2006.05.16 Tuesday
[本]のメルマガvol.249
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■■ [本]のメルマガ 2006.5.15.発行
■■ vol.249
■■ mailmagazine of books [俺様マイルールの使徒 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★トピックス
★「実録・がっちり買わなかったでショウ」/柳瀬徹
→奥様が女児出産されました! ということで今回はお休みです。
★「図書館の壁の穴」/田圃兎
→調べやすそうで案外調べにくい、雑誌についての話題です。
★ひよっこ行政書士のRock'n'law(ロッケンロー)相談室/うすいまき
→今回はお休みでーす。
★「虚実皮膜の書評」/キウ
→デビューしたての新人を取り上げます。
★帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?/掩耳
→『老子』の有名な言葉を紹介します。
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■トピックス
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●グーグルのブック検索
大手検索サイトのグーグルが、書籍の内容を検索すると、本文をサイト上で
読める「Google ブック検索」を年内に開始すると発表しました。ネット書
店のアマゾンでも「なか見!検索」をすでに始めていますが、各出版社がど
のような対応を見せるのか注目されます。
●ちょっと古い話題ですが、渡辺淳一センセの切れっぷり
昨年の話でご存知の方も多いのかもしれませんが、渡辺淳一センセが車掌さ
んに注意されて逆ギレし、それを自分のHPでお書きになっています。まさに
「俺様マイルール」の使徒……
http://watanabe-junichi.net/archives/2005/11/22/index.html
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■「図書館の壁の穴」/田圃兎
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第8回 雑誌記事を探せるようにしたい!
雑誌記事を図書館で探す場合、まずは端末で検索する方が断然効率が良い
場合が多い。
終刊になった雑誌や、何年も前のバックナンバーは、書庫で保存されている
ことが多いので、検索端末でしか探しようがなかったりする。
また図書館によっては、分野ごとにフロアを分けて500誌も1,000誌もの雑誌
を置いているところもあるので、そのようなところは尚更そうだろう。
端末では、大抵タイトルや出版社名でしか検索できないことが多いのだが、
同時に目次も検索できれば、必要な情報にたどり着ける可能性はかなりアッ
プする。
例えば、鳥インフルエンザというタイトルの雑誌はないと思うが、そういう
タイトルの記事ならたくさんある。
そんな探し方ができれば、図書館で所蔵している雑誌の利用価値は、今の何
倍にもなるんじゃないかと思う。
国立国会図書館では2006年3月現在、9,741誌もの雑誌の記事索引が日々デー
タ化され、ホームページ上で無料で検索出来るようになっている。
4年位前までは、年4回CD-ROMで刊行されていて、年額10万円以上もしたデー
タがこうして無料で利用できるようになったのだから、画期的なことだと思
う。
この雑誌記事索引の収録誌には選定基準があって、実用誌・広報誌・同人誌
・市町村刊行物・文芸誌・美術作品誌・スポーツ誌・音楽誌・児童誌などは
含まれていない。
一部の週刊誌などを例外的に収録誌に加えているが、元々が学術的な雑誌を
中心に、調査に役立てるためにと始められたものだ。
だが、収録されていない雑誌にも調べものに役立つものはたくさんある。
国立国会図書館の雑誌記事索引に、全国の公共図書館が分担して追加登録で
きたなら、より網羅的で役立つものになるんじゃないかと思う。
国立国会図書館主導で、すべての図書館を対象に雑誌記事索引共同作成・共
同利用プロジェクトを実施できたとしたら、多くの都道府県・市町村各図書
館のホームページや館内の検索端末で、所蔵雑誌のタイトルだけではなく、
記事名までもが検索できるようになるだろう。
プロジェクトに参加する各図書館は、その共同利用のデータベースに登録さ
れていない雑誌を持っていれば、責任を持って登録するということを、参加
ルールにしておくことで、ローカルな雑誌も網羅した強力な記事索引ができ
るんじゃないだろうか。
イメージとしては、大学図書館が共同で所蔵目録を作って相互利用している
NACSIS-CATと似たようなことがやれそうな気がするのだ。
これは国立国会図書館の政策決定の問題だけではなく、各館の予算や人の問
題など、クリアすべき課題が山ほどあるので、そう簡単に実現できるもので
はない。でも、もし実現できれば相当役に立つものが出来そうなのだが、ど
うだろう?
