[本]のメルマガ

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[本]のメルマガ vol.250
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□■ [本]のメルマガ   2006.05.25.発行
■□       vol.250
□■                      http://honmaga.net/    
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□■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6720名です。
■□ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました。
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★トピックス
→注目の業界情報。他人の本棚とか書斎って覗きたくなるよね。

★「ぼくたちが本と出会うときのこと」/ 内沼晋太郎
→本を本棚から解放し、生活の隅々に溶け込ませる、という発想。

★「5年遅れの営業日誌」/ 工藤秀之
→トランスビュー方式、という言葉を生んだ辣腕営業マンによる新連載!

★「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
→特別寄稿第二回目。同業者との飲み会の席で語られることのあれこれ。
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■武 学 探 究  巻之二――体認する自然とは■     2006/5/20刊行
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●甲野善紀/光岡英稔共著 224頁/ISBN4-925220-18-7/定価1995円(税込)
□発行:冬弓舎   http://thought.ne.jp/html/adv/bugaku2/index.html
●確認から体認へ、さらに進化する術理と身体哲学────────────
 本書は、私が今まで出したどの本よりも武術そのものについても、また武術
 をとおして人間のありようを考えるという意味においても、深い内容を持っ
 ていると思う(甲野善紀) 身体の構造主義への誘い。好評シリーズ第二弾
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◆緊 急 告 知◆[本]のメルマガ臨時増刊号「IN/VOL/VEあるいはVOLへの招
待――思想誌VOL創刊記念特集号」近日配信! 松本潤一郎、酒井隆史ほか。

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■トピックス
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■地方への大型出店競争はいつ終焉し、町の小書店はいつ復活するのか

ターミナル駅周辺には続々と大型書店が出店する一方で、「町の小さな本屋さ
ん」が続々と閉店し続け、書店密度の地域格差がますます広がりつつある昨今。
チェーン店の大型出店はそろそろ打ち止めではと業界内では囁かれつつも、今
なお競争は止まない。

ジュンク堂書店は盛岡(岩手)市街に今秋オープンする「MOSS」ビル(旧ダイ
エー盛岡店)に2フロア730坪で出店。老舗のさわや書店や東山堂の牙城に殴り
込みをかける。紀伊國屋書店は前橋(群馬県)市街に来春完成するショッピン
グモール「けやき前橋ウォーク」内に、ワンフロア1000坪で出店。前橋は老舗
の煥乎堂をはじめ、戸田書店前橋本店や文真堂書店ブックマンズアカデミー前
橋店などの大型店があり、オーバーストア気味。

大型チェーンの「進出&撤退」が繰り返される書店業界だが、地元客本位とは
とうてい言えない。こうした傾向は収益本位の出版社が新刊を大量に刊行し続
けていることと無縁ではないだろう。アルメディアの調査によれば、日本の書
店数は現在17,582店。そのほとんどが「町の小さな本屋さん」だ。取次大手が
小規模書店支援プロジェクトに乗り出しつつある現在、「町の小さな本屋さん」
の活性化と個性を望む地元客は少なくないだろう。


■北尾トロ×斉木博司トークセッション「新世紀書店」――イギリスの古本の
町・ヘイオンワイとこれからの本屋

日時:2006年6月1日(木)19時より
場所:ジュンク堂書店池袋店4F喫茶コーナーにて
入場料:1000円(ドリンク付)
定員:40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
お問い合わせ:電話03-5956-6111(池袋本店)

北尾トロ:1958年生まれ。オンライン古書店「杉並北尾堂」店主。
斉木博司:1960年生まれ。西荻窪のカフェ併設古本屋「ハートランド」店主。

内容:理想の本屋ってどんな本屋なんだろう、そんな雑談から2週間限りの実
験店舗「新世紀書店」は生まれた。そしてさらに「本の町を日本に」という夢
を携えて、ヨーロッパの古本の町を訪ねる旅に出る。「本と本屋をめぐる話」
なら夜を徹してでも、と自負するお二人が、「本屋の新しい可能性への試み」
を体験をふまえて熱演します。

