2008.06.06 Friday
[本]のメルマガ vol.323
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■■ [本]のメルマガ 2008.06.05.発行
■■ vol.323
■■ mailmagazine of books [小さな商いをおろそかにする店は 号]
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■■ 創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6675名です。
■■ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
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★PR★ 原 書 房 最新刊 ★ http://harashobo.co.jp/
『ヴィジュアル版 「決戦」の世界史:歴史を動かした50の戦い』
ジェフリー・リーガン著 森本哲郎=日本語版監修
定価5040円 A5判 476頁 オールカラー ISBN:9784562041619
古代サラミスの海戦からキリスト教対イスラム教、無敵艦隊、ミッドウェイ、
湾岸戦争に至るまで、最重要の決戦50を多数カラー図版・戦闘図と共に再現。
●担当編集者ブログ http://d.hatena.ne.jp/rikiyaishige/20080513
■CONTENTS------------------------------------------------------------
★トピックス
→ トピックス募集中です!
★「神戸発、本棚通信」 / 大島なえ
→ 蟹工船がなぜか今、若者に受けて売り切れ
★声のはじまり / 忘れっぽい天使
→ アーティストが文章を書くということ
★ベストセラー、一歩手前
→ インタビューを受けていただける著者の方、募集中です。
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■トピックス募集
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当メルマガではトピックスネタを随時募集しています。出版関係のイベント
や展示会・講演会、書店のフェア情報などを皆様より募集しております。でき
る限りそのまま紹介させていただきたいと考えていますので、トピックスの項
で紹介できるくらいの分量でのご投稿をお願いします。分量のだいたいの目安
は、5行〜10行程度です。多い場合には編集しますのでご了解ください。
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■「神戸発、本棚通信 / 大島なえ」
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第三七回:蟹工船はどこへ行った?
梅雨入りの六月、夏服に衣替への女子高生の白い半袖のセーラー服もまぶ
しい季節。今回は、今、何故か若者を中心に売り切れが続出している意外な
本のことを紹介しましょう。
『蟹工船』小林多喜二(新潮文庫)が何故か、若者に受けて売り切れなのだ。
『蟹工船』てあのプロレタリア文学の労働者の小説で、小林多喜二という名
は口に出すのもちょっと或る年代には声を小さくしそうな国家に殺された、
拷問死の左翼文士じゃないか。今のフリーターやネットカフェ難民と言われ
る若者に口コミ状態で買われて、書店にも在庫なしなのだ。文字読むのが苦
手な用に漫画版も売れてるらしい。ふーん。ちょっとブーム今だけな感じも
するけどね。しかし日雇派遣には、本当にマグロかの漁船に乗せられてひど
い労働させられて嫌でも船の上なので帰れない仕事に行かされた人やオキナ
カシもして問題になったのをニュースでしていたと思う。
小林多喜二は小樽に住んでいて叔父にすすめられてパン屋の仕込の手伝いを
しながら小樽高商に進学し大学受験を失敗して、北托銀行に入行し会社勤め
をしていたが実家は貧乏で叔父の援助で小樽に小さな家を持ち雑貨店を母親
がして暮らしていた。本当は、絵描きになりたかったのを叔父に商売人に絵
は要らんと画道具を捨てられ絵の道をあきらめさせられた。
