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[本]のメルマガ vol.277
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□■[本]のメルマガ【vol.277】2007年2月25日発行 http://honmaga.net/
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□■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6577名です。
■□ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
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★トピックス
→本屋さんで落語。紀伊國屋寄席が有名ですが、なんと青山BCが参入。

★「ぼくたちが本と出会うときのこと」/ 内沼晋太郎
→旅先で出会った人と本を交換し合う。エルビス文庫って知ってますか。

★「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
→出版社への転職を希望する友人からの相談を受けたときに必ず言うこと。

★「ユートピアの探求」/ 五月
→零細出版社は泡沫のような存在だけれど、名を捨てて実をとるのが本懐。

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■トピックス
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■青山ブックセンターが本店で落語会を今春開催

東京の落語家と上方の落語家を同時に呼んで、観客に江戸と上方の味の違いを
堪能してもらいたい――そうした趣旨のもと、青山BCで落語会が今春開催さ
れることになった。東京の柳亭市馬、上方の桂文我を迎え、「花見のネタの東
西聞き比べ」という趣向。進行は法政大学教授で翻訳家の金原瑞人。三人での
座談会も予定している。

◎桂文我の“本屋で落語”
 江戸の粋(いき) 上方の粋(すい)――まずは落語で花見の宴――

出演:桂文我 柳亭市馬 進行:金原瑞人

日時:07年4月15日(日)
【1部】13:00〜15:00(開場12:30〜)
 『長屋の花見』柳亭市馬 『百年目』桂文我
【2部】16:00〜18:00(開場15:30〜)
 『花見の仇討』柳亭市馬 『天神山』桂文我

会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
定員:120名様 全席自由
会費:各部 前売り料金:2,500円(税込) 当日料金:3,000円(税込)
 通し券 前売り料金:4,500円(税込) 当日料金:5,500円(税込)

前売り券発売所・お問い合わせ/青山ブックセンター本店:03-5485-5511
前売りチケット購入方法:好評発売中(2007年2月15日(木)より受付開始)
お支払い方法:直接店頭でのお支払いか、銀行振込でのお支払い。
※店頭でのチケット販売は青山ブックセンター本店のみとなります。

http://www.aoyamabc.co.jp
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★PR★平 凡 社 の 新 刊★ http://www.heibonsha.co.jp

『江戸の読書熱――自学する読者と書籍流通』

鈴木俊幸(1956-):著
定価:2730円 四六判上製260頁 ISBN:978-4-582-84227-2

18世紀末、江戸の版元は商品と流通の戦略を変え、地方には続々と本屋がおこ
り、平仮名混じりの注釈と書き下し文付きの「自習用儒教経典」が爆発的に流
行する。それは生活の方針を書物に求めんとする新しい広範な読者の誕生だっ
た。書籍文化研究の第一人者が、近世読書空間の沸騰を描く待望の一冊。
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『藝文往来』

長谷川郁夫(1947-):著
定価:2310円 四六判上製函入264頁 ISBN:978-4-582-83351-5

本をめぐる気ままな随想が、いつしか文学者や芸術家をめぐる回想へと繋がっ
ていった。つねに文学が生まれる現場に立ち会い、小沢書店とともに生きた三
十年の思い出を、「昨日の花束」として読者に捧げる初めての随想集。
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『図説 台湾の歴史』

周婉窈(1956-):著 濱島敦俊:監訳 石川豪+中西美貴:訳
定価:2940円 A5判並製240頁 ISBN:978-4-582-41106-5

戒厳令から開放された台湾で生まれた、歴史的なベストセラー(21刷9万部)。
台湾の先史時代から現代まで、ビジュアルな資料を掲げながら一貫して記述し
た初めての台湾通史。日本語版では「戦後篇:ポストコロニアルの泥沼」を追
加、二・二八事件、白色テロ時代など、秘せられた台湾現代史が生々しく描か
れる。
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『日本戦後音楽史(上)戦後から前衛の時代へ 1945-1973』

日本戦後音楽史研究会:編著
定価:5040円 A5判上製528頁 ISBN:978-4-582-21968-5

1945年から2000年に至る55年にわたる日本における現代音楽の受容と創作の歴
史を、戦後の社会史・思想史を踏まえ、総合的に描き出した初めての戦後日本
の音楽文化史の全体像。上巻は、欧米技法の導入、伝統音楽の刷新、ジャンル
を越えた実験等によって、日本オリジナルの現代音楽を築こうとしたモダニズ
ムとアバンギャルドの時代を扱う。
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『増補 私の見た明治文壇(1)』(東洋文庫 759)

