[本]のメルマガ

配信済のメルマガのバックナンバーを見ることができます。また、記事に対するコメントもお待ちしております。
<< [本]のメルマガvol.270 | main | [本]のメルマガ vol.272 >>
[本]のメルマガvol.271
■□------------------------------------------------------------------
□■[本]のメルマガ【vol.271】2006年12月25日発行 http://honmaga.net/
■□------------------------------------------------------------------
□■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6672名です。
■□ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
□■------------------------------------------------------------------

★ トピックス
→注目の業界情報。色々と特化された売場が生まれております。

★特別寄稿「編集者のまえに、親として」/ 藤崎寛之
→担当編集者が語る、「自分の担当した本を自分の子育てに使ってみたら」。

★「ぼくたちが本と出会うときのこと」/ 内沼晋太郎
→今年一年の連載で書いてきたことの「その後」を一挙紹介。

★「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
→出版営業20代後半女子、師走のとある一日の出来事を告白します。

----------------------------------------------------------------------
■トピックス
----------------------------------------------------------------------
■ジュンク堂書店池袋本店7Fに「赤瀬川原平書店」が開店

06年12月16日(土)、東京都豊島区のジュンク堂書店池袋本店の7階特設会場
に、赤瀬川原平書店がオープン。「本は読むより見るのが好き」という赤瀬川
氏が、「路上観察」「野蛮ギャルド」「おいしい日本美術」「科学の原始」な
どのテーマのもとに選書した本を販売している。オープン当日に行われた、筑
摩書房の編集者松田哲夫氏とのトークセッションは盛況で、来年1月20日(土)
に行われる大平健(精神科医)との公開対談「ことばときもち」もすでに予約
でいっぱいだという。会場の様子は以下のURLで見ることができる。

http://www.junkudo.co.jp/akasegawa.html


■アマゾン・ジャパン、「OTAKU」ストアをオープン

オンライン書店大手のアマゾン・ジャパンが06年12月18日(月)、「OTAKUス
トア」をオープンした。「アニメDVD、フィギュア、コミック、アニメミュー
ジック、美少女ゲームなどの人気商品」、総計3万点以上を集めている。なお
現在、期間限定で「Best of 2006 ストア」もオープン。アマゾンで扱う全商
品のうち今年もっとも売れたアイテムを網羅的にチェックできる。ちなみに和
書の総合ランキングでの上位ベスト3は、第1位『ハリー・ポッターと謎のプリ
ンス』(ローリング著、静山社)、第2位『国家の品格』(藤原正彦著、新潮
新書)、第3位『鏡の法則』(野口嘉則著、総合法令出版)。

OTAKU http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/browse/-/289855011/
Best http://www.amazon.co.jp/gp/browse.html?node=289753011

----------------------------------------------------------------------
★PR★平 凡 社 の 新 刊★ http://www.heibonsha.co.jp

『ヨーロッパ、アメリカ、戦争――ヨーロッパの媒介について』

エティエンヌ・バリバール:著 大中一彌:訳
定価2,940円 46判336頁 ISBN4-582-70260-0

EUをはじめとする対抗勢力は、アメリカにどう介入できるか。この問いを世界
秩序の問題として、アメリカ知識人との対話を通じて検証する著者の新境地。
日本版ロングインタビュー収録。
--------------------------

『ハイデッガー カッセル講演』(平凡社ライブラリー)

マルティン・ハイデッガー:著 後藤嘉也:訳
定価1,470円 HL判320頁 ISBN4-582-76596-3

平易な語り口の「カッセル講演」は自身によるハイデッガー入門であり、簡約
版『存在と時間』と言える。20世紀哲学の動向を俯瞰するときに貴重な手がか
りとなる一冊。解説=木田元
--------------------------

『良寛詩集』(東洋文庫 757)

良寛:著 入矢義高:訳注
定価3,150円 全書判424頁 ISBN4-582-80757-7

「私の詩は〈詩〉ではない」と自ら言う良寛。遊戯三昧の境涯を詠じた漢詩231
首を収録。平明かつ破格な詩句にひたすら耳を傾けた現代語訳。詩を通じてそ
の人間像を浮き彫りにする。