時代的にまともな人が社会主義になるだろうと思うような、今の言葉で格差
社会で貧富の差は激しく、そうこう思うと今の時代と似たところありそうだ。
勿論、小林が生まれた1903年から明治・大正・昭和初期の次第に軍国主義
の激しくなり思想弾圧を受けた時代と現代とでは、自由や言論の発表の場ひ
とつ取っても、かなり違う。拷問で死ぬようなことも今ではない。『蟹工船』
は、函館から蟹漁に出る船に集まった日雇い労働者の姿を中心に描かれてい
る。小林は小樽に住み、北海道の方言や生活に詳しく、小樽時代の時は開拓
に集められた建設の日雇労働者、タコ部屋で働く人が余りの過酷さに逃げ出
し店に夜中に飛び込んで血まみれのまま泣きながら助けを請うのを見て、現
実のひどさを幼い頃から感じていた。
今のバブルがはじけた後のワーキングプワと呼ばれる就職できない言わば、
片隅に追いやられている閉塞感を常に感じている世代に「これは俺達の話じ
ゃないか」と共感を呼ぶものがあるのだろう。
私達のように、小林多喜二の名を大きな声でしゃべりにくい気がする時代は
完璧に忘れられ、まったくシロの若い人の目で読まれる『蟹工船』は新しい
日雇い労働者の立場でピンハネと過酷な労働を強いられる同じ目線の小説に
なり読まれている。最後にストライキは再び立ち上がり労働者の勝利をうか
がわせるのも、現実ではあり得ないものだとしても希望を与えて終っている
のが良い。小林多喜二は1933年に29歳で亡くなったが、平成の世の中で同
年代の支持者を得て、再びヒーローになった。
ところで『蟹工船』について当メルマガを書こうと決めてからのことで悲
しいエピソードが残ってしまった。売り切れが続出しているのを立証するよ
うに、なかなか本が見つからず困り、ある新刊書店に苦手な電話をして、知
り合いの書店員さんに事情があって月末までに手に入れたいので、入荷した
ら「すぐ」知らせて欲しいとお願いした。
それが5月28日の水曜日だったが、なかなか電話がなく私はその間に図書
館と新刊書店3件、古書店4件見て回り、やっと灘にある書店で見つけ原稿
を書くために買った。最初の書店からパソコンのメールに31日の午前11
時33分に『蟹工船』が入荷しました。と連絡があり、月末までに必要と言
ってたので、閉店前に駆け込み受け取りに行ったら、聞くと29日(木)の
午前に入荷していた。しかも受け取った文庫の表紙にはべったり脂染みがつ
き汚れていて、私は悪意すら感じたが何も言わず買って帰った。所詮私が買
ったのは400円の文庫一冊であり、儲からない客なんだろう。
その時、文芸誌の棚で「文学界」に好きな作家の連載があり読んだら、故
郷の姫路の或る百貨店で社長と対談した後に、丁度時計の電池が切れたので
時計売場で電池交換を頼んだら、うちで買った時計じゃないと電池交換しな
い。と言われ、小さな商いをおろそかにする店は必ず駄目になるようなこと
を書かれていた。その通りだと思った。
大島なえ(おおしま・なえ):1958年生。神戸在住のふらふら兼業主婦
もしている。去年、父からもらった紫陽花「墨田の花火」が今年も咲いた。
花火のようにパッと咲いて散るいさぎよさがなんだか今は羨ましい。この頃、
家族から文句が多いとよく言われます。
フリ−ぺ−パ−「ほんの手帖」発行人。書店巡り愛好者。
http://www.geocities.jp/nmzdrysk/nae/naeix.htm
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■声のはじまり/忘れっぽい天使
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第28回 アーティストが文章を書くということ
―難波田史男『終着駅は宇宙ステーション』(幻戯書房)
青春期の日記などというものは、読む方が恥ずかしくなるものと相場が決
まっているが、これが若き日の芸術家の日記ともなると、ケタが1つ違って
くる。先日、幻戯書房から刊行された難波田史男の『終着駅は宇宙ステーシ
ョン』はさしづめ青臭い芸術家の日記の代表格と言うべきものだろう。
画家・難波田史男は抽象画家・難波田龍起の息子で、やはり抽象的な作風
で知られるが、1974年に32才の若さで船からの転落事故のため死んだ。