好評発売中:『新世紀書店』北尾トロ+高野麻結子編著
スタジオポット 税込2,100円 06年04月刊 ISBN4-939015-86-6


■内澤旬子×紀田順一郎トークセッション「書斎を見る愉しみ」

日時:2006年6月17日(土)19時より
場所:ジュンク堂書店池袋店4F喫茶コーナーにて
入場料:1000円(ドリンク付)
定員:40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
お問い合わせ:電話03-5956-6111(池袋本店)

内容:作家や研究者にとって、書斎はいわば「知的生産の最前線」です。書斎
の設計や本の並べ方には、持ち主の性格や仕事の方向性が反映されます。31の
書斎のイラストルポをまとめた内澤旬子さんが、長年にわたって書斎のありか
たや情報活用術を論じてきた紀田順一郎さんと、書斎の魅力や書斎を見る愉し
みを語り合います。また、増えていく蔵書への対処法、蒐書に関する奇談など、
二人の「本との付き合いかた」についてもたっぷりとお話しします。

http://www.junkudo.co.jp/
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★PR★平 凡 社 の 新 刊★ http://www.heibonsha.co.jp

『チェコ・アヴァンギャルド――ブックデザインにみる文芸運動小史』
西野嘉章著 税込3,570円 A5判296頁 ISBN4-582-83332-2

1920年代、欧州の「へそ」プラハに生じたダイナミックな前衛芸術の交流を俯
瞰し、「日常生活のアート化」という試みに、今に至るチェコ・カルチャーの
魅力の源流を探る。貴重な書籍群を写真で紹介するカラー96頁が圧巻!

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『催馬楽』(東洋文庫750)
木村紀子=訳注、税込2,940円、全書判290頁、ISBN4-582-80750-X

平安貴族が400年にわたって愛唱した古謡。当時すでに見失われ、以来定説の
ないままの歌意を、史実と対照した綿密な考証によって甦らせ、奈良の今様の
響きを伝える、画期的な口語訳。

東洋文庫次回配本は6月刊→『択里誌』

※好評発売中『東洋文庫ガイドブック2』(津島佑子・横井清ほか=著、税込
1,575 円、全書判400頁、ISBN4-582-83714-X)若くして出会った運命の一冊、
旅の道連れ、ひまつぶし、座右の書に小説の種本、その他東洋文庫との付き合
いのさまざまを、訳者・校注者を含む四十余人が語る。この叢書への道案内。
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■「ぼくたちが本と出会うときのこと」/内沼晋太郎
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第十六回:本の置き場

 ぼくは千代田区三番町にあるシェアオフィス(※1)に入居して日々の仕事
をしているのだけれど、今日仕事場に来てみると、シェア仲間のKくんが大き
なキャリーケースを持ち込んで、本棚の本を入れ替えていた。ぼくたちは4月
の頭に入居してきたばかりなので、まだそこに本を入れてから2ヶ月も経って
いない。

 なぜ今そんな大幅な入れ替えをしているのかと聞いてみると、彼の本には仕
事場用と部屋用があり、それぞれに1軍と2軍に分かれている(つまり全部で
大きく4つの区分がある)のだという。当然その中の本はさらに内容別に分け
られているのだけれど、昨日家の本棚を見ていたら、ここに入居してから仕事
のスタンスが変化してきており、その中に大幅な移動(異動?)が必要なこと
に気がついたのだというのだ。

 彼はフリーランスで、仕事の内容と自分の興味とが比較的近いため、いわゆ
る仕事の本とそうでない本という境界はそんなに明確なものではないはずであ
る。だからこそこういう大幅な「異動」が起こりうるわけだが、彼の話を聞い
て、本が生活に寄り添っている人であればあるほど、色々な本の置き場を持ち
それらを使い分けているのではないか、と思った。