※東洋文庫次回配本は07年1月刊→『和歌職原鈔』
----------------------------------------------------------------------
■特別寄稿「編集者のまえに、親として」/ 藤崎寛之(聞き手=五月)
----------------------------------------------------------------------
――岩井俊雄さんというと先進的なメディアアーティストという印象が強かっ
たのですが、近年はすっかり「パパ」としての活躍が際立っていますよね。普
通の家庭の親は自分たちの子どもに、たいてい玩具店で買ったおもちゃをあて
がってやるだけで、はさみやのりを使ったりすることなんて現実的にはほとん
どない。

岩井さんのパパ本の第一歩『いわいさんちへようこそ!』を読むと、娘さんと
の遊びには必ず工作でオリジナルのものを作ってる。案外簡単に出来るものば
かりなんだけれど、娘さんがとっても嬉しそうなんですよね。僕も一人の親と
して色々教えられました。

で、今度は絵本を作ったんですね。『いわいさんちのどっちが?絵本』。これ、
僕も早速活用しているんですが、子どもの反応がとても面白いです。これらの
本を担当された藤崎さんと言えば、『モラル・ハラスメント』ですとかコント
=スポンヴィルの一連の著書だとか、いわば人文書畑の編集者なわけですけれ
ども、最近では岩井さん同様、「パパ」振りを発揮されていますね。

藤崎:僕には4歳と1歳の娘がいますが、日々彼女たちと接するなかで、ひど
く後悔する瞬間があります。それは、子どもの「先回り」をしてしまったとき
なんです。子どもが言葉を紡ぎ出そうと懸命になっているのに、その当の言葉
をつい補ってあげてしまう。何かをやろうとしていてその子にはその子なり順
序があるのに、つい手伝ってあげてしまう、挙句の果てに「早くしなさい」と
待てなくなる。そんなときです。

――恥ずかしながら、我が家もそうです。僕も反省することがたびたびです。

藤崎:まずいよなあ、と思いますよね。でも、同じようなことはどの家庭でも
起こっているのではないかとも感じる。親が待てなくなっているのではないか
と。今回出しました、岩井俊雄さんの遊べる絵本『いわいさんちのどっちが?
絵本』(3冊セット)は、こういう場面に間違いなく効きます。はい、そんな
理屈はすべて後知恵なんですが。

――いやいや、本当にそうですよ。僕もすでに我が家で実証済みです。藤崎さ
んのお宅ではこの絵本を、どんなふうに使っていますか?

藤崎:『どっちがへん?』を例にとってみます。左右のページに似ている絵が
描いてあるのですが、片方はどこかがへん。「どっちがへん♪ どっちがへん♪ 
どっちがどっちがへん♪」と歌いながら、ピッとふたつの絵を子どもに見せま
す。子どもは「こっち! こっち!」と指差します。そこで、「どうして?」
と聞いてあげる。すると「あのねえ、ここがねえ……」と一生懸命理由を話し
てくれます。

そういう絵本なのですが、まだこれが本になる前、このいわいさんちオリジナ
ルの遊びを、わが家で試していたときに、いくつか気づいたことがありました。

まず、単純ですが、とにかく子どもが喜ぶこと。親が何か楽しいことを自分に
やってくれようとしている、そういう空気自体が子どもは大好きなんですね。
うちの下の娘はまだ言葉がわからない頃でしたが、僕が「どっちがへん♪」と
歌いだすと、嬉々として身体をゆすり、次を早くやれと催促してきたものです。

次に、親が子どもの話をじっくり聞いてあげられることです。ここで冒頭の話
につながるのですが、僕は正直驚きました。「これまで、こんなにこの子の話
を、一言ひとことゆっくり聞いてあげられたことがあっただろうか」と。

3冊のうち『どっちがピンチ?』は、ふたつの絵の「これからどうなる?」を
想像させるものですが、これがもっとも「じっくり聞く」モードを引き出しま
す。絵には描かれていないことを子どもに話してもらうからなんですね。親子
のあいだに流れる時間の濃度が劇的に変化するのがわかりました。こんな言い
方はへんですが、いつのまにか、子どもの話を聞いてあげるのが面倒くさくな
くなりました。

第三に、答えはある意味どうでもいい、ということです。いわゆる「間違いさ
がし」の絵本と違い、答えはどこにも書いてありません。そこは親に委ねられ
ているのですね。子どもがへんでない方の絵を指差したとき、親はどういう態
度をとるのか。「違うじゃないか!」と即座に訂正するのか、子どもの言い分
を理解してあげるのか――自然と度量が試されてしまいます。