野崎左文:著 青木稔弥+佐々木亨+山本和明:校訂
定価:2940 円 全書判上製308頁 ISBN:978-4-582-80759-2

仮名垣魯文の弟子・左文が、小新聞に活躍の場を求めた最後の戯作者たちを中
心に、江戸と近代の交じり合う時期――すなわち左文の実見した明治初年――
の操觚者たちのありさまを証言する。明治文化研究の第一級資料。関連文章を
増補。全2巻。

※東洋文庫次回配本は3月刊→『増補 私の見た明治文壇(2)』
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■「ぼくたちが本と出会うときのこと」/ 内沼晋太郎
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第23回:本を交換する

 旅には本が欠かせない。長旅であればなおさらだ。けれど同時に、長旅に余
計な荷物は禁物だ。だから世界を旅しつづける人たちの間には、母国語が同じ
人と出会うと、持っている読み終わった本同士を交換する習慣がある。そうす
れば、ずっと新しい本を読むことができるというわけだ。読み終わった本を、
たまたま出会った誰かに手渡す。その本は渡された誰かに読まれた後、また次
の誰かの手へとわたっていく。こうして旅人から旅人へと持ち主を変えていく
一冊の本それ自体もまた、どの旅人とも違う行程を、延々と旅してゆくことに
なる。

 エルビススズピー氏は、そんな旅人たちの間ではとても有名な方なのだそう
だが、残念ながらぼくはお会いしたことがない。けれど、友人から聞いた彼の
「エルビス文庫」の話に、ぼくはとても感銘をうけた。

 ぼくの友人もまた長い旅をしている途中、星条旗の柄のバンダナを頭に巻き、
エルヴィス・プレスリーのTシャツを着た氏と出会い、本を交換したという。
ただでさえインパクトのある氏だが、彼から受け取った本は、ぼくの友人をさ
らに驚かせた。それはビニールコーティングされ、中にエルヴィス・プレス
リーの写真が入れられ、「エルビス文庫」と書かれている。氏の手によって、
カスタマイズされているのだ。中身はふつうの文庫本で、友人が受け取ったの
は村上龍「愛と幻想のファシズム」上下巻。手書きのタイトルが背表紙に書い
てある。氏の手に渡った本はすべて「エルビス文庫」としてカスタマイズされ、
世界中に出回っていく。

 Googleなどで「エルビス文庫」と入れて検索すると、きちんとヒットする。
そのうちのひとつの掲示板の書き込みを見ると、数年前に900冊をカウントし
ているから、おそらく今は1000冊をゆうに超えているだろう。ぼくの友人が渡
した本もまた、氏の手で「エルビス文庫」にアレンジされ、今もどこかの誰か
が旅先で読んでいるかもしれない。まさに、世界中がエルビス氏の本棚なのだ。

 また氏は「エルビスノート」という、ガイドブックなどにはあまり載ってい
ない現地の情報を独自にまとめたノートも製作している。アフガニスタン、ア
フリカ、中米、南米編などに分かれており、各地の日本人ゲストハウスにはそ
のコピーが置かれ、旅人たちはそれを書き写したり丸ごとコピーを取ったりし
て重宝しているらしい。これもエルビス氏を有名にしているもうひとつの理由
で、やはり検索すると多数ヒットする。「『地球の歩き方』よりも安宿とかに
関しては情報は多い」「南米編はたしか140ページぐらいあった」という記述
もあるくらいだから、並大抵ではない。

 同様に本を世界で共有する試みといえば「ブッククロッシング」(※1)が
ある。さきほど「世界中がエルビス氏の本棚なのだ」と書いたが、しかし氏は、
おそらくそういった「ブッククロッシング」的な目的のために「エルビス文庫」
をつくっているのではないとぼくは思う。もちろん推測でしかないが、氏に
とって世界中を回っていく本は、あくまでエルヴィス・プレスリーの存在を知
らしめるための、メッセージツールなのではないだろうか。あるいは、本を交
換するという習慣の中で、出会った誰かとの会話を有意義なものにするための、
ひとつのコミュニケーションの仕掛けにすぎないのだろう。

