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[本]のメルマガ vol.340
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■■ [本]のメルマガ                2010.01.05.発行
■■                             vol.340
■■  mailmagazine of books      [お正月になって行くところ 号]
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★PR★ 原 書 房 最新刊 ★ http://harashobo.co.jp/

『水魑(みづち)の如き沈むもの』
【ミステリー・リーグ最新刊】

三津田信三著 四六判 定価1995円 ISBN:9784562045419

刀城言耶シリーズ書き下ろし長編!
奈良の山村で雨乞いの儀が行われる。その最中、言耶の眼前で事件は起こる。
宮司たちの不可解な死、二転三転のすえに示された真犯人とは!
■CONTENTS------------------------------------------------------------

★トピックス
→ トピックス募集中です。

★「[本]マガ★著者インタビュー」
 /『書肆ユリイカの本』田中栞さん

★「神戸発、本棚通信」 / 大島なえ
→ 何故かブックオフの人は書店員と呼ばれない

★声のはじまり / 忘れっぽい天使
→ イ・チュンニョル監督「牛の鈴音」

★読者起点が出版業界を変えていく / aguni
→ [書評]のメルマガ・リニューアルです。

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■トピックス
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■出版記念イベントのお知らせ『格安!B級快適生活術 都市の裏ワザ本』
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2010年1月15日(金)19時〜21時
要予約(お申し込み20名様まで)
■入場料 500円
(1ドリンクとB級グルメライター田沢氏おすすめのミニおやつ付き)
3人の著者が、衣食住、娯楽、旅などの裏ワザをお伝えするとともに、
ご来場の方々の質問に答えます。
場所「茶房 高円寺書林」東京都杉並区高円寺北3−34−2
03−6768−2412
e-mail; sabo.kouenjishorin@gmail.com
ブログ;http://kouenjishorin.jugem.jp/
『格安!B級快適生活術 都市の裏ワザ本』(ちくま文庫)
田沢竜次 岩本太郎 西村仁美 著
1月8日発売 714円(税込)

■トピックス募集
└──────────────────────────────────

 当メルマガではトピックスを随時募集しています。出版関係のイベントや展
示会・講演会、書店のフェア情報などを皆様より募集しております。原稿が多
すぎる場合には編集しますのでご了解ください。

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■[本]マガ★著者インタ:『書肆ユリイカの本』田中栞さん
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 新年最初の今回は、2009年9月に『書肆ユリイカの本』を刊行された田中栞
さんのインタビューです。本好きの人、必読です!

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 書名:書肆ユリイカの本
 著者名:田中栞
 税込価格:¥2,520(本体:¥2,400)
 出版:青土社
 発行年月:2009.9

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−この本が誕生したきっかけを教えて下さい。

田中「書肆ユリイカは、戦後すぐの時代、伊達得夫という優れた編集者が、数
々の詩書を世に出したことで知られる、伝説の出版社です。中村稔、大岡信、
飯島耕一、岸田衿子など、名だたる詩人の処女詩集が、この版元から刊行され
ました。 250点ほどの書籍と80点ほどの雑誌を発行したとみられますが、どの
出版物も瀟洒で美しく、私はその書物の魅力に取り憑かれて10年間、蒐集にの
めり込みました。内容よりも書物そのものを追いかけ、その出版状況について
調べ、本を買いまくった体験談を1冊にまとめることとなりました。」

−なぜこの出版社に決まったのですか?

田中「書肆ユリイカは1961年1月、伊達得夫が病没してなくなりますが、4年余
りの間、発行されていた詩誌「ユリイカ」の最後の頃、編集を手伝った清水康
雄さんが、のちに青土社を興し、現在の雑誌「ユリイカ」(つまり第二次「ユ
リイカ」)を創刊(復刊)します。

 書肆ユリイカと青土社は、このような次第でゆかりの深い間柄であるわけで
す。

 以前、青土社で「ユリイカ」編集長を勤めていた郡淳一郎さんからの依頼も
あって、青土社から出版してもらうことになりました。」

−編集の担当の方に一言!

田中「詩の本を題材にしながら、詩の話は一切せず、書物や出版や古書のこと
ばかりを書きつづり、挙げ句に本の図版を300点近くも掲載してもらうという、
ワガママいっぱいを許してもらいました。

 ブックデザインも組版レイアウトもすべて、書肆ユリイカの書物に負けず劣
らず美しい作りにしてもらうことができ、大変感謝しています。」

−書籍を形にするまでにいちばん苦労したことは?