――そう! そこなんです。親にとっても大きな発見になりました。

藤崎:そして最後に、親のほうにもちょっとした満足感がやってくることです。
子どものテンポに合わせて(照れをすてて)歌をうたうと、子どもがノッてく
る、そして子どもの話に耳を傾けている自分がいる。一日のうち少しでもこう
いう時間がもてれば、精神衛生上も非常によいのではないかと。……少々押し
つけがましかい話でしょうか。

――いや、大事です。基本ですよ。

藤崎:でも、自分の子どもで試してこのようなことが起こって、僕は、この遊
びには普遍的な何かが宿っている、と確信したんです。自分自身が親としての
姿勢をちょっと改めることができたからです。だから、商品にしてはずかしく
ない、不特定多数の親子に遊んでもらいたい、と自信をもって言えます。僕は、
「本業」としては人文書の編集者でありたいと願っている者で、ふだんはその
カテゴリに入る本を出していますが、この絵本を手がけたことで、社内的に
「『どっちがへん?』の藤崎だ」と呼ばれることがあります。でも、まったく
苦になりませんね。

――自分の生活の幅を仕事にも活かすというのは簡単そうでなかなかできない
ことだと思います。僕の場合、自分のパパ振りは仕事に反映されていないなあ。
そういう藤崎さんの才覚にジェラシーを感じますね(笑)。

藤崎:嬉しいのは、紀伊國屋書店の店頭のみんなも個人的な意志でサポートし
てくれる人が多いですし、自社他社関係なくたくさんの書店で「おはなし会」
に使ってくれていることです。幼稚園で使ってくださっているところもありま
す(そうした利用のときには、参加してくれた子どもたちの手土産用に特製缶
バッジをご提供できますので、紀伊國屋書店出版部・電話03-5469-5919までご
連絡ください)。このような場での出会いも、この本がなければ味わえません
でした。

それから、「お出かけのときには必ずバッグに入れていきます」という反響も
多いです。確かに、外出先で子どもが飽きてしまうと、困りますよね。そんな
ときこの本もっていると、泣かれたりわめかれたりしなくて済むかもしれませ
ん。実際『どっちがへん?』はもともと、デパートで娘さんのロカちゃんが飽
きてきてしまったという状況下で、岩井さんが編み出した遊びなのです。

そのいわいさんちでは、まだまだ続々と新しい遊びが生まれており、岩井さん
のブログで紹介されています。こちらもよろしければ、のぞいてみてください。
http://iwaisanchi.exblog.jp/

――今日はありがとうございました。


藤崎寛之(ふじさき・ひろゆき):1973年生まれ。紀伊國屋書店出版部編集課。
--------------------------
『いわいさんちのどっちが?絵本〔3冊セット〕』

岩井俊雄:著 定価1,575円 B6変型判各48頁 ISBN4-314-01020-7

メディアアーティスト岩井俊雄、初めての遊べる絵本。親子で一緒になってお
もちゃを手作りしたり新しい遊びを考え出す――そんなライフスタイルを綴っ
た『いわいさんちようこそ!』で紹介されている、手軽に出来る遊びを絵本化。
『どっちがへん?』『どっちがどっち?』『どっちがピンチ?』の3巻本セッ
ト。詳細情報は以下のURLでご覧ください。

http://www.kinokuniya.co.jp/02f/d05/dottigabox.htm
----------------------------------------------------------------------
★PR★紀伊國屋書店の新刊★ http://www.kinokuniya.co.jp/

『サイード自身が語るサイード』

エドワード・W・サイード+タリク・アリ:著 大橋洋一:訳
定価1,575円 46判上製192頁 ISBN 4-314-01013-4

生い立ち、アメリカ移住までの敬意、影響を受けた音楽・文学、『オリエンタ
リズム』への思い、政治活動の舞台裏、白血病のこと、知識人の使命……。不
屈の知識人が自らの軌跡をたどる長編インタビュー。活字を通して肉声に触れ
るサイード入門。長年の良き理解者タリク・アリによる序文(追悼文)のほか、
年譜、著作リストを付す。
----------------------------------------------------------------------
★PR★作 品 社 の 新刊★ http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/

