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[本]のメルマガ vol.379
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□■[本]のメルマガ【vol.379】09年12月25日発行
                 [学生デビューの響き 号]
 http://honmaga.net/
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□■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は5816名です。
■□ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
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★トピックス
→廣瀬純氏とオールナイト映画&トーク。キーワードは「クリシェ」

★「甘くて苦いイタリア」 雨宮紀子
→日本に似ている?イタリア出版事情

★「今月のこの一冊」 小谷敏
→日本はヨーロッパの1/10、アメリカの1/100とは?

★「ちょっとそこを詰めていただけませんか」 竜巻竜次
→12月に学生が憂鬱になる理由

★「はてな?現代美術編」
→美術コレクターって、どんな人?

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★PR★ 原 書 房 最新刊 ★ http://harashobo.co.jp/

『医学の歴史』

ルチャーノ・ステルペローネ著 小川熙訳 2940円

四六判 328頁 定価2940円 ISBN:9784562045143

病を神と悪魔の戦いと見た太古の昔から現代に至るまで、人類は命をかけて
治療に挑み続けてきた。技術の進歩を描くだけでなく、医学を文化史の側面
でとらえた、読みごたえ満点の一般向け通史。

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★PR★ 風間書房 新刊 ★ http://www.kazamashobo.co.jp/

『ディドロ 限界の思考-小説に関する試論-』

 田口 卓臣 著 A5判 310頁 定価7,875円 ISBN:9784759917611

18世紀フランスを代表する啓蒙思想家、ドニ・ディドロの小説に関する
日本初の本格的な研究書。傑作『運命論者ジャックとその主人』の訳者
が、彼の小説に潜む「限界の思考」を解き明かす。

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■トピックス

◎オールナイト上映会 Suddenly Vol.02
  『シネキャピタル』って何だ? 廣瀬純と過ごす楽しい夜

nobody presents Suddenly Vol.02は、気鋭の批評家・廣瀬純氏をゲストに
迎え、2009年の映画界に衝撃を与えた著作『シネキャピタル』をめぐる可能
性の検証・発展を試みます。上映作品には廣瀬氏とnobody選定による、『シ
ネキャピタル』をさらに深く理解/誤読するための2本の傑作を御用意。キー
ワードは「クリシェ」です。

【上映作品】◯『喜劇 家族同盟』 前田陽一◯『UNLOVED』 万田邦敏
TALK GUEST:廣瀬純(映画批評家)

【日時】2009年12月26日(土) 23:00開場、23:30開映(予定)◯開場・
開映時間は変更の場合がございますので、事前に劇場までお確かめの上ご来
場ください。

【会場】池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋1-37-12)

【料金】一般:2,500円/nobody最新32号持参の場合2,000円
池袋シネマ・ロサ窓口にて、12/12(土)から整理番号付き前売り券発売。
窓口にて「nobody32号 + Suddenly vol.02チケット」のセットも販売してお
ります。

主催:nobody 協力:松竹、洛北出版、WOWOW

【お問い合わせ】nobody編集部:contact@nobodymag.com

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■Italia dolce e amara: 甘くて苦いイタリア / 雨宮紀子
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第7回 イタリアの文化的出版物の事情

イタリアの出版関係者も認めるように、読書人口は小さい。本を読まない。
少なくとも1ヶ月に1冊本を読む人は、2007年には59%だったが、2009年に
は56%に減った、と最近のCensis調査の結果だ。

よく読まれているのはせいぜいスポーツ紙といわれる。スポーツ紙ではない
日刊紙を1週間に1度(!)買うイタリア人は、2007年には67%だったが、
これも2009年には54%に減った、という悲惨な現状だ。

ともかく、出版はそもそも活況ではないのだが、それでも「文化テロ」とい
う表現もあるらしく、文化とくくられる出版物の衰退状況がこのごろ盛んに
いわれているらしい。インターネットやブログや、オンラインの図書検索も
衰退の要因とされる。ところが、現状はそれほど悲観的ではないとする新聞
記事があった。