 たとえば彼の場合、一番優先度の高い「自分が辿ってきた道を示している」
本は、いつも細かく参照するようなものではないが、タイトルを眺めて自分の
立ち居地を確認するために、常にデスク横の一番いい場所に置いてある(おそ
らくこれが「仕事場」の「1軍」であるはずだ)。一方、たとえば哲学書など
は、部屋のベッドの横の、寝転がって横を向いたときにちょうど自分の目の前
に来る位置に並べてあり、眠る前にパラパラと捲ったりするのだという(これ
は「部屋」の「1軍」なのだと思う)。

 ぼくの場合であれば、一人暮らしをしていたときは、軽い雑誌やフリーペー
パーの類はトイレに置いていた。いま、大抵の本は自分の部屋にあるが、小説
は枕もとの小さな棚に入っていて、読み途中のものと読了済みのものに分けて
いる。

 壁沿いにはその他の本がジャンル別に整理されて入っていて、仕事で必要に
なるとその都度引っ張り出し、オフィスに持っていって、机の上に積んでおく。
机の後ろの棚には、よく参照する資料を中心にしつつ、なんだかかもって帰り
そびれてしまった過去の資料やひとに借りている本など、節操なく置いてある。
もちろん鞄の中には、読み途中の本が2〜3冊入っている……といった具合だ。

 ところで考えてみれば、用途によって置き場所が決まっていて、生活に溶け
込んでいるモノというのは、何も本だけではない。むしろ大抵のモノはそうで、
文房具から家電まで、用途と置き場所が連動していない例を探すほうが難しい。

 それらと比べると、いわゆる大きな本棚があって所持している全ての本をそ
こに詰めるという発想は、何か不自然な気さえしてくる。本という商品の幅の
広さから考えれば、もうちょっと自由に、生活空間の至るところに点在してい
てもいいようなものだろう。そういう意味ではぼく自身も、まだまだ「本棚に
詰める発想」から抜け出せていないと感じる。

 たとえばぼくの場合、机の上やら、日々使っている複数のバッグやジャケッ
トのポケットやら、手帳や読みかけの本の間やらに、同じボールペンがそれぞ
れ入っている。おそらく日によっては、そのボールペンを十本近く持っている
時があるだろう。

 ぼくにとってボールペンはそのくらい、いつどこからでも出てきて欲しいも
のなのだ(ちなみにこのスタイルをとって以来、ボールペンを紛失する本数は
むしろ減った)。ボールペンはぼくの生活のいたるところに点在し、完全に密
着している。もちろんボールペンと本とではだいぶ違うが、とはいえ本がそれ
くらい生活に溶け込んだら、ちょっと素敵ではないだろうか。

 そういえばちょっとしたインテリアショップでは大抵、机の上に花瓶が置い
てあったり、ソファの上にクッションが置いてあったりする。このときこの
ショップでは「花瓶」や「クッション」という商品それ自体に加え、「机の上」
や「ソファの上」という置き場の提案まで含めて販売しているということがで
きるだろう。

 もちろんこれは商品の単価が高いからできるわけで、本を置き場ごとさりげ
なく提案するような書店(机の上に置く本、寝室に置く本、食卓に置く本、ト
イレに置く本……という具合に)を単体で想定するのは難しいけれど、いっそ
のこと書店+インテリアショップのようなお店(※2)をつくってしまえば、
それもあながち実現不可能ではないかもしれない。

※1:【co-lab】 http://www.co-lab.jp/

※2:書店+インテリアショップという形式には「finerefine」があるが、基
本的には書籍のコーナーが別途設けられていて、そこの本棚に大半の本が詰め
られている。【finerefine】 http://finerefine.jp/


◎内沼晋太郎(うちぬま・しんたろう):1980年生。フリーの本屋、企画屋。
ブックピックオーケストラ代表、TOKYO HIPSTERS CLUBブックコーディネイター、
青山表現学校講師など。http://needtosleep.net
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■「5年遅れの営業日誌」/ 工藤秀之
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[序]