* * *
国立国会図書館に頼るのではなく、例えば出版社のホームページにアップさ
れている目次情報を、図書館の雑誌検索に利用するのも面白いと思う。
RSSなどをを使えば、比較的容易にある程度の情報を集められる可能性はあ
るかもしれない。
けれど、目次がアップされていない雑誌も多いし、ホームページがないもの
もたくさんある。特に自治体や地方の小出版社、あるいは個人が出している
ような雑誌は、そういった面で対応が進んでいないものも数多い。
だから、そうしたシステムをつくるとしても、今のところは雑誌探しの補助
的なツールという位置付けで考えた方が良さそうだ。
* * *
大学図書館ではもう10年以上前から、書店から外国雑誌の納品データをフ
ロッピーディスク(現在はもちろんメール)で送ってもらい、それを図書館
システムに直接取り込んでしまう仕掛けが、割と普通に運用されている。
現在では、スエッツ社、丸善のMACS、紀伊国屋書店のACCESS等幾つかの外国
雑誌納品データフォーマットに対応した自動チェックイン機能(データを取
り込む仕組み)が、一般的な大学図書館パッケージシステムの標準仕様とし
て用意されているほど、雑誌納品に関する書店と図書館の連携は進んでいる
。
公共図書館では僕の知る限りこうしたことは行われていないのだが、勤務先
の市立図書館でも同じようなことはできるんじゃないかと思った。
さらにこの自動チェックインの機能に加え、書店に雑誌各号ごとの特集記事
名や表紙の見出しも入力してもらい、それも取り込めるようにすれば、単な
る仕事の省力化ではなく、検索機能のアップも実現できるはずだ。
実施するにあたって調べてみたところ、外国雑誌の自動チェックインは広く
実施されているのだが、国内雑誌のデータ受入に関する事例はほとんど見ら
れなかった。
これは、国内雑誌を扱う書店の体制、インフラ、ノウハウ等といった書店側
の問題や、大手数社のフォーマットに準拠すれば済む外国雑誌とは事情が異
なるといった、図書館システム業者の問題などが主な原因らしい。
勤務先は地方の市立図書館なので、購入する雑誌はほとんどが国内雑誌だ。
公共図書館が国内雑誌の自動チェックインを行った例がないので、システム
仕様の提案から開発まで、メーカー任せではなく、図書館主導で行う必要が
あった。
また、システム開発とは別に、こちらの指定するフォーマットでデータ提供
ができる書店を探さなければならなかった。
書店にしてみれば、特定の取引先にあわせたデータ出力の仕掛けをわざわざ
用意することになる。数百誌の雑誌を1年間買うという位の契約では、利益
はそう大きくはない。少なくとも、外注してシステムを開発したら割に合う
とはとても思えない。
だから、システムに関するノウハウを持つ、自社内で対応可能な書店でなけ
れば対応は難しいだろうと考えた。
まずは、地元にある個人商店規模の書店にデータ仕様の説明をしてみたのだ
が、技術的な話がほとんど通じず、発注したい雑誌の3割以上が不扱いだっ
たため、次に幾つかの大手書店に話を持ち込んでみた。
ところが、雑誌の取引だけでは収益が見込めないという理由で、データ云々
の話以前に取引を断られてしまうケースが続出した。
そんな中、ようやく三省堂書店から良い返事を貰うことができ、一昨年から
システム運用を開始している。
稼働から既に2年が経過しているが、今のところ大きな不具合もなく、順調
に運用できている。
例えば「タイトルは忘れちゃったけど、新会社法の特集が出ていた雑誌を探
している」というような場合にも検索できるので、実際に役立つ場面はかな
り多い。
それに、雑誌を検索したときに、各巻号の一覧画面で雑誌の内容の一部が確
認できることの効果は、当初予想していた以上に大きい。
これと並行して、郷土関係の逐次刊行物については自館で目次を手入力し、
検索できるようにしようという取り組みを始めている。
まずは図書館スタッフが作業に取り組んでいるが、先々こうした作業につい
ては、青空文庫のような感じに工作員を募り、ボランティアでやってみるの