 多くの、いま旅をしていないぼくらにとって、ほしい本を手に入れることは
比較的たやすい。一方で、どれを読んだらいいかわからず大型書店の森の中を
さまよい、結局道に迷ってたどり着けないような思いをした経験がある人も多
いだろう。そんなときには友人と、読み終わった本を交換してみるのもいいか
もしれない。ちょっと気恥ずかしいけれど、読むときに線を引いたり欄外にメ
モを書いたりすれば、それは相手へのメッセージになる。あとで古本になるこ
とを考えてか、本を汚すことに抵抗がある人も多いけれど、そうして世界に一
冊しかないオリジナルの本ができていくほうが、ぼくは素敵なことだと考えて
いる。

※1:ブッククロッシング
http://www.bookcrossing.com/

※参考:「ぼくたちが本と出会うときのこと」 第七回:本に書き込む
http://uchnm.exblog.jp/3071801/


◎内沼晋太郎(うちぬま・しんたろう):1980年生まれ。「numabooks」代表。
最近のお仕事は(銀座・並木通)のブックコーナーのコーディネイト、東京
ミッドタウン(六本木)メディカルセンター「Noage」の閲覧用書籍のセレク
トなど。「ブックピックオーケストラ」の発起人でもある。
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■「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
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うがい、手洗いを励行している甲斐あって、今のところ、風邪、インフルエン
ザ、ノロウイルスの類には無縁な佐藤です。皆さんこんにちわ。余談ですが、
うがいの癖がついてから喉もだいぶ丈夫になったようで、朝までカラオケして
も声が潰れなくなりました。下手って行く友人たちを尻目に独りハイテンショ
ンでしっかり歌えるのは、結構嬉しいです。

さて、前回のお話とも関係してくるのですが、今回は出版業界への転職につい
て書こうと思います。私は営業なのですが、とにかく「出版社」に勤めてはい
るということで、異業種の友人から出版業界への転職・就職の相談をしばしば
受けます。そのほとんど、いや全部が編集者希望です。中途採用は無いか、編
集者の空きは無いか、良かったら口添えしてもらえないか……どこまで要求し
てくるかは人それぞれですが、大体がこういったところです。

やりたい仕事をやるのはいいことだと思うし、私も鬼ではないので、そういう
相談を持ちかけてくる友人には話を聞きますが、希望がほぼ百パーセント「自
分の名前の知っている出版社」で「書籍部門」で「文芸」の担当をしたい、と
なるのにはびっくりします。もちろん希望であり、憧れの部分が多いのを考え
ても、有名出版社の文芸単行本の編集者の人気の高さにはびっくりします。

憧れは憧れとして、実際私が出来るアドバイスとしては、「新聞の求人広告を
見ること」と「出版社の公式サイトで求人を探すこと」の二つぐらいです。他
には「私は営業でしかもペーペーなので口添えできる立場には無い」と言う点
を先ず理解してもらうことと、「たとえあなたが名前を知らなくても、専門書
や雑誌で成果を出している会社もあるからそういうところも視野に入れてはど
うか」と言う点を理解してもらう程度しか出来ません。

前回お話したように、私自身は偶然、結果オーライの姿勢で現職に就いている
だけで、就職活動でマスコミ対策や出版社対策をしたわけではないので、友人
の役にも立てない自分を恨めしく思ったりするのですが……致し方なしと思っ
て理解してもらうしか出来ません。

私と同じくらいの年齢だと、もう未経験可のぎりぎりのラインです。その年齢
で、今まで他の世界で数年築きあげてきたキャリアや年収、人脈を捨てて、新
たな世界で一からすべて覚えて……そこまでの覚悟をして出版業界に入った人
は、私の周りではまだいません。

収入やプライドが邪魔をして、さらに、夢を見るには歳を取りすぎているのか
もしれません。でも、「どうしても本を作りたい」という熱い気持ちが、どの
編集者の心にもあって、それが一冊一冊の本を作っているのだと信じています。
そうした気持ちを持っている人ならば、すべての過去を取っ払ってぜひチャレ
ンジして欲しいと私は思っています。

でも、出版社は編集だけで成り立っているわけではなく、他の会社同様に総務
や経理や、私たちが働きやすいように支えてくれる方々がいて、そしてもちろ
ん営業がいて、そして成り立っているわけです。出版社も普通の会社と変わり
ません。でもやはり「編集者」と言う肩書きが少し一人歩きしているように感
じるのは、私が営業の目線だからでしょうか?