田中「書肆ユリイカの本は、同じ奥付の本でも、造本デザインや口絵・図版な
どに違いのあるものが多々存在します。

 その謎の解明のために、同じ本を何冊も買いまくる羽目に……。

 また、札幌や青森や奄美大島の図書館に協力してもらったり福岡の友人に、
図書館へ見に行ってもらったり。私は横浜に住んでいますが、自分でももちろ
ん、大阪の大学図書館まで日帰りで閲覧に行ったことも。

 もっとも、これも全部楽しくて、苦労とは言えないかもしれませんね(笑)。」

−書籍を出版していちばんうれしかったことを教えてください。

田中「中村稔さん、田中清光さん、入沢康夫さん、平林敏彦さんなど、書肆ユ
リイカから本を出版した何人かの詩人の先生から、出版当時の話を聞けたこと。
出版物を分析して、「こうではないか」と推察したことについて、著者の証言
によって「答え合わせ」ができたのは幸いでした。

 また、年配の読者の方からは、書肆ユリイカの本をリアルタイムで買ってい
たという、その当時の話を聞くこともできました。」

−これから本を出したいんだけど、という方にアドバイスを!

田中「せっかく出版するなら、オリジナルの内容であって欲しいですね。

 他の人が書いていないことを書く、他の人とは違う方法でアプローチする。
 書きたい本のテーマを、とことん掘り下げることが大切です。

 誰でも、ひとつのテーマを10年追いかけると、そういう内容ができあがると
思います。」

−最後に書籍の宣伝をどうぞ!

田中「美しい書物の図版どっさり、本の謎解きと、書物に迫るテクニック満載。
家計崩壊覚悟の古書買い10年で書き上げた、渾身の『書肆ユリイカの本』。本
好きのあなたに、ぜひとも読んでいただきたい1冊です。」

−どうもありがとうございました。

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「[本]マガ★著者インタビュー」では、
 メールにて、インタビューを受けていただける著者の方、募集中です。

 【著者インタビュー希望】と表題の上、
 下記のアドレスまでお願い致します。

 5日号編集同人「aguni」まで hon@aguni.com

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■「神戸発、本棚通信 / 大島なえ」
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 第五五回:新年の本屋めぐり

 2010年になりました。あけましておめでとうございます。今年もよろし
くお願いします。

 さて、お正月になって行くところ、初詣で。そうだけど、その後に行ってし
まうのが本のある店、ても大晦日や元旦に普通の書店は開いてないしこの時期
に大量に本買いがあり、棚が変わるの目当てに行ってしまうのがブックオフ。
つい去年の大晦日にも行ったが、なんだか中年のおじさん達が本を売りに来て
るのが目だったな。売れるのよりはるかに買取の方が多い、ちょっと異常な光
景がこの時期のブックオフでは見られるのだ。今回は、私は本は売らず買うだ
けだったが、そこは哀しい性(サガ)で売りに来た人のダンボールからどさど
さ出され積みあげられる本が気になって、用もないのに買取のカウンターあた
りをうろうろしていた。そして中に、さっと目に入った本がたまたま欲しい本
があったりすると、あの本はいつ店頭に出るんだろか?明日か、明日は元日だ
ぞ、う〜む初詣でに行く途中でちょいと「ブ」に寄ろうかとか、クソ忙しい年
末にアホなコトで頭を悩ませる破目になる。

 大晦日から新年正月三が日に、そんなブックオフ店へ行くのは恒例行事なの
だが、今年も早や本屋めぐりをしている。ブックオフは勿論、新刊書店も二日
から開いている書店へ行ったりようするに出かけると本屋に寄るので、開いて
いると入ってしまうのだ。しかし個人経営の古書店は三が日は休みでそれがさ
びしい。どこも一人か二人で古本屋をしているので、新年はどこも四日ぐらい
から開きはじめる。ついでに少し古本通ぽいことを言うと、今年は一月四日は
月曜日で神戸では古書業者の市が火曜にあるので、火曜が定休日の店が多く、
そうなると遅いと七日あたりからゆっくり開ける店もあると思われる。なので
正月休み最後だし、ひとりで古本屋見ちゃるけんねーと出ていってもシャッタ
ーが無情にまだ閉まっていることもある。それだけで言ってしまうと年中完全
無休のブックオフは、この時期はお客さんが多い。それはバイトが9割かと言
われる時間給の交代で沢山の店員(何故かブックオフの人は書店員と呼ばれな
い)がいるからできる。正月はサービスも多く、何年前かは専用のブックカバ
ーやボールペンが景品で貰えるのがあって、それ目当てで売上が伸びた景気の
良い時がある。情けないこと(?)に、私はブックオフの正月景品で、トート
バッグとブックカバーとボールペンを貰い今も自宅の引出しにかっての栄光の
ようにしまってある。多分、千円で一回景品を当てるクジをひいたと記憶する
ので、幾ら本を買ったんだかだね。