も良いのではないかと思い、準備を進めている。
追記:こんなシステムに興味があるという方は tanbousagi@infoseek.jp
までご連絡ください。システム会社や書店にどんな提案を行い、実
現に漕ぎ着けたのかをまとめた資料があるので、お送りします。
●国立国会図書館雑誌記事索引
●Nacsis-Webcat
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■「虚実皮膜の書評」/キウ
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「風化する女」 木村紅美 文學界2006年6月号
文學界新人賞受賞作。一読して思い起こしたのは絲山秋子の芥川賞受賞作
の「沖で待つ」だった。
会社の中での日常がベースに描かれていること。主人公の同僚の死から始
まること。違うところは「沖で待つ」は総合職の女・男の関係であること、
「風化する女」は事務職の女・女の関係であること。
冒頭でこれから語られるれい子さんの人物像をさっと描きあげる。
れい子さんは、一人ぼっちで死んでいった。
会社を三日も無断欠勤していたのを不審に思った上司が、管理人さん
に頼んでアパートの鍵を開けてもらったところ、ふとんの中で、すでに
硬くなっていたそうである。
れい子さんは四十三才で結婚はしていなかった。
会社では九時から五時まで口をへの字形にむすび、ふちのない眼鏡を
かけ、長い髪は黒いゴムでひとつに束ねて、もくもくと働いていた。入
社して二十年経っても、一般事務職のままで、昇給はなく、高校や短大
を出たばかりのちゃらちゃらした女の子たちと、同じ額の給料をもらっ
ていた。それで不満はないというか、あきらめているようでもあった。
「私」は部署も年齢も違うれい子さんと、昼休みの食事を一緒にしたこと
から、少し付き合いらしきものが始まる。「私」は結婚したばかりの二十代
だが、近く人間関係に嫌気が差して退職することになっている。
退職を前にした「私」に仕事はあまりなくなり、天涯孤独のうちに亡く
なったれい子さんの部屋の後始末を頼まれ、そこかられい子さんの職場では
見せない一面を垣間見ていくことになるのだけれど、それほど劇的ななにか
が隠されているわけではなく、それは会社の中での地味な日常を、少し活性
化する程度の、予想されうる趣味の世界といっていい。
それだけの地味な話であり、ストーリーを紹介するほどのなにかがあるわ
けでもないのだけれど、もういなくなってしまったれい子さんという人間の
あり方が、「私」を通してつつましく浮かび上がってくる作品で、とてもう
まく書けているのだと思うし、好感も持てた。おそらくこのように語られる
れい子さんの生涯に、近しい感情を持ちながら読む人間は多いのではないだ
ろうか。劇的ななにかがあるわけではない人生は、一般的であるだろうけれ
ど、それを一個の作品として描くことは、難しいことだろうと思う。
「沖で待つ」と比べてどうなのかと考えると、「沖で待つ」には、お互い
のどちらかが先に死んだ場合、死んだ側のパソコンのハードディスクを破戒
するという約束を、亡くなった男の同僚宅へ忍び込んで果たす、といったあ
る意味「劇的」な要素が後半に仕込まれている。そのハードディスクの中に
仕舞いこまれた同僚の「秘密」ははっきりとは分からない。おそらくそれは
「風化する女」のれい子さんの知られざる側面と同様の、凡庸な「秘密」で
あるのだろう。それらの隠された一面はささやかなものに違いない。そう
いったものを隠して描いても、表に出して描いても、ともに作品として描き
きれているのであって、この両者の小説を描く技術は、きわめて高いのだと
思われる。
こういった日常と日常へ回収可能な一見<非日常的なもの>を丹精に描け
る作家が、今後どのように作品を紡ぎだしてゆくのか、見ていきたい。
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■帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?/掩耳
