近刊)へ―詩集というもの』
              吉増剛造さん(詩人)&中島浩さん(デザイン)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●佐藤泰志 連続刊行記念 「今、佐藤泰志文学を語ろう」
          
           川本三郎氏(評論家)×岡崎武志氏(書評家)
 
 ◆2011年7月22日(金)18:30〜20:00(開場18:00)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●『photographers’ gallery press no.10』
                        刊行記念レクチャーシリーズ第一弾(全三回)

 「photographers’ gallery press の探求
                  ―写真をまさぐるということ」

    北島敬三さん(写真家)×倉石信乃さん(写真史・明治大学教授)


 ◆日時:2011年7月26日(火)18:30〜20:00(開場18:15)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●『井筒俊彦―叡知の哲学―』(慶應義塾大学出版会)刊行記念

          「いま、なぜ井筒俊彦か」

          若松英輔氏(批評家)×安藤礼二氏(文芸評論家)


 ◆日時:2011年7月28日(木)18:00〜20:00(開場17:45)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●『みなも』(角川書店)刊行記念    「夏の対談」

      石田千さん(作家)×浅生ハルミンさん(イラストレーター)


 ◆日時:2011年8月6日(土)15:00〜17:00(開場14:45)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◇場所:東京堂書店 神田神保町店 6階
     101-0051 千代田区神田神保町1-17 03-3291-5181
 ★参加費:500円

 ----------------------------------------------------------------------
 ■あとがき
 ----------------------------------------------------------------------
 7月2日から秋田で始まっているブックイベント「秋田 Book Boat」。18日
 (月/祝)は「一箱古本市」。そして、クライマックスは、一箱古本市発案者の
 南陀楼綾繁さん、随筆家の木村衣有子さん、画家で「四月と十月」発行人の牧
 野伊三夫さんをゲストに迎え、ココラボらとリーで本を肴に盃を酌み交わす
 「百杯会特別編〜本を肴に語り合おう」の夕べ。ぜひ秋田へ。畠中理恵子
 ----------------------------------------------------------------------
 ■広告募集のお知らせ:当メルマガは現在5513名の読者の皆さんに配信して
 おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
 ----------------------------------------------------------------------
 ■ 電子メールマガジン「[本]のメルマガ 」(毎月5・15・25日発行)
 ■ 発行:[本]のメルマガ発行委員会
 ■ 掲載された内容を小会の許可無く転載することはご遠慮ください。
 ■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
 ■ 今号のご意見・ご質問は
  15日号編集同人 「畠中理恵子」まで hatanaka3floor@jcom.home.ne.jp
 ■ トピックスの情報提供もよろしくお願いします。
   なお、当メルマガは配信日によって、情報の提供先が変わります。
   ・5日号:aguni原口 hon@aguni.com
   ・15日号:畠中理恵子 hatanaka3floor@jcom.home.ne.jp
   ・25日号:朝日山 asahi_yama@nifty.com
   ただし、掲載の可否については編集同人が判断します。
 ■ 広告掲載につきましては、下記までお問い合わせください。
   事務局担当:aguni hon@aguni.com
 ■ HPアドレス http://www.honmaga.net/
 ■ このメルマガは『まぐまぐ』を通じて発行しています。
 ■ メールマガジンIDナンバー:0000013315
 ■ 購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行えます。
 ---------------------------------------------------------------------

| バックナンバー | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://back.honmaga.net/trackback/979058
トラックバック
SEARCH
[本]のメルマガ
哲学・思想・社会などの人文書や、小説や詩など芸術の最前線、書籍の出版流通、電子出版などの「本」の現在を気鋭の出版社員、書店員が伝える、まさに[本]のメルマガです。
発行周期発行周期:月3回
バックナンバーバックナンバー:すべて公開
マガジンIDマガジンID:0000013315

メールアドレス:

メールアドレス:
Powered by まぐまぐ
※読者登録は無料です

コーチ募集(コーチングバンク) 無料 コーチング カーディーラー経営品質向上 CSR コンプライアンス 経営倫理 実践研究 BERC フリーラーニング
LATEST ENTRY
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>
ARCHIVES
LINKS