『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』

エミール・ハビービー:著 山本薫:訳  
定価2,520円 46判上製240頁 ISBN4-86182-108-8

「パレスチナ文学の最高傑作」(エドワード・サイード)。祖国にあって祖国
を喪失し、敵国の市民として生きる……。総人口の二割に及ぶイスラエル在住
パレスチナ人たちの不条理な現実。サイード(幸せな男)という名のありふれ
たパレスチナ人男性を主人公にイスラエル建国から70年代の中東戦争頃までの
パレスチナの現実をシニカルに描く、エドワード・サイード絶賛のパレスチナ
文学の代表作。
----------------------------------------------------------------------
■「ぼくたちが本と出会うときのこと」/ 内沼晋太郎
----------------------------------------------------------------------
第21回:この一年、本と出会ってきたときのこと

 なぜ年末になると、みんなこんなに忙しいのだろうか。少なくとも「師走っ
ていうけどさ、むしろここんとこ暇なんだよね」みたいな人は、ぼくの周りに
は一人もいない。「師走る【シワスル】」という妙な動詞を生み出し「いやも
うマジで師走ってます!ごめんなさい!」とか謝っている人のほうが多い。

 いや、謝っているかどうかはどうでもいいのだけれど、とにかくなぜ年末に
なると忙しいのかというと理由は簡単で、一年、という区切りを日本中がそれ
なりに重んじているからだ。年末年始に休む分働かなければいけない、という
のはもちろんだが、さらにその仕事量を増しているのは「今年中にはやってし
まいたい」とか「来年からはこうしたい」とかいった気持ちで、それを生んで
しまう「節目」感であると思う。

 というわけでぼくも、今年ここでどんなことを書かせていただいてきたのか、
ちょっと振り返ってみた(バックナンバーはブログ(※1)にまとめてありま
すので、よろしければご参照ください)。

第12回:本でモテる(1月)
第13回:「本2.0」と言い切ってみて思いついた(2月)
第14回:現代美術で本を考える(3月)
第15回:本と音楽が出会うときのこと(4月)
第16回:本の置き場(5月)
第17回:読みとばし、読みためて、ながめる(8月)
第18回:幸せな読書のためのホテル(9月)
第19回:あるテーマを特集した古雑誌を集めてみる(10月)
第20回:本は一冊もないけれど「場」が存在する本屋(11月)

 まず6月、7月と連続でお休みしてしまったことが目立つがそれはさておき
(ごめんなさい)、反響が比較的大きかったのは、第13回の「本2.0」と、第
18回の「ホテル」だ。

 前者で提案した「ソーシャル・クオーテーション」については、残念ながら
電子書籍サイドから「そういうサービスをやってみたい」という話は耳に入っ
てきていないけれども、「ぜひ使ってみたい」という意見やメールはたくさん
いただき、話題に出した「はてなブックマーク」でも実際にブログのエントリ
が何件かブックマークされた(読み返してみると多少説明過多で、この10ヶ月
の間にソーシャル・ブックマークがいかに一般的になったかということも感じ
られる)。後者に関しても何通かメールをいただき、その中には、実際にホテ
ルにライブラリを提案していくパッケージを開発中の企業からのものもあり、
ビジネスパートナーとして組みたいという話にも発展した。

 その他にもほとんどの記事、それぞれに後日談がある。第14回で知り合った
施井泰平くんと飯田竜太くんと3人で10月に一緒に展覧会をやることになり、
その後「森」というアーティストユニットを組むことになった。第15回で連載
を開始すると宣言した雑誌の企画は2号目から編集方針を変更し、残念ながら
結局そのまま2号で廃刊になってしまった。

 第16回で入居していると紹介したシェアオフィスからも引越してしまったが、
第19回で紹介した空間プロデュースの仕事はそのシェア仲間だったKくんの
コーディネイトでいただいたもので、今も最も信頼できる仲間の一人だ。第20
回で紹介した美術展も好評のうちに終了し、同企画はまた恵比寿のカフェにて
展開させたいと考えている。

 さらに文章にはしなかった仕事や活動も含めて振り返ってみると、一年間と
いうのはなんて長いんだろうと思う。宣伝めいてしまうのでそれをここに書き
連ねることはしないけれど、今までやってきた、そしてこれからも続けていく
本にまつわる活動に、10月あたりから「numabooks」(※2)というレーベル
名をつけることにした。

 最初は「本棚についてお客さんに尋ねられたときに紹介する道具がないので、
ブランドのカードのようなものをつくって欲しい」とアパレルの店頭のスタッ
フから言われたのがきっかけで、それならば個人名ではなく、全ての仕事をま
とめるひとつのレーベルのような名前をつけるべきだと思い、そうすることに
した。