つまり、売れている本は、短くて、口当たりのいい本、または論争を呼ぶか、
スキャンダルをついた本、著者が有名か、芸能人の書いた本、と考えられて
いる。

一般市民の好みがそう変わったという識者もいる。しかも、評論家も政治家
も、TVでポップになる傾向があり、それが出版に影響しているという見方
が大勢だ。

だけれど、愛着する作家本の読者や評論家のファンはいるし、とくに若い人
の「知への渇き」からくる本の購入がここ数年増えているというのだ。「文
化を本で創る」、文化的にハイレベルな本を出すのはまだ意味がある、とい
う。

これは全て、Nielsen Bookscanの調査結果だが、現在、本屋で販売されてい
る刊行点数は55万、そのうち売り上げランキング上位の5000冊の本が占める
シェアが50%だ。出版社5000社のうち、売上数ランキング上位100社のシェ
アは85%になっている。文芸部門のシェアでは、評論が10%、海外(翻訳)
も含めた文学が15%だ。

つまり、これらのいわゆる文化の範疇の刊行物が売り上げの25%のシェアを
占めているのは、微かにでも慰めになるというのだ。売り上げランキング上
位の5000冊の中で、評論だけ見ても、神学や哲学をテーマにした本が売り上
げ24位や46位、65位、75位、76位に入っているのが、それほど悲惨ではない
理由になっている。これらは2008年だけで10万部弱から20万部売れたのだ。

ここ25年で、政治や歴史という大テーマから、内なる宗教性などへ繊細な関
心が強まっていること、また、自分の経験から来る、自分の視点で語られた
内観的な本が買って読むに値すると考えられるようになってきたのがはっき
りした傾向だとか。

これはイタリアだけの現象ではないかもしれない。

雨宮紀子(Gatta Italiana)
フィレンツェ在住のフリーランス。イタリア関係でテレビ番組や雑誌の企画
をコーディネートしてうん十年。メルマガ『イタリア猫の小言と夢』は、
melmaの2007年メルマガ・オブ・ ザ ・イヤー受賞。
http://www.melma.com/backnumber_86333/

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■今月のこの一冊 グロバール化した世界を斜め読みする 小谷敏
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佐々木賢・山梨彰・沖塩有希子著
「商品化された教育 先生も生徒も困っている」 青土社 1680円
 
教育とは、人を育てる営みです。ものを作って売るビジネスとは本来相容れ
ないもののはずです。しかし近年では教育もまた、ビジネスの論理に飲み込
まれてしまいました。

教育のビジネス=商品化は、世界的な趨勢といえます。アメリカとイギリス
が先頭を走り、日本がその後を追う展開がみられます。著者の一人佐々木賢
さんは、長年定時制高校の先生を務めた方です。近年は新自由主義的な教育
改革を批判する論陣を張っておられます。本書は英米の新聞記事を素材とし
て、教育の商品化の実態を紹介したユニークな仕事です。

 教育がビジネスになれば、すべてを会計のことば(アカウンタビリティ)
で語らなければなりません。学校経営でも、子どもの学習到達度でも、すべ
てを数値化して公表することが求められます。当然その数値は年々改善され
なければならないのです。

イギリスでも日本と同様、全国一斉の学力テストが行われているようです。
テストの出来不出来が予算配分等その学校の処遇をきめてしまいます。です
から学校は、テストの点を上げるために血眼になります。大人の都合で点取
り競争に追い立てられるのです。まさに理不尽の極み。

 日米英の3カ国は主要国中、教育予算の対GDP比率が低い国として知られ
ています。国がお金を出さないのだから、教師の給与はどんどんと削られて
いきます。しかも、子どもの荒れや「モンスターペアレンツ」の存在もいま
や世界的な現象なので、先生たちの負担は増える一方です。

労働党政権が行った新自由主義的な教育改革の結果、イギリスで教師は、お
よそ人気のない職種になってしまいました。ブレア前首相が議会での演説で
同国の重要課題は、「教育、教育、そして教育」であると叫んだことを思え
ば何とも皮肉な話です。

 学歴インフレが起こり、高卒が欠損学歴になってしまいました。しかも高
校大学の学費がほぼ無償の大陸ヨーロッパ諸国に比べて英米日の学費は高額
です。低い階層に生まれた子どもたちは、大学に行けない。正規雇用の仕事
に就く機会を最初から奪われしまうことになります。