新しいことにチャレンジすることももちろんいいと思います。でも、それと同
じぐらい自分の今やっている仕事を継続することや、改善点を見出し変えてい
くこと、今の仕事の中におもしろさを見出すことなども、私には大事に思えま
す。まだまだ悩み、模索も多い20代後半、悩みながらも進まなければならない
年代。でも、大切なのはなにをするかではなく、どうするかではないのかなと
思います。

今回は少し偉そうで、説教がましい部分も多く、いつものテイストとは違った
かもしれませんが、私の体験や感覚を元にすると、必ずや触れなければいけな
いテーマだったので書きました。お許しください。


◎佐藤都(さとう・みやこ):1980年生まれ。某出版社営業部勤務。
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■「ユートピアの探求」/ 五月
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地元の駅前の本屋で必ず光文社古典新訳文庫を毎月購入していたのだけれども、
ついに新刊配本がなくなってしまった。昨年九月の創刊時には文学だけでなく
カントすら平積みになるほど配本されていたのに、十二月の配本を最後に、一
月からは狭い店内を見渡してみても、一冊もない。私が毎月数点各一冊ずつ買
うだけでは、店の業績にはまったくならなかったようだ。

おととしだったか、地元のレンタル複合路面店で、店長と思しい男性にこんな
ことをたずねたことがあった。「平凡社ライブラリーと講談社学術文庫が毎月
入荷したら必ず買うんですけれどもねえ」。私はその店で、岩波文庫や河出文
庫を定期的に購入していたので、率直に自分の願望を述べてみたつもりだった。

男性は目線を手元のスリップに落としたまま淡々と答えた。「少しでも返品す
るとすぐ配本が止められちゃうんですよ」。そうなのだろうな、とは思ったけ
れども、やはり現実は厳しい。その店は数ヵ月後に閉店し、今では複合型のア
ミューズメント施設になって、深夜まで賑わっている。

以前も少し書いたことだが、自分は地元で買えるものは買う。そう決めていた。
ただ、地元の書店に配本されない商品は必然的に、ターミナル駅の大型書店か、
インターネット書店で買うことになる。地元の本屋に注文して気長に入荷を待
つ、ということはしていない。その程度では結局地元の本屋の常連にはなれな
いし、売上を支えることもできはしないのだ。

地元の商店街を見渡してみると、苦労している小売店は、本屋だけではないこ
とがわかる。駅前ではドラッグ・ストアのチェーン店が次々に出店して、古い
薬局はほとんど閉店してしまった。大手スーパーが進出しても、周辺の八百屋
は活気と人柄の良さで負けていなかったけれど、ある日突然店じまいをしてし
まった。その店の傍のもう一軒の八百屋も、後継者がいないことをいつも嘆い
ているから、そう遠くない将来、なくなってしまうかもしれない。

じっと世間を見つめていると、出版業界の現状もおおよそ似たようなものだと
思えることがある。

昨年末のことだ。一年を振り返る回顧記事が各誌を賑わす中で、とある著名な
評論家が複数の零細出版社の活躍を誉めている記事があった。私はそれを読ん
で無性に腹が立った。零細出版社があちこちで頑張っている。その挑戦的な出
版活動と個性的なコンテンツを誉めているのだが、私には違和感があった。

零細出版社は自分の好きな本を出したいがために創業する。そのコンテンツは
個性的で挑戦的だろうけれども、それで商売ができるかどうかというのは別問
題だ。零細出版社は好きなことをやって、次々に彗星のように消えていく。自
分の好きな本を出したいという人の群れはその後も続々と生まれ、途絶えるこ
とがないから、零細出版社はあちこちで継起的に立ち上がる。そして文字通り
好きなことをやって、資金が尽きて終わる。それの繰り返しというのが、零細
の現実ではないのか。

個々の出版社の名前は瞬く間に忘れ去られても、零細業界、インディーズ業界
を全体として俯瞰してみれば、元気と活気があるように見えなくもない。微視
的に見れば激しい盛衰があることをこの評論家は分かっているのだろうか。そ
んな気持ちにさせる記事だった。

分かってないとは言わない。分かっていても応援するしかない時もあるだろう。
しかし評論家が超然とあるいは漫然と高見の見物を決め込んでいるのを見る時、
どうしようもない滑稽さが私には見えてくる。