 「numabooks」ではアパレルやカフェのコーディネイトの他、前述のホテル
のライブラリプロデュース、リトルプレスのディストリビュート、映画や写真
などの背景小道具のスタイリング、限定小部数の出版、アーティストユニット
「森」としての作品製作など、既にいくつかのプロジェクトが、来年に向けて
動き出している。

 一方の「book pick orchestra」(※3)は横浜・馬車道の北仲WHITEでのプ
ロジェクトを終え、同じく馬車道のBankART1929内と、さらに東京・麹町にて、
それぞれ新しいショップをオープンする予定だ。どうやら幸いまだネタは尽き
なそうだ、と、確認したところで、今年も終了。それでは、よいお年を。

※1:ぼくたちが本と出会うときのこと
http://uchnm.exblog.jp

※2:numabooks
http://www.numabooks.com

※3:book pick orchestra
http://www.bookpickorchestra.com


◎内沼晋太郎(うちぬま・しんたろう):1980年生。「numabooks」代表、
「ブックピックオーケストラ」発起人。http://needtosleep.net
----------------------------------------------------------------------
■「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
----------------------------------------------------------------------
どこに行っても流れまくるクリスマスソングに相当辟易しています。このメル
マガが皆さんの目に触れる頃には私はどうなっているのでしょう。こんにちわ、
佐藤です。年末進行&忘年会ラッシュでもう毎日よくわかりません。

出版営業の「日常」に興味をもっていらっしゃる、業界志望の学生の皆さんに
参考になればと思い、今回は、師走のわたしのある一日を紹介したいと思いま
す。地味な営業マンの地味な一日なんてこんなもんです……。

7:55 目覚まし時計&携帯のアラームの大合唱。とりあえず目は覚ます。テレ
ビのスイッチを入れる。占いチェック。ラッキーだとやったぁとまた眠りたく
なり、アンラッキーだとふてくされてまた寝たくなる。

8:00 のろのろ起きる。朝食は殆ど毎朝欠かしません。といっても、トースト
とコーヒーだけですが。PCを立ち上げ、メールとニュースをチェックしながら
朝食。

8:45 家を出る。音楽を聴きながら徒歩で駅まで。この日は書店直行→14時か
ら会社で会議の予定。

9:00 最寄駅着。移動。電車の中では本を読むか寝る。若しくはボーっとする。

10:00 書店着。会社に電話連絡。営業開始。棚をざっと確認した後、担当者
さんにお会いする。新刊のご案内。既刊補充注文。年末年始の在庫の確認、
ポップ添付など。棚整理、ストック出し。少し雑談など。

10:40 書店を出る。寒さに耐えられず向かいにあったドトールへ避難。こう
してちょくちょく喫茶店に寄ってしまうクセを直したいが……。

11:00 移動。電車のあったかさとゆれが睡魔を呼び起こす……。

11:30 書店着。文庫担当お休みのため、欠本して注文書お預け。文芸書の担
当者さんがもうすぐ来るということで待つ。営業は待ちも意外と多いのです。
さらっと担当者さんに丁度良く会えることのほうが稀。

12:30 書店を出る。

13:30 会社着。お弁当を食べながら、自分宛のファクス、メールのチェック。
この時間に見本やゲラを読んだりもします。

14:00 部内打ち合わせ。風邪をひかないように、とか色々な連絡。

15:00 会議。新刊について。装丁、オビのアオリ文、パブの話。いろいろ。
売上。消化率云々(ここら辺の話は聞きたくなーい)。数字的に厳しいと分
かっていても内容重視で「これを重版(or再版)して欲しい」といつも言っ
てしまう。

16:30 終了。注文書作成、資料作り、電話、ファクス、事務作業。給湯室の
シンクが汚かったので、突発的に磨く。

18:00 取引先との忘年会。高級そうな寿司屋。緊張する。ソフトドリンクが
ない……。下戸にはきつい。お願いしてウーロン茶を出してもらう。刺身。
鍋。おいしい。

21:00 終了。美味しかったけど、炭水化物が一切出なかったのでおなか空い
た。

22:30 帰宅。ドラマ見る。今期は「14歳の母」と「僕の歩く道」を欠かさず
見てます。それ以外もちらほら。その流れでニュースも見る。その後ネットを
すこしチェック。