 今年は去年に続いて、政治は落ち着かず失業率も高いまま不景気な風はなか
なか吹きやみそうにない。モノが売れないと嘆いてばかりいても仕方がないし
生き残るには正月なしで元日から営業でもしていく方法もあるのかも。

 私は昔ながらの古書店が好きだが、寒い中訪ねていって休みだとがっかりす
るし次に行く足も遠くなる。知り合いの古書店主さんから年賀状も頂くが新年
の営業日を書いてなく、間違えて休み中に行かないようゆっくり週末にでもあ
いさつ兼ねて回ろうかと思っている。私は古書界の人ではないのだけど、新年
はあいさつと初買いに神戸の古書店めぐりをするのが年の初めの行事になって
しまった。なので、初営業日は年賀状に書いてくれると助かるのだな。

大島なえ(おおしま・なえ):1958年生。神戸在住のふらふら兼業主婦も
している。元日は日本晴れだった。一日だけ、朝は白味噌の雑煮を作って食べ
るので、お餅(生丸餅)も一個だけ食べたな。正月の餅がなんとか買えたけど
今年も、どうなるやら。
フリ−ぺ−パ−「ほんの手帖」発行人。書店巡り愛好者。
http://d.hatena.ne.jp/nae58625/

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■声のはじまり/忘れっぽい天使
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第44回 偏屈であることの幸せ―イ・チュンニョル監督「牛の鈴音」

 ドキュメンタリー映画というと、観る前から重圧感を覚えてしまうことがあ
る。監督が発する、社会への、政治へのメッセージを映像から読み取らねばな
らないという重圧である。真摯なメッセージは映像に力を与え、感動を呼ぶ。
しかし、監督の自己主張が強すぎると、映っているものより、映っているもの
が暗示するものばかりが重要視され、観客を疲れさせてしまう。

 昨年末に観た話題の韓国映画、イ・チュンニョル監督の「牛の鈴音」は、そ
うした押しつけがましさから無縁の、不思議な魅力を湛えた作品だった。

 この作品は、牛を使いながらの昔ながらの(と言えば聞こえはいいが、21
世紀の今となっては完全に時代遅れ)方法で農作業を行っている老夫婦の物語
である。タイトルの「牛の鈴音」は、牛の首につけた鈴に由来するが、全編に
渡って鳴り響くその済んだ音色には、観る者の心を癒す効果がある。この作品
は韓国で300万人以上もの観客を動員し、第13回プサン国際映画祭最優秀
ドキュメンタリー賞他、多くの賞を受賞している。

 映画は、老夫婦が牛の供養に寺に訪れるシーンから始まる。79歳のチェ・
ウォンギュンじいさんと76歳のイ・サムスンばあさん。チェじいさんの足は
悪く、長い階段を上るのにひと苦労だ。牛は40歳という高齢で死んだ(平均
寿命は15歳程)。じいさんは30年もこの牛を連れて畑に出たのだ。

 映画はそれから時を遡り、獣医からこの牛はもう寿命だと宣告されるところ
から順を追って展開される。じいさんは若い雌牛を買うが、相変わらず年取っ
た牛を連れて農作業に出る。出来合いの飼料を買わず、朝早く起きてエサを作
り、牧草を刈る。何と、牛に食べさせる草に害が出るからと、じいさんは畑に
農薬を撒くこともしないのだ。田植えも雑草取りも人力で行うしかない。ばあ
さんは「私より牛の方が大事なのか」と文句を言うが、じいさんは聞く耳を持
たない。じいさんは体の調子が悪く、頭痛がひどくなっているが、医師やばあ
さんの忠告にも関わらず頑として休もうとしない。やがて高齢の牛は老衰がは
なはだしくなり、遂に最期の時を迎える。じいさんは手厚く牛を葬る。気落ち
し、寝込んだじいさんに、ばあさんは「あんたが死んだら私も後を追う」と優
しく告げる・・・。