みなさん、はじめまして。工藤と申します。トランスビューという創業5年の
小さな出版社で営業をしています。一応、営業部門の責任者です。今日は我々
よりも一足先に出版社を興された「本のメルマガ」編集同人の五月さんに、5
年間の艱難辛苦の道のりを記録しておかないかと誘われキーボードを叩いてい
ます。ただしトランスビュー方式の場合は、目的と問題点が比較的はっきりし
ていたので、多少の工夫をしながらも傍から見るより結構気楽にやってきまし
た。業界への提言でもトランスビューの方法を薦める訳でもありません。夏休
み最終日の小学生の気分で、5年分の営業報告をしてみようと思います。

まずは簡単に会社案内と自己紹介。トランスビューは2001年4月に創業、現在
40点ほどの出版物があります。いわゆる人文書がラインナップの中心です。人
員は代表取締役社長の中嶋廣、ヒラ代表取締役の私、工藤秀之、それから創業
メンバーですが今は非常勤の林美江、2年前に入社したヒラ社員井上。創業時
は、中嶋と林が編集、営業が私ひとり、という構成でした。当時から現在まで、
小売店様との直接取引を主な販売ルートとしています。

以前に勤めていた出版社の先輩である2人と新会社をつくるにあたっては、こ
の「直接取引」を取り入れることが私の強い希望でした。理由は、出版社と書
店の関係がどうにも腑に落ちなかったから。

「注文品の入荷が遅く不確実」。でもこれって、夜間稼動の倉庫でピッキング
し宅配便で発送すれば2日で着くじゃん。

「とにかく返品が多い」。これは出版社が勝手に本を送りつけずに書店が必要
とする分だけを納品し、余計な在庫を持つことの無いようにリードタイムを短
縮すれば改善するのでは?

「書店の粗利が少ない」。返品が少なければ、処理費用や制作費の浮いた分で
書店に還元する原資が生まれるのではないだろうか?
 
取引条件の良い老舗出版社で働きながら、こんな疑問をもっていました。こう
した何十年も前から言われている問題に自分が今持つ力で応え、現代出版流通
システムの錬金術に、本づくりも流通も甘えないで活動するには、「直接取引」
が最も有効な手段だと思ったのです。

そうは言っても、現在日本で書籍を流通させるには取次会社との取引は不可欠。
書店の現場で使用する書誌データの基礎を取次会社で作成していることが多い
からです。取次としては自社で扱っていない商品情報をもつ必要はない。した
がって仕入ルートのない出版社の本は書店店頭で検索端末を操作しても、ヒッ
トしない。お客さんは諦めてしまう。なので、じつは直取引出版社トランス
ビューのひとまずの目標は、このデータを作成する=その本が“ある”ことを
明らかにすることでした。

直接取引で書籍を扱ってくださる書店さんへは、低正味・スピード納品で応え、
そうでない書店さんでも顧客からの問合せには最低限の対応が出来る。その両
立を目ざして、トランスビュー方式はスタートしたのでした。(次月25日号へ
つづく)


◎工藤秀之(くどう・ひでゆき):1972年平塚市生まれ。トランスビュー代表
取締役。ひとこと:出版社自らが書誌情報を提供し、情報ネットワークを構築
しようと立ち上がった「版元ドットコムLLP」の総会と流通研究集会が、20
06年6月2日に開催されます。会員以外の参加も歓迎です。ぜひお越しください。
お申込みはこちらへ→ http://www.hanmoto.com/news/2006/05/11/shukai2006/
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池田晶子最新刊『人生のほんとう』(トランスビュー)刊行記念サイン会

日時:2006年6月22日(木)18:30〜
場所:丸善丸の内本店2階特設会場
定員:100名、要整理券(電話予約可)
参加方法:丸善・丸の内本店和書各階カウンターにて、参加ご希望のお客様先
着100名様に無料にて整理券を配布いたします。整理券がなくなり次第、配布
終了となります。

対象書籍:6月2日発売予定『人生のほんとう』(池田晶子著、トランスビュー
刊、予価税込1,260円、http://www.transview.co.jp )

