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[本]のメルマガ vol.275
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■■ [本]のメルマガ     2007.02.05.発行
■■         vol.275
■■  mailmagazine of books      [やっぱり本が好き! 号]
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■■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6569名です。
■■ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
■CONTENTS-----------------------------------------------------------

★トピックス

★「神戸発、本棚通信」 / 大島なえ
→ 今年は福は内になって欲しい

★声のはじまり / 忘れっぽい天使
→ 中村宏 図画事件1953―2007

★ベストセラー、一歩手前/aguni(あぐに)
→ インタビュー先、募集中

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■トピックス
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■紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場
 「やっぱり本が好き!」晶文社フェア

本好きの皆さんなら一度は目にした事のある、犀のマークの晶文社さんの
フェアを開催いたします。歴史、思想から、文学、芸術、ノンフィクショ
ンまで様々なラインナップが一同に会します。最近書店の店頭から見かけ
なくなった、貴重な在庫僅少本も若干お蔵出しです。「趣味は読書」の方
も、「何か面白い本ないかな?」と探している方も、読書の愉しみを味わ
える一冊と出会えることでしょう。(開催中〜2007/2/28)
→ http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#honten_fair_1

■トピックス募集

 当メルマガではトピックスネタを随時募集しています。出版関係のイベ
ントや展示会・講演会などを皆様より募集しております。できる限りその
まま紹介させていただきたいと考えていますので、トピックスの項で紹介
できるくらいの分量でのご投稿をお願いします。分量のだいたいの目安は
5行〜10行程度です。(←ココがポイント!)

■原稿執筆者もまだまだ募集しています

 特に古本業界・取次業界・電子書籍業界で、欲無く出版業界の未来のた
めの原稿を、無償でコツコツ毎月書ける方を引き続き募集しています。我
こそは、と思われる方は巻末の連絡先までご一報下さい。

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■「神戸発、本棚通信 / 大島なえ」
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 第二二回:「SURE」って知ってますか?

 あっと言う間に二月になり、節分の豆まきも終わりました。今年は福は
内になって欲しい。でも豆まきって家の中に撒くと後の掃除が大変なので
すよね。豆まきと言えば、舞妓さんが舞台の上から豆まきしはる京都の八
坂神社へ遅まきながら行ってきました。八坂神社は「祇園さん」と呼ばれ
祇園の人達に親しまれている神社。

 京都には、小さな出版社が幾つかあるけれどが、最近よく見かける気に
なる出版社を今回は紹介しましょう。
 編集グループSURE と言う小さな出版社を知っていますか?京都市
左京区にあり、コツコツとかなりこだわりのある本を出している。例えば
『酒はなめるように飲め/酒はいかに飲まれたか』北沢恒彦・山田稔 著
はミニ本の二冊一組になった本、文庫サイズの単行本1500円(税別)
は、ミニコミ好きの人なら一度は手にとりたくなる本だ。大型の本は少な
い。最近では「セミナー・シリーズ鶴見俊輔と組んで」(全5巻)各94
5円(税別)を出しているが、これはパッと見ただけだと、どこかの短歌
か詩の月報みたいな作りである。
 どちらも京都の三月書房で見つけて購入したが、直接出版社の方とお会
いしたことがないので、どうして「SURE」を創設したとかは知らない。
作っている本を手に取り読んで感じるだけだが、どうも気になる本を作っ
ている。どれも手作り感があふれていて、とても丁寧に細かく見直してい
るのを、ひとつひとつに感じる。多分、ドカッと売れる本ではないかも知
れないが、こんな本を作りたい。という気概があるような気がしている。

「SURE」の本は一般には流通しにくく、私の持っている本は一般書店
に流通するISBNコードのない物だが、一部の書店には置いてあるよう
だ。主に直販で、ホームページから近刊案内を知ることができ注文できる。
私は、ネット注文で本は殆ど買わないので、ミニコミ本や流通しにくい本
も、そんな置いてある書店に出かけて行って自分の目で見て手に取ってか
ら買う方。少人数でしていると、どうしても書店を訪問して直販のお願い
等するのも難しいことがあるが、私のような対面型の古風な客の為にも沢
山の書店で置いて欲しい出版社なのだ。