 全体のトーンを支配するのは、失われていくものへの哀惜であり、ラスト近
くは涙なしには観られない。しかし、この作品には涙以上の何かがある。

 全編に渡って登場する耕作用の牛は、茶色っぽい毛を持つ、日本人の我々か
らは見慣れない種類のものである。体は大きく、立ち上がると人間の背丈くら
いはある。荷車にじいさんと道具、作物、薪などを乗せ、家と田畑の間を日に
何度も往復する。この映画では、よちよちとしか歩けない、哀れを誘う姿しか
映っていないが、恐らく壮年期には、こうした重労働をものともしない体力を
保持していたことだろう。規則正しく、じいさんが刈った滋養のある草を食べ
られる毎日は、牛にとって気楽なものであり、ストレスのないものだったので
はないだろうか。じいさんもこの牛の「性格の良さ」にべったり依存していて、
特別な調教を施していないように見える。何しろじいさんは、新しく来た若い
牛を作業に使おうとしても、てなづけることができないのだ。じいさんは牛使
いの名人ではない。「この牛」でなければならないのだ。こうなると、作物の
収穫など、牛と楽しく過ごすついでのようなものだ。説得されて市場に牛を売
りに行っても、わざと法外な高値をふっかけて売れないように仕向けてしまう
じいさんの姿は、どこか溌剌としている。

 16歳で作男だったじいさんのもとに嫁いできたイ・サムスンばあさんは、
反対にしっかりした合理主義者である。牛を使った耕作が時代遅れであること
を見抜き、耕運機を使うこと、そして農薬を使うことを進言する。牛を売るよ
うに勧めたのもばあさんだ(若い牛が生んだ仔牛は、じいさんの反対を押し切
って売ってしまった)。じいさんを病院に連れていくのも彼女であり、葬式用
の写真もないのは寂しいと写真館に引っ張っていくのも彼女だ(カメラの前で
じいさんに「笑え」と命令したりする!)。ラジオから流れてくる音楽に合わ
せて上手に歌を歌いもする。時代が読めて頭が切れて決断力もあるばあさんは、
常にじいさんに悪態をついており、ほとんど言いたい放題状態だ。が、同時に
じいさんにべったり依存してもいる。非効率的な、自分のやり方を貫こうと頑
張るじいさんが、可愛くてたまらないのだろう。結果としてばあさんはじいさ
んのわがままを許してしまうのである。

 この夫婦の生活だけを見ていると、韓国の田舎は随分と遅れているように思
えるが、実はそうではない。隣人は耕運機やトラクターをすいすい使って、効
率的に農場経営を行っている。また、近くの町まで出るとそこにはスマートな
建物が立ち並び、道路も整備されている。何でも買えるし優秀な医者もいる。
9人の子供たちは皆独立していて、正月の集まりでは立派な姿を見せてくれて
いる。同居を頼めば快諾され、安楽な日々を送ることができるだろう。つまり、
この夫婦は「好き好んで」こんな生活を送っているわけだ。

 ここに来て、この映画の真のテーマがわかってくる。この映画の本質は、滅
び去っていく古き良き時代への哀惜の情を描くことにはない。感傷的な要素は
もちろんあるが、より深いものが核心の部分にある。それは生きたいように生
きることへの賛美の念だ。時代や他人を気にすることなく、自分の意思に従っ
て偏屈に生きることのすばらしさ。愛情を注がれながら天寿を全うし、立派な
供養もされたあの牛は幸せではないのか。茫然自失となるまで牛を愛すことの
できたじいさんは幸せではないのか。そのじいさんを「後を追う」とまで宣言
するばあさんは幸せではないのか。人生の価値は、生きている時間を効率的に
運営したかではなく、自分自身の意思に即して送ることができたかどうかで決
まる。偏屈であることは、「自分がまさに自分自身であること」ではないのか。
情緒的な装いの下に、「牛の鈴音」が問いかけてくるものは、鋭くかつ現代的
なのである。

*イ・チュンニョル監督「牛の鈴音」(韓国映画)
2009年12月19日より、シネマライズ、銀座シネパトス他でロードショ
ー。配給:スターサンズ、シグロ

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■「読者起点が出版業界を変えていく / aguni」
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 前回からの続きです。今回も[書評]のメルマガのリニューアルに伴う、新コ
ーナーについて、アイデアを披露して参ります。