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・大道廃れて、ここに仁義あり
――やれ仁だ、やれ義だと声高に叫ばれるのは、大いなる「道」が失われた
ときである(老子)
「大道廃れて仁義あり」という言葉で、現在でもよく使われる名言であり、
以下、次のように続いていきます。
・智慧出でて、ここに大偽あり(大きな虚偽がはびこるのは、人間の賢しら
がのさばりだしたときである)
・六親和せずして、ここに孝慈あり(慈父出でよ、孝子出でよと叫ばれるの
は、肉親の情愛が薄れたときである)
・邦家昏乱して、ここに貞臣あり(忠臣があらわれるのは、国の政治が乱れ
たときである)
まあ、そりゃそうだよなーとしか言えない指摘のオンパレードですねー。決
まりやルール、法が複雑化するのは、破る人が増えちゃうからに他ならない
ですし、複雑な金融システムや商品が開発されれば、それに応じた巨額の不
正が派生しがちなものです。
で、最近、ある新聞記事からこれらの言葉を思い浮かべたのですが、それは
《与党の教育基本法改正検討会(座長・大島理森元文相)は12日、同法改
正案で焦点の「愛国心」の表現をめぐり、「我が国と郷土を愛する態度」と
することで合意した》(共同通信)4月12日
という奴です。こりゃまさに、「大道廃れて仁義あり」「六親和せずして、
ここに孝慈あり」そのものだな、と……
で、こういった「愛国心教育」といった報道でいつもまず疑問に思うのは、
国とか郷土の側に愛されるだけの実態がなければ、逆効果になるだけじゃな
いの?という疑問なわけです。
会社で言えば、「社会貢献をベースとした理念やビジョンが会社に浸透して
いて、社員を大事にし、育み、公平な競争が繰り広げられている」といった
組織であれば、わざわざ「愛しなさい」とか教育しなくても、そりゃ社員は
愛社精神に燃えるでしょうと思うのです。
でも、「自社さえ良ければいい、儲けのためなら何をやってもいいという社
風で、社員は使い捨て、しかも有力派閥や情実人事が横行している」といっ
た会社だったら、いくら愛社精神を教え込んでも、すぐに萎れちゃうのでは
と思うわけです。それじゃ会社としてもマズイので、会社を愛せーと宣伝し
まっくて、まさに「大道廃れて仁義あり」状態……
いまの日本社会、景気が良いはずなのに実感できない人が多く、社会の固定
化が進み、自殺者は高止まり、公務員や政治家に対する過剰な優遇など、
「愛せない理由」があまりに多くなっている気がします。で、こりゃまマズ
イと、言うこと聞きそうな小さい子供にあまり調子の良いこと教えていると、
大人になって現実に直面したときに反動に走るのではとも思うわけです(笑)
今の右よりの人って、昔共産党員だった人が多いのとまったく同じ理屈です
な……
さらに思うのは、人はいろいろな組織や集団、枠組に入れ子状に所属してい
るわけです。
人→家庭・一族→都道府県市町村・会社→日本→アジア→世界
で、このうちのどれを(一つとは限らない、全部もあり)愛し、それを愛さ
ないかは、その人次第でしかないとも思うわけです。
国が大好きという人がいても結構、家庭や一族しか信用できませんというの
でも結構、地球レベルの幸せを願っていますというのも結構、しかしある立
場が、それを他の立場に押し付けるのは(説得や勧誘ならわかりますが)い
かがなものか、と思わざるを得ません。他人に押し付けなければ満足できな
いというのは、ある意味でその人や立場の弱さの証しではないかしらん……。
そういえば、与党には公明党も入っていますが、思想・宗教の自由があるの
なら、「自分の属しているどの枠組を最も愛するかの自由」もあってしかる
べきとは考えないんでしょうかねえ。他の宗教を押し付けるのが論外である
なら、自分の愛すべき枠組を押し付けられるのも論外であると思うのですが
……。
しかも、人が所属する枠というのは、枠同士の利害が往々にして対立しあい