 編集グループ<SURE> 京都市左京区吉田泉殿町47
 http://www.groupsure.net/index.html

 前回21号のお詫びと訂正
「犬神家の家主さん」文中で、名前に間違いがありました。
監督、市川昆は市川崑 金田一耕介は金田一耕助でした。訂正してお詫び
申し上げます。
 日頃からぼんやり間違うことも多いこの頃です。「明日の記憶」も人事
ではないと思う。言い訳苦しくて、すみません。これから気を付けて参り
たいと思いますが、またやってしまった際はいつでもご指摘お願いします。

◎大島なえ(おおしま・なえ):1958年生。神戸在住のふらふら兼業
主婦もしている。三月書房で「別冊ほんの手帖ほんの日記」が去年夏から
伺う度に売れ続けて、ずっと納品している。なんだかウソみたい。
フリーペーパー「ほんの手帖」発行人。書店巡り愛好者。
 http://www.geocities.jp/nmzdrysk/nae/naeix.htm

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■声のはじまり / 忘れっぽい天使
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第13回 アクションとしての絵
    ―「中村宏 図画事件1953―2007」(東京都現代美術館)

 中村宏の名前を知らなくても、文学好きの人なら彼の作品は一度は見た
ことがあるのではないだろうか。大胆でキッチュで刺激的な彼の絵は、稲
垣足穂など数多くの文芸書のカバーを飾っている。ぼくは高校生の頃、
「現代詩手帖」の表紙の絵で中村宏の名前を知った。或いは「一つ目女子
高生」のイラストと言って、ピンとくる人もいるかもしれない。懐かしさ
もあって、東京都現代美術館で開催中の大規模な回顧展「中村宏 図画事
件1953―2007」に足を運んでみたのだが、展示された作品群は想
像以上にバラエティに富んでおり、とても新鮮な気分にさせられた。

 この展覧会は1932年生まれの中村宏の膨大な仕事を「図画」と「事
件」という二つのポイントを意識しながら紹介するものだ。手作業の喜び
を尊び、人を驚かせるのを好む、いわば「視覚の芸人」としての生き方が
見えてくる。

 最初期の作品群は「ルポルタージュ絵画」。当時、実際の事件や社会問
題を取材したドキュメント風絵画の運動があった。青年美術家連合に所属
していた中村宏も手を染めたが、彼の作品は到底社会主義リアリズムの枠
に収まるものではなかった。動きのある、ドギツイ構図は、サスペンスの
映画を思わせるような迫力がある。現代美術の技法やアイディアがふんだ
んに詰め込まれており、現実を写すというよりはむしろ快楽主義的な態度
で描かれた絵と言えるだろう。

 中村宏の作品は60年代に入り、次第に観念的な度合いを深めていく。
シュ−ルリアリズムをポップにしたような、華やかで人目を引く作品が次
々に制作される。そして1964年には、何と「観光芸術」という名で自
分の作風を言い表すようになる。「観光芸術」とは、観光に訪れた人たち
が見て内面化・観念化した当地の風景を、もう一度目に見えるように絵画
で描き表わしたもの、という意味であるようだ。つまり、基点となる視覚
イメージを、画家の内面に収斂させず、すぐさま別の視覚イメージに転位
してしまうわけだ。描かれたものの意味も、画家の「精神性」も無視して、
視覚が別の位相の視覚を自働的に開いていく絵画とでも言ったら適当だろ
うか。女子高生の修学旅行の様子を描いた作品では、列車は異空間を漂い、
女子高生たちは過剰にセクシュアルな、一ツ目の不気味な生き物と化して
いる。最早マンガやイラストとの区別がつきにくい。事実、この頃から、
ポスターや装画など、イラストレーターとしての仕事も多くなってくる。