お問い合わせ:丸善丸の内本店和書グループ 電話03-5288-8881
http://www.maruzen.co.jp/home/tenpo/maruhon.html
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■「書店様、今日もお伺いします」/ 佐藤都
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こんにちは。佐藤です。前回は書店営業という仕事についてお話をさせていた
だきましたが、今回は業界の裏側というか、少し柔かいお話をさせていただこ
うと思います。

小社は部内での飲み会というものは、殆どありません。有志で飲みに行ったり、
ということは時々ありますが、それもほかの会社に比べれば少ないといえるで
しょう。代わりに個人的に親しくさせていただいているほかの版元さんの編集
の方や書店員さんとの飲み会の機会は、わりと私にはあり、恵まれていると思
います。

そうした飲み会の場合、仕事を抜きにした部分が大きいのですが、それでもや
はり本にまつわる話は尽きません。企画中の本の話や最近話題になった本につ
いて、級数が小さいとか煽りがイマイチだとか、あの装丁は良い、変形は積み
にくいなど、編集の立場から、現場の立場から、興味深い話が多く聞かれ、非
常に勉強になると同時に凄く愉しいです。あとは映画や音楽、趣味の話題と
いったところに話が移り、最終的には版元や書店の噂話、そして愚痴……とい
う、ごくごく普通の飲み会の流れです。

夜も仕事を抱えている方も多く、飲み会の流れは非常に流動的です。最初顔を
出されて、その後会社に戻る方もあれば、深夜2時ぐらいにやってくる方もい
ます。大体夜を徹して飲むことになるのですが、日付が変わるあたりからまじ
めな話は一切なくなってしまいます。そのころになると寝出す人が多いのも面
白いです。

スイッチがきれたように居酒屋の席に腰をかけたまま、おとなしく舟をこぐ方
もいれば、どてっと座敷に寝そべる方もいます。私は下戸なので、忘れ物がな
いか探したり、寝た方に上着を掛けたり、割り勘の計算などをして朝までお付
き合いしています。

こういった方たちとお酒を飲みたいと思ってしまうのは、もちろん誘ってくだ
さる諸先輩方のご好意あってなのですが、一生懸命本を作っている方、売って
いる方たちの本音が垣間見えて、非常に嬉しいからなのです。ただそのとき
仰ったことはほとんどの皆さんが覚えていらっしゃらないのですが。でも、自
分の作った本が書店に並ぶこと、色々な媒体で紹介されること、確実にスリッ
プがあがってくること、増刷が決まることなどは、編集の仕事をしていても、
書店の仕事をしていても、もちろん私のように営業の仕事をしていても分かち
合える喜びであると思うのです。

大学の同級生の中にも、書店や出版関係の仕事をしている人間は何人かいます。
そういった仲間たちと飲む場合も、最初は本の話題から始まります。その点で
は諸先輩方との飲み会と同じなのですが、そのあとは、何年この仕事を続けて
いけるのか、続けたい意思があるならば、日々刻々と変化する本の波の中で何
ができるのか、将来的にはどうしたいのか、本にまつわる諸制度はこれからど
うなるのか、どうしたいのか、どうしていくべきなのか、実は意外とまじめな
話題のときも結構あるのです。

同年代の同業ですから、同じような悩みを分かち合うことはもちろん、まだ若
い私たちであるからこそ、この業界の遠く先にあるものまで見越していかなけ
ればいけないと感じます。私たちに与えられた時間はあまりに長く、日々の仕
事の中で現状維持が精一杯になっていたとしても、現状を見ているだけでは本
のこれからは、私たちのこれからは分からないのです。
 
分からない未来は不安です。そうした遠い未来に目がくらみ、悩んで立ちど
まってしまうことがあってもその不安から目をそらすことはできないと思いま
す。忙殺される日々の中で、忘れてはいけないこと、考えなくてはいけないこ
とに敢えて立ち向かう時間として、私にとっての同年代の仲間たちとの飲み会
は存在します。そんな真剣に語り合える仲間たちとの宴も、最終的にはなんだ
かんだとカラオケ屋になだれ込んで、朝までマイクを握っていることが多いの
ですけれども。