500ページにもわたるこの本は、難波田史男の17歳から27歳までの日
記やノートを集成したものである。公開されることなど夢にも思わないで書
き連ねられたこれらの文章には、夭折した画家の胸の内が洗いざらいぶちま
けられている。
難波田史男も父親同様、抽象表現をめざしているが、作品の質は大きく異
なる。難波田龍起の作品は、抽象を通して、世界全体に対するある揺るぎの
ない見方を示したものと言える。その深々とした絵画世界に見入っていると、
世界のエッセンスがそのままカンヴァスの上の色に置き変えられたかのよう
な錯覚を覚えてしまう。しかし、難波田史男はより小味で勝負する。ミロや
クレーのような肌合いのメルヘンタッチの絵だが、内面で起こった出来事一
つ一つを丁寧に記録している風である。例えて言うなら、龍起は世界と格闘
しているが、史男はあくまで自分自身と格闘している。難波田史男の抽象の
基本は、色や線の「擬人化」であり、その意味では抽象画ではなく「超・具
象画」と呼んでいいものなのであろう。だからこそ、難波田史男のような画
家の日記は、作品を理解する上で様々な示唆を与えてくれる。
十代の頃の話題の中心は、学校の勉強である。何とも平凡に見えるが、彼
のような夢見がちな資質に生まれた者にとって、枠がかっちりと決まった学
習がかなりの苦痛であったことは想像に難くない。真面目な史男は、人並み
の学力を身につけることの重要さを自分に言い聞かせるように何度も日記の
中に記す。が、同時に、勉学に身が入らないことも率直に綴る。彼は高校卒
業後文化学院で美術を学ぶが、一般教養を身につける必要を感じて早稲田大
学に入り直す。そして案の定大変な苦労をしてしまうのである。
このクソ真面目さ・頭の固さは、彼の恋愛観・女性観にも反映されている。
「時として僕は、女性に性欲がないのではないかと思ったりする」と書いて
しまうようなウブな史男は、ありがちなことに、絵に描いたような清楚な女
性を理想とする。しかし、18歳の日記にはストリップを見たことが書かれ、
更にそれに罪悪感を覚えているらしい記述が続く。19歳の日記では、「こ
のぼくは、彼女達の口から、どきりとするような言葉が発音されると、ぼく
の理性以前にとびこんで来るのだ。それらの言葉は、彼女達のものでもある
がゆえにぼくは喜ぶ」という鋭い記述を残している。極端な理想主義とボロ
リともらす味のある本音。いかにも戦後第一世代のお坊ちゃまらしい意識の
在り方ではないか。
彼の育ちの良さは、彼の社会・政治観に最も直截に表れる。「全学連の幹
部は、全学連加入者30万人のことなど考えてはいないのだ。30万人とい
う数字だけを土台にして自分が革命家たらんことをユメみているのである」
という17歳の日記における全学連批判は、当っているかどうかは別として
若者が熱狂しがちな運動をごく冷静な目で見つめている点で評価できる。史
男は続けて「私は強く学生の学生自身の学生運動を望んでいる」とも書いて
いている。政治や時事問題を取り上げることは多くはないが、取り上げる時
は常に鋭い考察を述べていて、決して政治や社会に無関心ではないのである。
貧富の問題を論じる際の「難かしい理論が必要であると同時に、幼稚な理論
も必要である」という指摘は実にもっともだ。中流家庭で何不自由なく育っ
た史男は、社会の変動を終始余裕をもった態度で眺めることができたのであ
ろう。
日記全体を通して最も頻繁に綴られるのは、文学への想いである。「書物
を読んでいると六時間中、座り続けでも少しも苦にならないが、授業を聞い
ていると半時間ももたない。どうしたことだろう」とやや自嘲気味に書き、
「ガールフレンドを持つとすると、読書時間が少なくなる」(笑)と書く程
なのである。読む本は、主に西洋古典文学で、特にドストエフスキーが愛読
書。文章の引用も多い。クラシック音楽もよく聞き、ベートーヴェンの音楽
を至上の芸術と捉えていたようだ。マンガや歌謡曲を軽視する記述があり、
教養主義の信奉者だったことがわかる。難波田史男が、若き日に美術よりも
むしろ文学に関心があったというのは、彼の作品を考える上で非常に重要な
ことだ。彼は美術を、詩や物語に近いものとして考えていた。そして人生を
実生活よりも文学作品の中に学ぼうとしていた。人との関わりより虚構との
関わりを上位に置く、オタクの美学のようなものが感じられる。
もちろん、美術に対する考えは興味深い。特に20歳以降、本気で画家を