00:00 風呂に入る。追い炊きが出来ないから水道代が気になるけれど、やは
り浴槽にお湯溜めて入りたい。日本人だもの。

1:00 就寝。でもマニュキュアを塗ったり、眉の形を整えたりしてぐだぐだし
てしまう。枕元の漫画本をパラパラやっているうちに寝ている。

いかがでしたでしょうか……わりとメリハリのある一日を選んだつもりです。
直行直帰で一日中書店周りとか、一日中会議なんて日もあります。特になにも
なければ、早く退社して自宅で事務作業したり、書店に寄って帰ったりします。
そんな毎日です。

来年も皆様どうぞよろしくお願い致します。

◎佐藤都(さとう・みやこ):1980年生まれ。某出版社営業部勤務。
----------------------------------------------------------------------
★PR★ちくまプリマー新書の新刊★ http://www.chikumashobo.co.jp/

『問題がモンダイなのだ』

山本貴光+吉川浩満:著 定価714円 新書判128頁 ISBN:4-480-68752-1

「わからない」が「わかる」。恋の悩みから宇宙摂理の大問題まで、人生に問
題の種は尽きない。一つ一つ考えていたらキリがない。そこで本書は「問題」
自体の構造を解明、万能の解法を伝授する。
----------------------------------------------------------------------
★PR★白 水 社 の 新 刊★ http://www.hakusuisha.co.jp/

『運命論者ジャックとその主人』

ドニ・ディドロ:著 王寺賢太、田口卓臣:共訳
定価3,570円 四六判350頁 ISBN4-560-02758-7 【好評発売中】

ミラン・クンデラやロベール・ブレッソンを魅了した18世紀小説の白眉が、遂
に新訳でよみがえる!破天荒なストーリー展開、脱線につぐ脱線、21世紀の読
者をもメタフィクションの快感にひきこむ。翻弄されてみて!

クンデラいわく、「この作品を無視すれば、小説の歴史は理解不可能にして不
完全なものになる」。
--------------------------

『デリダ――きたるべき痕跡の記憶』【「哲学の現代を読む」シリーズ第3弾】

廣瀬浩司:著 定価2,520円 四六判上製225頁 ISBN4-560-02453-7

「切迫」と「遅延」の間でおののく思想家の相貌、始まりも終わりもない出来
事の思考、「歴史と歴史性の差異」の問題へと切り込む、入魂の一冊!

目次:はじめに/『グラマトロジーについて』/「コギトと狂気の歴史」/
『散種』/『絵画における真理』/デリダの時代/「予断=あらかじめ裁かれ
ていること」/『歓待について』/『死を与える』/『コーラ』/あとがき

※シリーズ続刊予定:バルト=渡辺諒/スピノザ=萱野稔人/ランシエール=
市田良彦/ナンシー=澤田直/ブランショ=守中高明/メルロ-ポンティ=
加賀井秀一/フーコー=栗原仁
----------------------------------------------------------------------
★PR★青 土 社 の 新 刊★ http://www.seidosha.co.jp/

『ジャック・デリダ』【現代思想ガイドブック・シリーズ全12冊完結】

ニコラス・ロイル:著 田崎英明:訳 
46判上製フランス装372頁 定価2,520円 ISBN4-7917-6226-6

現代批評理論の震源デリダ。脱構築、差延、代補、自由、秘密、ドラッグ、贈
与、来るべき民主主義……。言語の厳密な経験から生まれたデリダの独創的な
思考を読み通すために、愉快で挑発的な文体で書かれた、傑出した入門書。未
来へと開かれた思考の怪物性に迫る。読書案内、年表など資料も充実。
--------------------------

『信頼』

アルフォンソ・リンギス:著 岩本正恵:訳 
46判上製272頁 定価2,520円 ISBN4-7917-6233-9

信頼、それは未知なるものに跳び込むことだ。信頼と勇気、無垢な情熱、笑い、
情欲、歓喜、憎悪と恐怖、幻視、宗教的衝動など、言語や理性を超えて、旅人
の心に湧きあがりあふれ出す、エモーショナルな力を鮮やかに洞察する20篇の
物語。
--------------------------