◎佐藤都(さとう・みやこ):1980年生まれ。某出版社営業部勤務。
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★PR★朝 日 出 版 社 の 新 刊★ http://www.asahipress.com/

『エイズ感染爆発とSAFE SEXについて話します』
本田美和子(国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター医師)著
税込1,029円 46判224頁 ISBN4-255-00323-8

みんなの誤解――好きな人と、ふつうにセックスしてたら感染しない。そう
思っていませんか? エイズは決して「過去の病気」や「遠いよその国の話」
ではありません。日本のHIV感染者/エイズ患者数はついに1万人を突破し、
毎年新たに1000人以上もの人がHIVに感染しています(2006年、厚生労働省
エイズ動向委員会報告)。「ふつう」の若い男女の感染が目立つのです。

本書では、HIV/エイズ治療の最前線で働く医師が、20代の女性と共に座談
会の形式で、エイズ感染爆発という「いま、そこにある危機」を話し合い、ま
た、1人の若い患者さんとの対話を通じて「感染してからのHIVとの付き合
い方」を考えます。

あなたと、あなたの大切なひとを、守るために。本書から、HIV/エイズに
向き合うためのヒントが見えてくるはずです。

「爆発的な流行が心配されているエイズについて、その現状、予防や治療の方
法を分かりやすく説明し、人が生きてゆく上で、避けて通れないセックスにつ
いて、安全なセックスとはなにか、若い方との対話を通じて教えてくれる本書
が、一人でも多くの若者、そして若者を指導する立場の方に読まれることを期
待したい」。――島尾忠男(エイズ予防財団会長)評

※HIV/エイズの基礎知識をQ&A形式で学べる小冊子『みんなの誤解』を
作成しました。PDFファイルを無料ダウンロードできます。
→ http://www.asahipress.com/2006/safesex/safesex_dll.html

※「彼氏の元カノの元カレを知っていますか? エイズ検査はあなたにも必要
です」---HIV検査普及週間:6月1日〜6月7日、エイズ予防財団:0120-177-812
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素朴な「なぜ?」を楽しく考える絵本、「こども哲学」全7巻刊行開始!

『よいこととわるいことってなに?』
文:オスカー・ブルニフィエ 訳:西宮かおり 絵:クレマン・ドゥヴォー
税込1,470円 B5判変型並製96頁 ISBN:4-255-00330-0

『きもちって、なに?』
文:オスカー・ブルニフィエ 訳:西宮かおり 絵:セルジュ・ブロック
税込1,470円 B5判変型並製96頁 ISBN:4-255-00362-9

大切なのは、考える力。迷っても、答えが見えなくても、考えるって楽しい!
フランスの小学校で開かれた哲学の授業。そこで交わされたこどもと先生の会
話を、まるごと詰めこんで絵本にしました。大切な「はじめの一歩」のために。

「この本には脱帽だ!」――重松清(日本語版監修)による書き下ろし特別付
録小冊子「おまけの話」が各巻に付いています。それぞれの絵本のために個別
に書かれたショート・ストーリーです。

「心からこぼれたこどもの言葉は、美味しい水のように滲みる。考え、問うこ
とのできる生物であるよう、繰り返しこの本を手に取ります」――内田也哉子

「子供の疑問に答えていると、自分自身が見えてくる。愛する人と途切れず会
話ができたなら、どんなに素敵なことだろう」――室井佑月
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★PR★作 品 社 の 新 刊★ http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/

『愛情省』
見沢知廉=著 税込1,575円 46判上製198頁 ISBN:4-86182-084-7

夭折の鬼才の凄絶なる遺作!「愛情省」(「新潮」2005年11月号初出、遺作)、
「ニッポン」(未発表作品)、「天皇ごっこ」(第25回「新日本文学」賞佳作
の短篇版)を収録。