 [書評]のメルマガ
 http://www.shohyoumaga.net

 公開は1月10日号ですが、今回、試みとして始めようと思っているのは、
読者に本を献本して、ネット上で書評を書いてもらおう、という試みです。

 これまで[書評]のメルマガにはたくさんの献本依頼が来ていましたが、あく
まで読者の立場から、目利きが本を選ぶという理由で、これらをすべて断って
いました。

 しかし、最近、企業研修などもやるようになって、とみに感じることがあり
ます。それは、読書レベルの低下とでも言うのでしょうか、特に大企業の若手
社員の方を中心として、読書量がかなり減っている人が多い、という事実です。

 自分を振り返ってみると、いい本を薦めてくれる先輩社員や友人が居て、そ
の中で読書の幅を広げていったように思います。さらには、本に囲まれた職場
であったために、幸せな読書人生を歩み、さらには、自分の著作まで出すこと
ができました。

 メルマガの10年を振り返ってみても、メルマガ執筆から著書の刊行に至っ
たものも結構、あります。いえいえ、このメルマガのお陰とかいうのではなく
て、書き続ける習慣をこのメルマガに関わると嫌でも持ってしまう、というこ
とはあるのかもしれないな、と思いました。

 そこで、私としては、ある仮説を立てました。本を読む、書評を書く、それ
からメルマガ執筆者になり、さらに本を読み、やがては本を書く側にまわり、
今度は本を供給する。そしてさらに本を読む。。。

 こういうサイクルが生まれてくれれば、きっともっと本が売れるのではない
か、そしてこのサイクルができるきっかけを、もしかしたら簡単な方法で作る
ことができるのではないか、ということです。

 ということで、仕組みはとても簡単です。

1)まず、出版社でも著者でもどちらでも結構ですが、献本を募ります。冊数は
 何冊でもOKです。多すぎても少なすぎても効果はないでしょう。

2)[書評]のメルマガ上で、その本を読んで、書評を書きたいという方を募集し
 ます。ここでいう書評というのは、メルマガに掲載するものではありません。
 自分のブログ、あるいはアマゾンやbk1、楽天などのオンライン書店でも
 結構ですし、ブクログなど、専用のサイトでも構いません。

3)発行委員会はいただいたメールの中から、熱意がありそうな方をピックアッ
 プして献本いただいた本を送付します。(残念ながら提供いただいた冊数に
 応募数が満たない場合には、100日後に古本屋に売却します。)

4)献本を受け取った方は、1ヵ月後のメルマガ発行日までに、どこかに書評を
 掲載し、そのURLを発行委員会に送付します。(もし、本を受け取りなが
 ら期日までに書評を書かない場合には、以降、送付は致しません。

5)ちょうど一ヵ月後のメルマガにて、書いていただいた書評のURLを紹介さ
 せていただきます。

 以上のサービスを、まったく無料で展開しよう、というのが今回の試みです。
とはいえ、書籍を送付するコストが気になるので、「100日後に古本屋に売
却」というルールを入れさせていただきました。

 まあ、要するに、雑誌の最後のページなどにある読者投稿欄のようなものだ
と考えていただければわかりやすいかと思います。ちょびっとの人数だけプレ
ゼントする、というようなアレですね。ただ唯一、違うのは、抽選ではなく、
書き手の能力を見てプレゼント先を決める、というところでしょうか。

 この仕組み、個人的にはとても画期的だと思うのですが、自分で考えて自分
で絶賛しても説得力がありませんので、まずは、1月10日号では、1月15
日に取次搬入となる、自著で試してみたいと思っています。

『100のキーワードで学ぶコーチング講座』(創元社)
 http://www.sogensha.co.jp/book/2009/12/100-1.html

 最後は宣伝になってしまったところで、実際にどういう展開になるのか、と
いうことは、引き続き[書評]のメルマガの方の展開でお楽しみください。

 皆様の御意見もお待ちしております。

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■あとがき
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 2010年最初の配信です。遅ればせながら、皆様、あけましておめでとうござ
います。

 今年は正月早々、発行日に発行できて、幸先良いな、と感じています。でき
れば今年はこの調子で発行日に発行し続けたいな、そんな目標を立てました。

 本年も[本]のメルマガをよろしくお願い致します。(aguni)

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おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
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■ 発行:[本]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を小会の許可無く転載することはご遠慮ください。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
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■ トピックスの情報提供もよろしくお願いします。
  なお、当メルマガは配信日によって、情報の提供先が変わります。
  ・5日号:aguni原口 hon@aguni.com
  ・15日号:畠中理恵子 hatanaka3floor@jcom.home.ne.jp
  ・25日号:朝日山 asahi_yama@nifty.com
  ただし、掲載の可否については編集同人が判断します。
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  事務局担当:aguni hon@aguni.com
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