『現代思想』07年1月号(特集=特集=岸信介 戦後国家主義の原点)
ISBN4-7917-1158-0 定価1300円(税込) 12月27日発売

【インタヴュー】
岸信介とは誰か…小林英夫+成田龍一(聞き手)
 なぜ岸なのか――その出発から/「国家改造」の思想/計画経済の原点/産
 業合理化/岸信介と満州/満州経営と人脈/革新官僚としての岸信介/戦時
 体制の合理性と非合理性――岸と東條英機/巣鴨プリズン時代/吉田茂との
 対決/安保改定

【岸から安倍へ】
岸信介を蘇生させる時代精神の危うさ…纐纈厚
戦後保守政治の中の安倍政権――「軍事大国」派の系譜…渡辺治

【美しい国】
ネーションとステートの亡霊的な関係…新倉貴仁

【計画経済】
「連続」と「断絶」の対合――帝国の経済官僚・岸信介…長原豊
経済史から見た岸信介…岡崎哲二

【統治】
岸信介と日本の福祉体制…雨宮昭一
冷戦中と冷戦後の間…萱野稔人

【アジアと岸】
岸信介とインドネシア賠償…倉沢愛子
書かれざる「二〇〇五年の微笑」によせて――吉屋潤試論…宋安鍾

【六〇年安保】
六〇年安保をめぐるメディアの政治学――岸信介と暴力と新聞ジャーナリズム
 …毛利嘉孝
革新国民運動と知識人――「革新ナショナリズム」についてのノート
 …道場親信

【次号予告】
07年2月号『北朝鮮とわれわれ』
07年2月増刊号『ゲーデル』
----------------------------------------------------------------------
★PR★新 泉 社 の 新 刊★ http://www.shinsensha.com/

『ブルデューとルーマン――理論比較の試み』

アルミン・ナセヒ+ゲルト・ノルマン:編 森川剛光:訳
A5判上製277+30頁 定価3,675円 ISBN4-7877-0613-6

皮相な対抗から、共通性の深部へ。こう異論vsシステム論、階級分化vs機能分
化、行動する知識人vs醒めた皮肉屋といった皮相な二分法を廃し、両者の遺産
の比較から社会学理論の新たなパースペクティブを展望する。
----------------------------------------------------------------------
★PR★gum building の 新 刊★ http://www.gumbuilding.com/

『酔っぱらったピアノ弾きのようなやりかたでシャッターを押せ』

横山隆平:写真 限定350部 タテ308mm×ヨコ220mm×ツカ10mm 
定価5,250円 ISBN4-9903251-0-9

都市風景、状況、あるいは無名映像がここに在る。写真集『TOKYO, UNTITLED.』
刊行より3年、展示「路上、その他の映像について」「映像より遠く離れて」、
そしてphotography magazine 81lab.を経て、03年から06年にかけての夥しい
量のショットから収斂される都市の写真群。
----------------------------------------------------------------------
■広告募集のお知らせ:当メルマガは現在6672名の読者の皆さんに配信してお
り、広告は随時募集中です。詳細はメールにて編集同人までお尋ね下さい。
======================================================================
■ 電子メールマガジン「[本]のメルマガ 」(毎月5・15・25日発行)
■ 発行:[本]のメルマガ発行委員会
■ 掲載された内容を小会の許可無く転載することはご遠慮ください。
■ COPYRIGHTはそれぞれの記事の記者が有します。
■ ご意見・ご質問は25日号編集同人「五月」まで biblia_hp@infoseek.jp
■ HPアドレス http://back.honmaga.net/
■ このメルマガは『まぐまぐ』を通じて発行しています。
■ メールマガジンIDナンバー:0000013315
■ 購読・解除・変更手続きは http://www.mag2.com/ より行えます。
======================================================================
| バックナンバー | 11:02 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://back.honmaga.net/trackback/562652
トラックバック
SEARCH
[本]のメルマガ
哲学・思想・社会などの人文書や、小説や詩など芸術の最前線、書籍の出版流通、電子出版などの「本」の現在を気鋭の出版社員、書店員が伝える、まさに[本]のメルマガです。
発行周期発行周期:月3回
バックナンバーバックナンバー:すべて公開
マガジンIDマガジンID:0000013315

メールアドレス:

メールアドレス:
Powered by まぐまぐ
※読者登録は無料です

コーチ募集(コーチングバンク) 無料 コーチング カーディーラー経営品質向上 CSR コンプライアンス 経営倫理 実践研究 BERC フリーラーニング
LATEST ENTRY
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
ARCHIVES
LINKS