「これはもう正岡子規か、ベケットの境地である。残された書き手の誰にこの
ような作品が書けるだろうか?」――島田雅彦評
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『空海』
三田誠広=著 税込1,890円 46判上製326頁 ISBN:4-86182-059-6

不世出の天才の全貌を描く、初の本格歴史小説! 蝦夷の血を引く佐伯氏の末
裔として讃岐に生まれ、山野を駆け、丹生の子女と交わった少年時代。鄙朴の
野人が長じて大唐の天台山に渡り、恵果和尚より唯授一人の伝法灌頂を受ける
までの数奇な生涯を描く畢生の大作。05年12月刊、大好評7刷出来!
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★PR★青 土 社 の 新 刊★ http://www.seidosha.co.jp/

『現代思想』二〇〇六年六月号(特集=アガンベン 剥き出しの生)
ISBN:4-7917-1150-5、税込1,300円、店頭発売5月27日

【閾】
口中の闇あるいは罪と恥辱について……辺見庸

【討議】
言語と時の〈閾〉……上村忠男+田崎英明
残りのもの/主権と生政治/〈閾〉からの思考/メシアニズム/インファンス
/到来する共同体

【対話】
生、作者なき芸術作品 アガンベンとの対話……G・アガンベン+U・ラウル
フ(長原豊=訳)

【テクスト】
思考の終わり……G・アガンベン(高桑和巳=訳)
もの自体……G・アガンベン(高桑和巳=訳)
記憶の及ばない像……G・アガンベン(高桑和巳=訳)
装置とは何か?……G・アガンベン(高桑和巳=訳)

【剥き出しの生】
法/権利の救出――ベンヤミン再読……市野川容孝
《裸の》生――イチジクの葉の下はアダマの塵……柿本昭人

【例外状態】
隠し彫りの刺青――「瑕疵」の存在論のためのレジュメ……長原豊
歴史の終焉と政治の変容――冷戦下のカール・シュミット・サークルにおける
世界内戦論……大竹弘二

【残りの時】
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの時間……高桑和巳
マイナーと福音――〈階級〉を構成する〈委員会〉の思考……松本潤一郎

【潜勢力】
死と身振り……鴻英良
遊隙の思考――アガンベンにおける無為と共同……多賀健太郎
無能ノート――アガンベン、荒木飛呂彦、セン……杉田俊介
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★イベント告知★宮沢章夫×すが秀実×花咲政之輔「身体をめぐる“表現”」

宮沢章夫×すが秀実×花咲政之輔
「身体をめぐる“表現”――演劇・大学・政治」

芸術表現である「演劇」と、ビラやアジ演説・署名という「政治」手法。政治
手法は、人の実際の身体に直面するため古びており拒絶されると思われがちだ
が、演劇こそ身体表現そのものではないか。ビラをまいたりデモをしただけで
警察が導入される一方、授業科目として演劇を教育する大学などの市民社会。
ここにおいて芸術表現と政治はいかにあるべきか。

宮沢章夫(作家・演出家、早稲田大学教員)
すが秀実(文芸評論家、近畿大学教員)
花咲政之輔(音楽集団「太陽肛門スパパーン」主宰)

日時:2006年6月9日(金)18時30分〜20時
会場:三省堂書店神田本店 8階特別会場
定員:100名
入場料:500円
予約:同店4階カウンターか電話(03-3233-3312)
http://sanseido-eventhonten.hontsuna.net/

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『ネオリベ化する公共圏――壊滅する大学・市民社会からの自律』すが秀実+
花咲政之輔編、明石書店、税込1,575円、A5版並製192頁、ISBN 4-7503-2327-6

早稲田大学でのビラまき逮捕事件を入口として、大阪市によるホームレスの
「住居」強制撤去や、立川などのビラ入れ・まき不当逮捕、ピンクチラシ規制、
有害図書指定、青少年外出禁止条例案など、世界的な規模で進む公共空間の管
理/監視=ネオリベ化に対抗すべく、日米さまざまなジャンルの論考を編んだ
アンソロジー。http://www.akashi.co.jp
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★イベント告知★『いのちを纏う』刊行記念シンポジウム