どうぞ勝手にしゃべり続けたまえ。勝手に誉めそやしたり悪しざまに言うがい
いよ。零細出版社は泡沫のように生まれては消えるけれど、名を惜しみはしな
い。実をとって死にたいのです。


◎五月(ごがつ):1968年生まれ。出版社取締役。http://urag.exblog.jp
書籍出版社の営業や編集をやってみたい、意欲ある新卒、経験者の方、お仕事
をご紹介します。簡単なプロフィールを添えて biblia_hp@infoseek.jp まで。
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『公民の民俗学』

大塚英志:著
定価1890円 46判上製213頁 ISBN:978-4-86182-116-5

日本民俗学の発生から初期の展開をつぶさに検証し、「伝統」なるものの恣意
性を鋭く穿つ。「愛国心」「教育」問題をめぐる議論の根幹に一石を投じる警
世の書。『「伝統」とは何か』(ちくま新書)の改訂新版。
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『現代小説の方法』

中上健次(1946-1992):著 高澤秀次:編・解説
定価2100円 46判上製237頁 ISBN:978-4-86182-112-7 

小説はいかに可能なのか。壮大な物語世界を背景に、現代文学の異形の巨人が
語る小説作法。「地の果て」の、さらなる果てのトポスへの旅の意志。「地の
果て」を、今ここに接続する獰猛で繊細な想像力。知られざるパリ講演「三島
由紀夫をめぐって」を含む、中上絶頂期の単行本未収録発言。

◆刊行記念イベント「島田雅彦×中上紀×高澤秀次トークショー+中上紀『蓮
池』朗読の夕べ」

日時:2007年3月3日(土)午後6時〜8時(5時半開場)
会場:東京堂書店神田本店 http://www.tokyodoshoten.co.jp/
入場料:500円
予約:電話03-3291-5181 もしくはEメール tokyodosyoten@nifty.com
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『排除型社会――後期近代における犯罪・雇用・差異』

ジョック・ヤング(1942-):著
青木秀男+伊藤泰郎+岸政彦+村澤真保呂:訳
定価2940円 46判並製カバー装542頁 ISBN:978-4-903127-04-0

本書はこんにち(後期近代)の社会が、安定的で同質的な包摂型社会から、変
動と分断を推し進める排除型社会へ移行したという認識のもと、排除型社会の
構造と文化を分析し、批判し、あるべき社会の諸原則を構想したものである。
移行にともない、私たちは経済的な不安定、存在論的な不安感にさらされるこ
とになった。また、犯罪や逸脱にたいする態度も変化した。排除型社会は、ど
うすれば克服できるだろうか。

「画期的な書物。驚異的なまでの博識、事実への深い洞察、明晰な論旨と論証
が結びついたこの著作に、私は圧倒された」(ジグムント・バウマン)。

"The Exclucive Society: Social Exclusion, Crime and Difference in Late
Modernity", 1999, London: Sage.
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『「負け組」のアメリカ史――アメリカン・ドリームを支えた失敗者たち』

スコット・A・サンデージ:著 鈴木淑美:訳 
定価:2730円 46判363頁 ISBN:978-4-7917-6314-6

初めて明かされる驚愕の歴史! 19世紀、資本主義勃興期のアメリカを舞台に、
事業に失敗して破産した人々の人生と、その敗残者イメージが社会に及ぼした
影響をたどる。
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『重力のデザイン――本から写真へ』

鈴木一誌:著  
定価:2730円 46判333頁 ISBN:978-4-7917-6320-7

文字の方向やタテ組ヨコ組など、ブック・デザインの詳細な具体例から、デザ
インの本質が「重力」の演出にあることを論証。この議論をふまえ、多くの写
真集をデザインした立場から、写真界の国際的トップランナー荒木経惟、森山
大道を徹底的に分析し、「デザインされた重力」と映画の関係までを語る。
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『現代思想』07年3月号(特集=笙野頼子―ネオリベラリズムを越える想像力)
ISBN978-4-7917-1161-1 定価1300円 2月26日発売

【笙野頼子】
ネオリベ迷惑を考えるお茶会――極私と無政府@だいにっほん
 …笙野頼子+白石嘉治+入江公康+矢部史郎+山の手緑+松本麻里+水島希
極私と宗教――自己に内在する唯一絶対の他者vs.「一」の多様性と可能性に
 ついて…笙野頼子+安藤礼二
夜の河をけして越えぬために――「友達」と一緒に生きて伝えるための、全人
 的報告…笙野頼子