その結果この3つの国の階層の移動率は、主要国のなかでも低い部類になっ
てしまいました。一生懸命勉強をしてもまともな仕事に就けないのだから、
子どもたちは勉学の意欲がわきません。かくして教師の仕事は、ますます大
変なものになっていきます。

 教育の商品化を推し進めた結果、子どもの学力は低下し、教師は疲弊し、
学校は荒廃してしまった。著者たちは、新自由主義的教育改革路線の破綻を
宣言しています。強い説得力を感じますが、残念ながら「出口なし」の読後
感しか残りませんでした。

本当に希望はないのでしょうか。日本の少年犯罪はとても少ない。「ヨーロッ
パの10分の1、アメリカの100分の1」(本書)程度です。文教行政は
英米と変わらぬ愚かな方向を目指しながら、子どもの荒れは世界でもっとも
小さい。これは日本の親と教師の努力の賜物だと思います。

◎小谷敏
大妻女子大学人間関係学部教授。「余命5年」の難病から生還し、こうして
モノが書けること感謝。最新刊「子どもたちは変わったか」世界思想社

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■ちょっとそこを詰めていただけませんか 竜巻竜次
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今回は「負(マイナス)の伝染」について

何度も学生の話で恐縮だが…専門学校やら短大やらでの非常勤講師稼業が週
5日もあると、勢い話題がそちらに行ってしまうのはご勘弁願いたい。

この時期(と言うより10月半ばぐらいから)モチベーションがどん底まで下が
る学生が増えてくる。特に卒業年度の学生が。

わからないわけではない。よほどの事がない限り、春には学生の身分とおさ
らばしなければならないのだが、仕事の性質上「卒業→就職」と言うわけに
はいかない。

何度か持ち込みを試みたがその度にダメだしをされ結構プライドも傷ついて
いる。たとえ担当編集がついていても果たしてデビューまでこぎつけるのか、
不安でしかたが無いのもよく判る。

「学生の身分」て言うのは微妙なエクスキューズが取れるところでもあるの
で実に居心地が良く、それを失ってどこにも属さない宙ぶらりんの存在にな
るのはかなり辛い。

皆が願う「学生デビュー」の響きの中には「卒業前に次のステージに上がる」
安心感も含まれているんだろう。

で、不安感からか(または単なるサボリかも知れないが)テンションがだだ
下がりになり休みがちになる学生がポツリ、ポツリと出だすとインフルエン
ザよろしくクラス中に伝染して行くのだ。

朝、教室のドアを開けると「?、今日授業無かったっけ?」と言うぐらい欠
席が多くなる。

休んで何をしてるかと言うと…なんにもしていない。が、まるっきり来ない
のかと言うと何故か放課後の教室でたむろしてたりする。友達に会いに来て
なんだかうだうだと話しをしているのだ。そして…また何人かが伝染されて
いく。 

問題はここ。
我々は自由業者である。学生はその予備軍だ。たとえクラスメイトとは言え
「他人のテンションやモチベーション」に影響されてどうすると言いたい。
だいたい仕事は仕事。テンションでやるものではない。

学生の目の前の仕事は「卒業制作」のはず。それからも逃げていては先が思
いやられると言うものだ。もっと言うならそんな学生でも「なんとか卒業さ
せなければならない」こちらの苦労を考えて欲しい。

個人としては「いやなら早い目にやめて新たな道を模索せよ(→うっとうし
いから早よやめてしまえ)」なのだが大人の事情としてそんな事を声高に言
う事も出来ないのが辛いところなんだな、これが…。

◎竜巻竜次
マンガ家 自称、たぶん♀。関西のクリエーターコミュニティ、オルカ通信
のメンバーとしても活躍中。この連載も、呑んだ勢いで引き受けてしまった
模様
http://www.mmjp.or.jp/orca/tatumaki/tatumaki.html

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■はてな?現代美術編 koko
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第二回 『世界の現代美術コレクター』

前回は私が思う現代美術とは何かについて書きました。続いて今回は、現代
美術市場を支えるコレクターについてです。

正直な話、『現代美術作品に何億円も払える人って誰?』という下世話な話
でもあります。しかしこの人達がいないとアーティストは食べていけないわ
けですから、非常に重要な役割を今も昔も担っている方々です。