 70年代に入ると、騒々しいスキャンダラスな作品と平行して、機械シ
ステムを精密なタッチで描く、静謐な作品も制作されるようになる。特に、
飛行機のコックピット等を描いた「車窓編」シリーズの迫力は圧巻と言う
しかない。中村宏はそれまでも、機械、特に列車などの乗り物に異常な興
味を示し、作品の中で主要な役割を演じさせていたが、遂に、機械そのも
のを主人公に据えたわけである。人間の体温や匂いを排した、マシンの冷
たい生命の在りように思わずゾクッとさせられる。ここでの反人間中心主
義は徹底しており、宙に浮かぶ女子高生といった幻想的なイメージも、人
間の意識の産物としてでなく、物理的な事象として冷たく処理される。8
0年代後半の「タブロオ機械 I」では、今度はそれまでの精密な描写を
かなぐり捨て、アクション・ペインティングに似た激しさで、機械を抽象
表現の対象にしている。

 90年代では興味深い変化が起こる。視覚イメージの華やかさを売りに
していた中村宏が、一転して、「見る人」と「見られるもの」の関係その
ものに目を向けるようになっていく。「限界標示」では、「立ち入り禁止」
を表すあの標識の黄色と黒の縞々模様が、通りがかる人にもたらす心理作
用に焦点を当ててられている。「鉄道ダイヤ」は、鉄道のダイヤグラムを
表すと思われる無数の直線を絵画のフレームの中に収めた作品。予定され
た到着時刻、不意の事故による狂いなど、時間に対する人間の観念が比喩
的に描かれている。無味乾燥であると同時にスタイリッシュでもあるとい
う離れ業が演じられている。「絵図連鎖」シリーズは、テーマも手法も互
いに関係のない複数の絵画を強引に合体した、巨大なオブジェ。絵画から
単一のメッセージを受け取ろうとする鑑賞者の無意識のもくろみを破るも
のである。鑑賞ということでは、意味の複数性そのものを鑑賞しなければ
ならない。これらの作品の前に立つと、作品を見ているというよりは、作
品からじろじろ見られているような、落ち着かない気分にさせられる。恐
らく、このもぞもぞした感じこそが、画家の意図したものなのであろう。

 中村宏は、長い画業を通じて、幾度も大胆に作風を変えている。しかし、
その底には、恐ろしい程頑固で一貫した意志が感じられる。それは、絵画
というものは、他人と関わっていこうとするアクションの一形態なのだ、
というものである。社会派の絵画から商業美術、最近のコンセプチュアル
・アートの影響を受けた作品まで、人々の思い込みを破壊して快い驚きを
与えようと意図する点で全く変わっていない。モノローグを洗練させてい
くための器ではなく、他人に衝撃を与えるためのアクションだから、彼の
描く「図画」の上では必ず「事件」が起こる。見終わって、美術の新しい
楽しみ方を教えてもらった気持ちになった企画展だった。

*「中村宏 図画事件1953―2007」(東京都現代美術館)
  会期:2007年1月20日(土)―4月1日(日)

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■ベストセラー、一歩手前/聞き手:aguni(あぐに)
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「ベストセラー、一歩手前」では、これからベストセラーになりそうだな、
あるいは、ベストセラーまではいかないけれど、頑張っています
という本をご紹介 していければ、と思っています。

メールにて、インタビューを受けていただける著者の方、募集中です。

 【著者インタビュー希望】と表題の上、
 下記のアドレスまでお願い致します。

 5日号編集同人「aguni」まで hon@aguni.com

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■あとがき
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 インタビューと短期連載がなくなり、今月はちょっと、短めの配信です。
 短めですが、短い2月には適当かな、と、適当なことを思っていたりし
 ます。

 知人が刊行を始めた新しいリトルマガジンを受け取りました。宣伝もか
 ねて、原稿を書いてくれたりしないですかね?(笑。

 今週はまた別の方に執筆を依頼しようと思っています。乞うご期待!

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■広告募集のお知らせ:当メルマガは現在6569名の読者の皆さんに配信して
おり、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
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■ 電子メールマガジン「[本]のメルマガ 」(毎月5・15・25日発行)
■ 発行:[本]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を小会の許可無く転載することはご遠慮ください。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
■ ご意見・ご質問は5日号編集同人「aguni」まで hon@aguni.com
■ トピックスの情報提供もよろしくお願いします。
  なお、当メルマガは配信日によって、情報の提供先が変わります。
  ・5日号:aguni hon@aguni.com
  ・15日号:掩耳 enji1128@yahoo.co.jp
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  ただし、掲載の可否については編集同人が判断します。
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