志す決意を固めた後の美術に関する文章は読み応えがある。「現代芸術の危
機」は「あまりにも人々が普遍性を求めすぎたことにある」という指摘は興
味深い。今話題のグローバリズムの怖さを早くも察知しているようである。
「ぼくらは、自然を分析し、造りかえるのでもなく、自然とわかれるのでも
ない。また人間をのりこえるものでもない。ぼくらは自分自身の内部を探求
するだけだ」という一節は、当時盛んになりつつあった前衛芸術へのアンチ
の言葉のようにも聞こえる。難波田史男の極度にナイーブで主観的な絵画は、
前衛芸術が逆説的に隠し持っている芸術の進歩史観(=「新しさ」に表現の
価値を置く)に対して背を向ける性質のものだった。
本書に収録された難波田史男の日記やノートの文章は、もちろん公開され
ることを想定しないで自由気ままに書かれたものだ。誤字も、練られていな
い表現も、勢いで綴った幼稚な思いつきも、全てそのままだ。だが、この分
厚い一冊を読み終えた時、難波田史男の絵の底に常には言葉が動いていたの
だということを痛感させられる。これらの人生や世界について巡らせた想い
―崇高な理想もナンセンスな空想も―が、ペンを絵筆に持ち替えた難波田史
男の想像力の中で昇華され、あの不可思議な魅力を持つ色や線として残され
ていくことになるのだ。
難波田史男の生涯は短かかったが、彼は最後まで自己の表現を批評的に発
展させることのできた芸術家だった。自分の中にある小市民性を、未熟さを、
不条理な衝動を、注意深く聴き取り、対象化し、昇華させることができたの
だ。その土台となったものは、日々書き続けられた日記やノートである。本
書を読むと、芸術表現をめざす人間はどんな分野であれ、自分の言葉を持つ
ことは相当重要なのではないかという気がしてくる。拙い文章であってもか
まわない。書くことによって自分の表現の根っこを確かめられ、自分が何者
であるかを問い続けることができるからである。
*難波田史男『終着駅は宇宙ステーション』(幻戯書房 税込価格4410円)
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■ベストセラー、一歩手前
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「ベストセラー、一歩手前」では、これからベストセラーになりそうだな、
あるいは、ベストセラーまではいかないけれど、頑張っていますという本を
ご紹介していければ、と思っています。
インタビューを受けていただける著者の方、募集中です。
メールにて、【著者インタビュー希望】と表題の上、
下記のアドレスまでお願い致します。
5日号編集同人「aguni」まで hon@aguni.com
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■あとがき
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またまたまた配信が遅くなりました。もう6日号、と名称を変えないとい
けないかもしれません(笑。
まったく出版業界とは関係ないですが、6月15日(日)の父の日に、下記
のイベントをお手伝いすることになりました。
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特定非営利活動法人日本スクールコーチ協会 設立記念講演会
「夢は、かなう。」
〜子どもたちが夢を描き、実現に向けて歩み出すために〜
http://www.jscoach.com/modules/eguide/event.php?eid=1
---------------------------------------------------------
私は書籍販売担当として、書店のサポートをしています。
ご興味ある方は是非、御参加くださいませ。(あ)
------------------------ 原稿募集のお知らせ ------------------------
特に古本業界・印刷業界・取次業界で、欲無く無理なく出版業界の未来のた
めの原稿を、無償でコツコツ毎月書ける方を引き続き募集しています。我こそ
は、と思われる方は下記連絡先までご一報下さい。