日本語で≪はまる≫といいますが、車や時計マニアがいるのと同じように、
現代美術に≪はまる≫世界のお金持達がいます。彼らの財力が美術市場の傾
向と価格を作っているといってもいいでしょう。わかりやすく親しみやすい
からでしょうか、通常最初は近代絵画が美術への関心の窓口になることが多
いようです。そこから現代美術の深い森に足を踏み入れるお金持ちが現代美
術コレクターとなっていきます。

まずは今年の現代美術にもっとも影響を与える人物トップ100のリストを見
てみましょう。
□Art Review2009 ≪Power 100≫
http://www.artreview100.com/2009-artreview-power-100/

恐らく一部の有名アーティストを除いて、このリストに名前が挙がっている
人物の日本での地名度はそれほど高くないはずです。

今回まず取り上げるのは、リスト中6位に入っているフランスのフランソワ・
ピノー氏。2006年から2年連続1位の座にいた、世界で最も影響力のある現代
美術コレクターです。

ちなみにリスト上位4位までは、展覧会関係者(美術館ディレクターやキュ
レーター)が座を占めています。5位はアメリカのギャラリストです。この
人物については別の機会に触れることになると思います。

ピノー氏は純粋なコレクターです。16歳で学業を放棄して材木業から砂糖相
場で成功し、ファイナンス関係でますます財を成し、フランス3位のお金持
ちにまでのしあがりました。日本に馴染深いパリのプランタン百貨店やイタ
リアメゾンのグッチ、さらにオークションハウスのクリスティーズまでもが
彼の持ち物です。最近では事業関係については息子に座を譲り、本人は80年
代から始めた現代アート収集の集大成、『Pinault foundation』の活動に専
念するようになっています。フランスでアメリカンドリームを掴んだ面白い
経歴の持ち主です。

彼にはもちろん大変優秀なアドバイザーがついていますが、彼のインタヴュー
記事からもわかるように、どの作品を購入するかどうかは自分の感性で決め
るとはっきり言っています。

なぜ現代アートなのか、という問いに対し、『自分は今に生きている。もう
価値の決まっている過去には興味はない。現在と未来に新しい可能性がある。
だから現代美術はリスクもあるかもしれないが面白い。』というようなこと
を言っています。果敢にビジネスを拡大していった人物らしいコメントです。

そして現代美術市場のダイナミズムがあまりフランスに届いていないことも
嘆いています。過去に生きるフランス美術市場に対する批判があるのでしょ
う。(とはいうものの、トップ100に6名のフランス人が名を連ねています。
日本人はアーティスト村上隆のみでした)

彼の2000点以上に及ぶコレクションをたくさんの人に見てもらいたいという
ことで、2006年にベニスのPrazzo Grassiに美術館をオープンさせました。
安藤忠雄設計の美術館です。2008年には別館も作られました。ベニスはただ
でさえ見るところがたくさんあって困るのに、現代アートまで見なければな
らないなんて、考えただけで足がいた〜くなってきます。

というわけで、彼の美術館はベネチアビエンナーレと並んで、現代アートを
知る上で欠かせない場所です。
□Prazzo Grassi と Punta della Doganaのサイト(英語)
http://www.palazzograssi.it/en/


もう一人トップ10に入っているコレクターに触れます。
それはピノー氏のすぐ後に名前が挙がっている、ロサンジェルスに拠点を構
えるエリ・ブロード氏です。

彼はサン・アメリカ(保険・年金基金)とKBホーム(不動産)というフォー
チュン誌アメリカ企業トップ500というリストに入る二つの会社の創業者ま
たは所有者です。(サン・アメリカはAIGに売却)。

1984年Broad Art Foundationを創設し、400以上に及ぶ世界の美術館やギャ
ラリーにコレクションを貸出しています。さらにロサンジェルス現代アート
美術館などのアドバイザーでもあります。余談ですがアメリカオバマ大統領
の就任式パーティの主催者の一人にも名を連ねています。