【エッセイ】
「カニバット」から吹く暴風…星野智幸
魔術的な言語、言語の魔術…佐藤亜紀

【ネオリベラリズム】
「金毘羅」の未来、あるいはネオリベラリズムの終わりを生きるために
 …白石嘉治
死者は「かわりに思い出してください」と呼びかけた…佐藤泉
抵抗する〈習合〉の形――新たな“身分制”のなかで「祈る」…入江公康

【作品を読む】
「ない」ものたちの最終戦争――笙野頼子は何と戦っているのか? …清水良典
アヴァン・ポップ神話体系…巽孝之
国家に抗する「私」――笙野頼子試論…新城郁夫
〈習合〉というジャンル? ――『金毘羅』小考…松本潤一郎

【フェミニズム】
ウラミズモが国家であることの教訓――ネオリベとフェミの接触を断ち切る
 …新田啓子
おかあさんとブスと言語…松本麻里
ウラミズモの裏地…水島 希

【「私」から】
脳内彼女の実況中継――テクスチュアル・ハラスメントはまだまだ続く
 …小谷真理
一人称の圧倒…五所純子
儚い者たちと相互扶助――笙野頼子『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』
 …渡邊英理
怨念の労働――都市を漂う「セーフセーラー」の叛逆に向けて…栗原康
本当の労働実話…山の手緑

【ブックガイド】
笙野頼子作品ガイド…鈴木とりこ

【次号予告】
4月号『教育の未来』
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季刊「インターコミュニケーション」60号(Spring 2007)
特集=デザイン/サイエンス――芸術と科学のインターフェイス
定価1400円

茂木健一郎+山中俊治「デザインは論理と感覚のあいだを往還する」
郡司ペギオ-幸夫「デザインとは自由の肯定文である」
松田行正「点と線、螺旋」
森山和道「インターフェイスのデザイン」
山本貴光+吉川浩満「デザイン/サイエンス・ブックガイド」
坂根厳夫「科学と芸術の境界の旅をめぐる回想の本棚から」

ほか多数の論考と、藤幡正樹・後藤繁雄・蓮實重彦・稲葉振一郎の連載など。
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『来たるべきデリダ――連続講演「追悼デリダAdieu, Derrida」の記録』

藤本一勇:監訳 澤里岳史+茂野玲:訳
定価2940円 四六判上製352頁 ISBN:978-4-7503-2492-0

哲学思想のみならず政治、社会など現代社会のあらゆる領域に根源的な影響を
及ぼした思想家、ジャック・デリダ。その思想本来の政治性・闘争性を回復さ
せ、新たな可能性を汲み上げるべく、世界で考えられる限り最良の思想家たち
が語り起こす、決定的デリダ論。05年5〜6月にロンドン大学バークベック・カ
レッジの連続講演「Adieu, DERRIDA」の講演記録。全世界に先駆けて日本で先
行出版(原書はPalgrave Macmillanから07年4月刊行予定)。

収録論考:「追悼文」C・ドゥージナス/「ジャック・デリダへのオマージュ」
A・バディウ/「差延への回帰の請願(マイナーな「自分の家のために」をと
もなって)」S・ジジェク/「民主主義は何かを意味するのか」J・ランシ
エール/「〈普遍的なもの〉の構築と脱構築――ジャック・デリダの感覚的確
信」E・バリバール/「マッド・デリダ――思考と狂気の事実そのものから」
J−L・ナンシー/「ジャック・デリダへの謝辞に向けたノート」G・C・ス
ピヴァク/「デリダ――未来の贈り物」D・コーネル/「レイト・デリダ」
J・ヒリス・ミラー

◆刊行記念イベント:鵜飼哲×藤本一勇「来たるべきデリダ」

日時:3月11日(日)14−16時
会場:三省堂書店神田本店 8階特別会場
定員:100名
入場料:1000円
予約:同店4階カウンターか電話(03−3233−3312)

04年10月にデリダが没して早2年半。初期の脱構築か、後期の政治思想のいず
れかを評価する傾向に囚われ、いまだ封印されたままにとどまるその思想的可
能性を解き放ち、「デリダ」をいかに歓待し、読み解き、使いこなすか。公私
にわたってデリダと親交を結んだ鵜飼哲・一橋大教授と、新たなデリダ研究世
代の一人である藤本一勇・早大助教授による、アクチュアルで根源的な問いを
めぐる現代思想の冒険。
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