また、出版関係のイベントや展示会・講演会など、トピックスを皆様より募
集しております。こちらも下記連絡先までお願いします。
------------------------ 献本広告のお知らせ ------------------------
当メルマガ5日号のこの欄を、出版社の皆様よりの書籍広告に開放いたしま
す。条件は、献本を一冊お送りいただくこと、だけです。(きちんと内容通り
の書籍が刊行されたかをチェックさせていただきます。)
5日号では、文学・芸術のカテゴリの書籍を紹介してまいります。
(小説・ビジネス書・ノンフィクションジャンルは承れません。)
また、著者・ライター・編集プロダクション様よりの直接のご依頼はお断り
させていただきます。
ご興味ある出版社の営業ご担当者様は、下記のメールアドレスまで御連絡く
ださい。よろしくお待ちしております。
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『ユリイカ2008年6月号』 好評発売中
定価1,300 円(本体1,238 円)
ISBN978-4-7917-0179-7
http://www.seidosha.co.jp/
特集*マンガ批評の新展開
現実(リアル)を素材に夢(ファンタジー)を錬(ね)る/荒川弘
[聞き手=藤本由香里]
世界の断片をつなぐマンガの力/島田虎之介[聞き手=伊藤剛]
マンガの/と批評はどうあるべきか?/東浩紀×伊藤剛
失われた成熟を求めて/東浩紀×伊藤剛×金田淳子
マンガにおける視点と主体をめぐって/夏目房之介×宮本大人×泉信行
「キャラたち/キャラクターたち」/泉信行
ユートピアゆき猫目の切符/斎藤環
『テヅカ・イズ・デッド』 のそれから/伊藤剛
おたくと漫画/森川嘉一郎
次号予告
7月号=スピルバーグ
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『もうろくの詩』
森 毅 著
200805刊/4-6判/172頁
定価1470 円(本体1400 円)
ISBN978-4-7917-6412-9
それが幸福というものだろう
もうろくとはアヴァンギャルドのモダニズム 詩の世界で遊ぶようなもの。
人生の芝居、第五幕、ぼくはこうして楽しんでいる。
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『ありふれた殺人 カレル・チャペック短編集III』
カレル・チャペック 著 田才 益夫 訳
200805刊/4-6判/168頁
定価1470 円(本体1400 円)
ISBN978-4-7917-6409-9
歴戦の勇士がごくありふれた殺人事件に震え上がる理由とは。留学先からの
娘の電報が留守宅に引き起こした珍騒動。猛吹雪のなかの長距離を極刑を求
め自首する殺人犯の真情。凶悪犯に赤裸々に懺悔されるという罠にはめられ
た神父の困惑……。苦境・逆境にあってこそ輝きを増す人間としての尊厳と
品格のさまざまな形を、豊かに描き切ったチャペック特有の情感に満ちたサ
スペンス・ドラマ。
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おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
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『ヴィジュアル版 「決戦」の世界史:歴史を動かした50の戦い』
ジェフリー・リーガン著 森本哲郎=日本語版監修
定価5040円 A5判 476頁 オールカラー ISBN:9784562041619
古代サラミスの海戦からキリスト教対イスラム教、無敵艦隊、ミッドウェイ、
湾岸戦争に至るまで、最重要の決戦50を多数カラー図版・戦闘図と共に再現。
●担当編集者ブログ http://d.hatena.ne.jp/rikiyaishige/20080513
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は、5行〜10行程度です。多い場合には編集しますのでご了解ください。
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第三七回:蟹工船はどこへ行った?