ます。たとえばアメリカの独自行動が国際社会にダメージを与えたり、公務
員独自の利権と国益が対立し合ったり、派閥の利益と会社の利益が相容れな
かったり……。しかも、国家や公務員、派閥といった枠は、より大きな「国
際社会」や「国益」、「会社のため」を隠れ蓑に、私益をむさぼってしまう
のが常道でもあります。
何回も同じことを書いている気がしますが、子供って馬鹿じゃありません。
逆に、滅茶苦茶鋭いものです。どうせ教えるなら、自分が家庭や企業や国家
といった集団を愛した場合、それぞれにどんなプラスとマイナスが生まれや
すいのかを教えてあげれば、より賢くこういった構造を子供が理解してくれ
るのでは、とも思います。なんだか、この件では、大人の方が深く物事を見
つめることを怠っている気がしてなりません……
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■あとがき
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>最近、金融業界の最前線の人とお話しする機会があったんです
>はあはあ
>そうしたら、面白い話がありまして。いま政府が盛んに「小さい政府」と
かいっているけど、その裏で金融関係のお役所の人は数が増えて権限も強化
されているらしいんです。
>えー、それって完全な逆行じゃないですか
>そうそう。大蔵省があったころは、金融機関の小さなミスとかを公的な場
でいきなり罵倒とかはなかったらしいんですが、今は平気でそういうことを
やりまくって、みなビクビクしているんですって
>構造改革とかいってるわりに、成果が出なかったというか、うまく立ち
回った官僚の権限を強化しただけに終わっちゃたんですかね
>そうかもしれませんねー。わたしゃ自分が格好悪いせいか、どうも格好い
いことを言う人たちの振る舞いにはに敏感になっちゃうんですよねー。
>それってモテないブオトコが、ハンサムな奴のあらを探すのと同じ構図
じゃないですか??
>う、グサッ、そうかも……(笑)
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★トピックス
★「実録・がっちり買わなかったでショウ」/柳瀬徹
→奥様が女児出産されました! ということで今回はお休みです。
★「図書館の壁の穴」/田圃兎
→調べやすそうで案外調べにくい、雑誌についての話題です。
★ひよっこ行政書士のRock'n'law(ロッケンロー)相談室/うすいまき
→今回はお休みでーす。
★「虚実皮膜の書評」/キウ
→デビューしたての新人を取り上げます。
★帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?/掩耳
→『老子』の有名な言葉を紹介します。
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■トピックス
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読める「Google ブック検索」を年内に開始すると発表しました。ネット書
店のアマゾンでも「なか見!検索」をすでに始めていますが、各出版社がど
のような対応を見せるのか注目されます。
●ちょっと古い話題ですが、渡辺淳一センセの切れっぷり
昨年の話でご存知の方も多いのかもしれませんが、渡辺淳一センセが車掌さ
んに注意されて逆ギレし、それを自分のHPでお書きになっています。まさに
「俺様マイルール」の使徒……
http://watanabe-junichi.net/archives/2005/11/22/index.html
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■「図書館の壁の穴」/田圃兎
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第8回 雑誌記事を探せるようにしたい!