長年“きもの”三昧を尽くしてこられた社会学者の鶴見和子さんと、植物から
“色”の真髄を追求してこられた人間国宝の染織家、志村ふくみさんが、植物
のいのちの顕現(けんげん)としての“色”と魂の依代(よりしろ)としての
“きもの”の思想を語らい、失われつつある日本のきもの文化と色の文化を、
最高の水準で未来へと拓く道を探る珠玉の対話です。

この『いのちを纏う』の刊行を記念し、国際的舞踊家・西川千麗氏と国際日本
文化研究センター教授・川勝平太氏をお招きし、シンポジウムを開催いたしま
す。

オープニング「舞(VTR上映)」西川千麗(日本舞踊家)

シンポジウム「いのちを纏う」志村ふくみ(染織家・人間国宝)+鶴見和子
(社会学者)+西川千麗(日本舞踊家)+川勝平太(歴史学者)

日時:2006年6月25日(日) 13:30開場/14:00開演
場所:同志社大学 寒梅館 ハーディーホール(京都市上京区今出川烏丸上ル)
参加費:一般 2000円(前売 1500円) 学生 1500円(前売 1000円)

主催:同志社大学国文学会/藤原書店、協賛:京都市、後援:京都新聞社/朝
日新聞社/読売新聞社/毎日新聞社/産経新聞社

申込は藤原書店まで、電話03-5272-0301もしくは info@fujiwara-shoten.co.jp


◎〈藤原映像ライブラリー〉海霊の宮 UNADAMA NO MIYA――石牟礼道子の世界
上映と講演の集い

代表作『苦海浄土』といった小説や随筆はもとより、詩や短歌・俳句、新作能
の台本にまで及ぶ石牟礼道子の作品の原点を、本人のインタビューや自作品朗
読、不知火海や水俣の風景などで描いた初の映像作品。

公式確認50年を迎えた水俣病は、単なる「公害病」ではなく、現代に生きるわ
れわれに、「便利さ」と「豊かさ」をもたらした「近代」とは何かを問いかけ
てきます。『苦海浄土』について、「我が民族が受けた希有な受難史を綴った
書と受け止められるかも知れないが、私が描きたかったのは、海浜の民の生き
方の純度と馥郁たる魂の香りである」と述べる石牟礼道子。

その生い立ちを随筆や小説といった自身の作品を織り交ぜながら辿り、石牟礼
道子の世界全体を、映像と音声で表現した新作DVD『海霊の宮 UNADAMA NO MIYA
――石牟礼道子の世界』(6月中旬リリース・100分)の上映とともに、石牟礼
道子の世界について適任の講演者を迎えて、「上映と講演の集い」を東京と大
阪で開催いたします。

【東京】2006年6月16日(金)午後7時
講演:桑原史成(写真家)、三砂ちづる(疫学者)
場所:千代田区立内幸町ホール
参加費:2000円

【大阪】2006年7月5日(水)午後6時
講演:金時鐘(詩人)
場所:大阪府立総合女性センター・ドーンセンター・ホール(大阪市中央区大
手前1-3-49)
参加費:2000円
協催:財団法人 大阪府男女共同参画推進財団

申込は、【東京】【大阪】ともに藤原書店まで、電話03-5272-0301もしくは
info@fujiwara-shoten.co.jp まで。
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■メルマガ編集同人より「お詫びと訂正」
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5月15日配信の249号に掲載した「虚実皮膜の書評」において、末尾が編集担当
のミスで欠落いたしました。お詫びして訂正いたします。

【誤】「こういった日常と日常へ回収可能な一見<非日常的なもの>を丹精に
描ける作家が、今後どのように作品を紡ぎだして」

【正】「こういった日常と日常へ回収可能な一見<非日常的なもの>を丹精に
描ける作家が、今後どのように作品を紡ぎだしてゆくのか、見ていきたい。」
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