梅雨入りの六月、夏服に衣替への女子高生の白い半袖のセーラー服もまぶ
しい季節。今回は、今、何故か若者を中心に売り切れが続出している意外な
本のことを紹介しましょう。
『蟹工船』小林多喜二(新潮文庫)が何故か、若者に受けて売り切れなのだ。
『蟹工船』てあのプロレタリア文学の労働者の小説で、小林多喜二という名
は口に出すのもちょっと或る年代には声を小さくしそうな国家に殺された、
拷問死の左翼文士じゃないか。今のフリーターやネットカフェ難民と言われ
る若者に口コミ状態で買われて、書店にも在庫なしなのだ。文字読むのが苦
手な用に漫画版も売れてるらしい。ふーん。ちょっとブーム今だけな感じも
するけどね。しかし日雇派遣には、本当にマグロかの漁船に乗せられてひど
い労働させられて嫌でも船の上なので帰れない仕事に行かされた人やオキナ
カシもして問題になったのをニュースでしていたと思う。
小林多喜二は小樽に住んでいて叔父にすすめられてパン屋の仕込の手伝いを
しながら小樽高商に進学し大学受験を失敗して、北托銀行に入行し会社勤め
をしていたが実家は貧乏で叔父の援助で小樽に小さな家を持ち雑貨店を母親
がして暮らしていた。本当は、絵描きになりたかったのを叔父に商売人に絵
は要らんと画道具を捨てられ絵の道をあきらめさせられた。
時代的にまともな人が社会主義になるだろうと思うような、今の言葉で格差
社会で貧富の差は激しく、そうこう思うと今の時代と似たところありそうだ。
勿論、小林が生まれた1903年から明治・大正・昭和初期の次第に軍国主義
の激しくなり思想弾圧を受けた時代と現代とでは、自由や言論の発表の場ひ
とつ取っても、かなり違う。拷問で死ぬようなことも今ではない。『蟹工船』
は、函館から蟹漁に出る船に集まった日雇い労働者の姿を中心に描かれてい
る。小林は小樽に住み、北海道の方言や生活に詳しく、小樽時代の時は開拓
に集められた建設の日雇労働者、タコ部屋で働く人が余りの過酷さに逃げ出
し店に夜中に飛び込んで血まみれのまま泣きながら助けを請うのを見て、現
実のひどさを幼い頃から感じていた。
今のバブルがはじけた後のワーキングプワと呼ばれる就職できない言わば、
片隅に追いやられている閉塞感を常に感じている世代に「これは俺達の話じ
ゃないか」と共感を呼ぶものがあるのだろう。
私達のように、小林多喜二の名を大きな声でしゃべりにくい気がする時代は
完璧に忘れられ、まったくシロの若い人の目で読まれる『蟹工船』は新しい
日雇い労働者の立場でピンハネと過酷な労働を強いられる同じ目線の小説に
なり読まれている。最後にストライキは再び立ち上がり労働者の勝利をうか
がわせるのも、現実ではあり得ないものだとしても希望を与えて終っている
のが良い。小林多喜二は1933年に29歳で亡くなったが、平成の世の中で同
年代の支持者を得て、再びヒーローになった。
ところで『蟹工船』について当メルマガを書こうと決めてからのことで悲
しいエピソードが残ってしまった。売り切れが続出しているのを立証するよ
うに、なかなか本が見つからず困り、ある新刊書店に苦手な電話をして、知
り合いの書店員さんに事情があって月末までに手に入れたいので、入荷した
ら「すぐ」知らせて欲しいとお願いした。
それが5月28日の水曜日だったが、なかなか電話がなく私はその間に図書
館と新刊書店3件、古書店4件見て回り、やっと灘にある書店で見つけ原稿
を書くために買った。最初の書店からパソコンのメールに31日の午前11
時33分に『蟹工船』が入荷しました。と連絡があり、月末までに必要と言
ってたので、閉店前に駆け込み受け取りに行ったら、聞くと29日(木)の
午前に入荷していた。しかも受け取った文庫の表紙にはべったり脂染みがつ
き汚れていて、私は悪意すら感じたが何も言わず買って帰った。所詮私が買
ったのは400円の文庫一冊であり、儲からない客なんだろう。
その時、文芸誌の棚で「文学界」に好きな作家の連載があり読んだら、故
郷の姫路の或る百貨店で社長と対談した後に、丁度時計の電池が切れたので