もともと彼が財団をつくるきっかけになったのは、公共の美術館が現代美術
を購入する資金を十分持っていないという事情を知ったからだそうです。そ
こで自分のコレクションを貸し出すことにしたのです。美術品コレクション
は夫婦で始めた趣味だったようですが、現代アートが実業家の目とは違う立
場から現代社会を見せてくれるということに感激してからは、もっぱら現代
美術のコレクションに精を出すことになったそうです。

彼もピノー氏と同様投機目的で美術品をみておらず、私達が生きる今につい
て考える上で、知的な刺激を与えてくれる重要な活動と捉えているようです。
彼のコレクション中、特に定評あるのは、バスキアの代表作品の数々やシン
ディー・シャーマン、ジェフ・クーンズなどの今となっては欠かすことので
きないアーティスト達の充実した作品群です。

http://www.new-york-art.com/Mus-brook-Basquiat.htm
http://www.cindysherman.com/
http://www.jeffkoons.com/

彼によると作品の貸出の利点は、作品を一般の人々に見せる機会をより多く
提供できることだそうです。『美術館では展示スペースが限られていて、8
割がたは作品が倉庫で眠ることになってしまうけれども、貸出すればいろん
なスペースにいろんな作品を展示することができる』とインタビューで答え
ています。それも一理ありですね。


最後に日本の現代美術コレクターの情報について記しておきましょう。
まずは有名な原美術館。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8

それから最近大規模な展覧会が開かれた高橋コレクション。
http://www.veritacafe.com/art/2009/06/863/


とにかく現代美術コレクターは、オブジェを通して今を色んな方向から眺め
て刺激を受けているということがよくわかりました。現代美術は『美』とい
うものとはもう関係ないのかもしれません。あるのはそこに込められたメッ
セージ。こうなると言葉というものもビジュアルと共に大切なファクターに
なってくるのでしょう。

『こんなゴミに一体誰がお金払いますねん?』
という知り合いの大阪のおじさんの言葉が頭にこだましています。
しかし、最初にゴミに価値を見出した人間こそが、マーケットに影響力を与
えるのですね。


◎koko
苦節10年、円とユーロとドルの間で翻弄されるアートセールコーディネー
ター。まぐまぐメルマガ「Sacres Francais!映画と美術とパリジャンと」
(隔週) 発行中。
http://www.mag2.com/m/0000191817.html
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■広告募集のお知らせ:当メルマガは現在5816名の読者の皆さんに配信して
おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。

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■編集後記

koko氏の連載が始まって二ヶ月、今回は美術コレクターの話。そういえば今
ごろだったなと思い出したのが、元ダイエー副社長で、自分のコレクション
で大川美術館を創られた大川栄二氏。昨年12月に死去された。

絵が好きな普通のサラリーマンで、若い画家の安い作品を40年間こつこつ買
い続けているうちに画家たちがブレイク。美術館をやれるだけのコレクショ
ンになった。

もう20年以上前、私が船井幸雄の会社に入って一年目。研修会の講演に来ら
れていた。で、他一名と共に部屋を訪ね(押しかけて)、お話を伺う機会が
あったのだ。

大川氏が三井物産からダイエーに移ったのは、船井幸雄が勧めたから。移っ
た直後に思ったのは

「船井にだまされたw!」

船井がいい会社だと言うから1969年ダイエーに行った。この頃のダイエーは、
前年に日本初の郊外型ショッピングセンターを造り、急成長を遂げようとし
ていた。船井の助言は間違っていない。

しかし会社としてはまだ若く「完成」などされていない。だから入社直後、
物産と比べたら会社としての「程度が低い」と船井にたらたら文句を言った
という。明治時代からあった名門会社と、できて十年ほどの若い会社を比較
するのがそもそも酷なのだが、中内功の片腕と呼ばれた人が言うことだから
笑えた。

個人的なアドバイスとして「実務経験がないのにコンサルタントとしてやっ
ていけるか不安なんだね・・・実務経験がないからこそ見えることがあると
考えたらどうかな?」と、温和な表情で噛み含めるように話してくださった
のを今でも覚えている。

それ以来、会わせていただく機会はなかったけど、もう20年もすると、自分
はあの頃の大川氏の年齢になる。その時、あんないい顔になれるかな?そん
なことを思いながら、2009年が終わります。

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