時計売場で電池交換を頼んだら、うちで買った時計じゃないと電池交換しな
い。と言われ、小さな商いをおろそかにする店は必ず駄目になるようなこと
を書かれていた。その通りだと思った。
大島なえ(おおしま・なえ):1958年生。神戸在住のふらふら兼業主婦
もしている。去年、父からもらった紫陽花「墨田の花火」が今年も咲いた。
花火のようにパッと咲いて散るいさぎよさがなんだか今は羨ましい。この頃、
家族から文句が多いとよく言われます。
フリ−ぺ−パ−「ほんの手帖」発行人。書店巡り愛好者。
http://www.geocities.jp/nmzdrysk/nae/naeix.htm
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■声のはじまり/忘れっぽい天使
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第28回 アーティストが文章を書くということ
―難波田史男『終着駅は宇宙ステーション』(幻戯書房)
青春期の日記などというものは、読む方が恥ずかしくなるものと相場が決
まっているが、これが若き日の芸術家の日記ともなると、ケタが1つ違って
くる。先日、幻戯書房から刊行された難波田史男の『終着駅は宇宙ステーシ
ョン』はさしづめ青臭い芸術家の日記の代表格と言うべきものだろう。
画家・難波田史男は抽象画家・難波田龍起の息子で、やはり抽象的な作風
で知られるが、1974年に32才の若さで船からの転落事故のため死んだ。
500ページにもわたるこの本は、難波田史男の17歳から27歳までの日
記やノートを集成したものである。公開されることなど夢にも思わないで書
き連ねられたこれらの文章には、夭折した画家の胸の内が洗いざらいぶちま
けられている。
難波田史男も父親同様、抽象表現をめざしているが、作品の質は大きく異
なる。難波田龍起の作品は、抽象を通して、世界全体に対するある揺るぎの
ない見方を示したものと言える。その深々とした絵画世界に見入っていると、
世界のエッセンスがそのままカンヴァスの上の色に置き変えられたかのよう
な錯覚を覚えてしまう。しかし、難波田史男はより小味で勝負する。ミロや
クレーのような肌合いのメルヘンタッチの絵だが、内面で起こった出来事一
つ一つを丁寧に記録している風である。例えて言うなら、龍起は世界と格闘
しているが、史男はあくまで自分自身と格闘している。難波田史男の抽象の
基本は、色や線の「擬人化」であり、その意味では抽象画ではなく「超・具
象画」と呼んでいいものなのであろう。だからこそ、難波田史男のような画
家の日記は、作品を理解する上で様々な示唆を与えてくれる。
十代の頃の話題の中心は、学校の勉強である。何とも平凡に見えるが、彼
のような夢見がちな資質に生まれた者にとって、枠がかっちりと決まった学
習がかなりの苦痛であったことは想像に難くない。真面目な史男は、人並み
の学力を身につけることの重要さを自分に言い聞かせるように何度も日記の
中に記す。が、同時に、勉学に身が入らないことも率直に綴る。彼は高校卒
業後文化学院で美術を学ぶが、一般教養を身につける必要を感じて早稲田大
学に入り直す。そして案の定大変な苦労をしてしまうのである。
このクソ真面目さ・頭の固さは、彼の恋愛観・女性観にも反映されている。
「時として僕は、女性に性欲がないのではないかと思ったりする」と書いて
しまうようなウブな史男は、ありがちなことに、絵に描いたような清楚な女
性を理想とする。しかし、18歳の日記にはストリップを見たことが書かれ、
更にそれに罪悪感を覚えているらしい記述が続く。19歳の日記では、「こ
のぼくは、彼女達の口から、どきりとするような言葉が発音されると、ぼく
の理性以前にとびこんで来るのだ。それらの言葉は、彼女達のものでもある
がゆえにぼくは喜ぶ」という鋭い記述を残している。極端な理想主義とボロ
リともらす味のある本音。いかにも戦後第一世代のお坊ちゃまらしい意識の
在り方ではないか。
彼の育ちの良さは、彼の社会・政治観に最も直截に表れる。「全学連の幹
部は、全学連加入者30万人のことなど考えてはいないのだ。30万人とい
う数字だけを土台にして自分が革命家たらんことをユメみているのである」
という17歳の日記における全学連批判は、当っているかどうかは別として
若者が熱狂しがちな運動をごく冷静な目で見つめている点で評価できる。史
男は続けて「私は強く学生の学生自身の学生運動を望んでいる」とも書いて
いている。政治や時事問題を取り上げることは多くはないが、取り上げる時
は常に鋭い考察を述べていて、決して政治や社会に無関心ではないのである。
貧富の問題を論じる際の「難かしい理論が必要であると同時に、幼稚な理論
も必要である」という指摘は実にもっともだ。中流家庭で何不自由なく育っ
た史男は、社会の変動を終始余裕をもった態度で眺めることができたのであ
ろう。
日記全体を通して最も頻繁に綴られるのは、文学への想いである。「書物
を読んでいると六時間中、座り続けでも少しも苦にならないが、授業を聞い
ていると半時間ももたない。どうしたことだろう」とやや自嘲気味に書き、
「ガールフレンドを持つとすると、読書時間が少なくなる」(笑)と書く程
なのである。読む本は、主に西洋古典文学で、特にドストエフスキーが愛読
書。文章の引用も多い。クラシック音楽もよく聞き、ベートーヴェンの音楽
を至上の芸術と捉えていたようだ。マンガや歌謡曲を軽視する記述があり、
教養主義の信奉者だったことがわかる。難波田史男が、若き日に美術よりも
むしろ文学に関心があったというのは、彼の作品を考える上で非常に重要な
ことだ。彼は美術を、詩や物語に近いものとして考えていた。そして人生を
実生活よりも文学作品の中に学ぼうとしていた。人との関わりより虚構との
関わりを上位に置く、オタクの美学のようなものが感じられる。
もちろん、美術に対する考えは興味深い。特に20歳以降、本気で画家を
志す決意を固めた後の美術に関する文章は読み応えがある。「現代芸術の危
機」は「あまりにも人々が普遍性を求めすぎたことにある」という指摘は興
味深い。今話題のグローバリズムの怖さを早くも察知しているようである。
「ぼくらは、自然を分析し、造りかえるのでもなく、自然とわかれるのでも
ない。また人間をのりこえるものでもない。ぼくらは自分自身の内部を探求
するだけだ」という一節は、当時盛んになりつつあった前衛芸術へのアンチ
の言葉のようにも聞こえる。難波田史男の極度にナイーブで主観的な絵画は、
前衛芸術が逆説的に隠し持っている芸術の進歩史観(=「新しさ」に表現の
価値を置く)に対して背を向ける性質のものだった。
本書に収録された難波田史男の日記やノートの文章は、もちろん公開され
ることを想定しないで自由気ままに書かれたものだ。誤字も、練られていな
い表現も、勢いで綴った幼稚な思いつきも、全てそのままだ。だが、この分
厚い一冊を読み終えた時、難波田史男の絵の底に常には言葉が動いていたの
だということを痛感させられる。これらの人生や世界について巡らせた想い
―崇高な理想もナンセンスな空想も―が、ペンを絵筆に持ち替えた難波田史
男の想像力の中で昇華され、あの不可思議な魅力を持つ色や線として残され
ていくことになるのだ。
難波田史男の生涯は短かかったが、彼は最後まで自己の表現を批評的に発
展させることのできた芸術家だった。自分の中にある小市民性を、未熟さを、
不条理な衝動を、注意深く聴き取り、対象化し、昇華させることができたの
だ。その土台となったものは、日々書き続けられた日記やノートである。本
書を読むと、芸術表現をめざす人間はどんな分野であれ、自分の言葉を持つ
ことは相当重要なのではないかという気がしてくる。拙い文章であってもか
まわない。書くことによって自分の表現の根っこを確かめられ、自分が何者
であるかを問い続けることができるからである。
*難波田史男『終着駅は宇宙ステーション』(幻戯書房 税込価格4410円)
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