雑誌記事を図書館で探す場合、まずは端末で検索する方が断然効率が良い
場合が多い。
終刊になった雑誌や、何年も前のバックナンバーは、書庫で保存されている
ことが多いので、検索端末でしか探しようがなかったりする。
また図書館によっては、分野ごとにフロアを分けて500誌も1,000誌もの雑誌
を置いているところもあるので、そのようなところは尚更そうだろう。
端末では、大抵タイトルや出版社名でしか検索できないことが多いのだが、
同時に目次も検索できれば、必要な情報にたどり着ける可能性はかなりアッ
プする。
例えば、鳥インフルエンザというタイトルの雑誌はないと思うが、そういう
タイトルの記事ならたくさんある。
そんな探し方ができれば、図書館で所蔵している雑誌の利用価値は、今の何
倍にもなるんじゃないかと思う。
国立国会図書館では2006年3月現在、9,741誌もの雑誌の記事索引が日々デー
タ化され、ホームページ上で無料で検索出来るようになっている。
4年位前までは、年4回CD-ROMで刊行されていて、年額10万円以上もしたデー
タがこうして無料で利用できるようになったのだから、画期的なことだと思
う。
この雑誌記事索引の収録誌には選定基準があって、実用誌・広報誌・同人誌
・市町村刊行物・文芸誌・美術作品誌・スポーツ誌・音楽誌・児童誌などは
含まれていない。
一部の週刊誌などを例外的に収録誌に加えているが、元々が学術的な雑誌を
中心に、調査に役立てるためにと始められたものだ。
だが、収録されていない雑誌にも調べものに役立つものはたくさんある。
国立国会図書館の雑誌記事索引に、全国の公共図書館が分担して追加登録で
きたなら、より網羅的で役立つものになるんじゃないかと思う。
国立国会図書館主導で、すべての図書館を対象に雑誌記事索引共同作成・共
同利用プロジェクトを実施できたとしたら、多くの都道府県・市町村各図書
館のホームページや館内の検索端末で、所蔵雑誌のタイトルだけではなく、
記事名までもが検索できるようになるだろう。
プロジェクトに参加する各図書館は、その共同利用のデータベースに登録さ
れていない雑誌を持っていれば、責任を持って登録するということを、参加
ルールにしておくことで、ローカルな雑誌も網羅した強力な記事索引ができ
るんじゃないだろうか。
イメージとしては、大学図書館が共同で所蔵目録を作って相互利用している
NACSIS-CATと似たようなことがやれそうな気がするのだ。
これは国立国会図書館の政策決定の問題だけではなく、各館の予算や人の問
題など、クリアすべき課題が山ほどあるので、そう簡単に実現できるもので
はない。でも、もし実現できれば相当役に立つものが出来そうなのだが、ど
うだろう?
* * *
国立国会図書館に頼るのではなく、例えば出版社のホームページにアップさ
れている目次情報を、図書館の雑誌検索に利用するのも面白いと思う。
RSSなどをを使えば、比較的容易にある程度の情報を集められる可能性はあ
るかもしれない。
けれど、目次がアップされていない雑誌も多いし、ホームページがないもの
もたくさんある。特に自治体や地方の小出版社、あるいは個人が出している
ような雑誌は、そういった面で対応が進んでいないものも数多い。
だから、そうしたシステムをつくるとしても、今のところは雑誌探しの補助
的なツールという位置付けで考えた方が良さそうだ。
* * *
大学図書館ではもう10年以上前から、書店から外国雑誌の納品データをフ
ロッピーディスク(現在はもちろんメール)で送ってもらい、それを図書館
システムに直接取り込んでしまう仕掛けが、割と普通に運用されている。
現在では、スエッツ社、丸善のMACS、紀伊国屋書店のACCESS等幾つかの外国
雑誌納品データフォーマットに対応した自動チェックイン機能(データを取
り込む仕組み)が、一般的な大学図書館パッケージシステムの標準仕様とし
て用意されているほど、雑誌納品に関する書店と図書館の連携は進んでいる
。
公共図書館では僕の知る限りこうしたことは行われていないのだが、勤務先
の市立図書館でも同じようなことはできるんじゃないかと思った。
さらにこの自動チェックインの機能に加え、書店に雑誌各号ごとの特集記事
名や表紙の見出しも入力してもらい、それも取り込めるようにすれば、単な
る仕事の省力化ではなく、検索機能のアップも実現できるはずだ。
実施するにあたって調べてみたところ、外国雑誌の自動チェックインは広く
実施されているのだが、国内雑誌のデータ受入に関する事例はほとんど見ら
れなかった。
これは、国内雑誌を扱う書店の体制、インフラ、ノウハウ等といった書店側
の問題や、大手数社のフォーマットに準拠すれば済む外国雑誌とは事情が異
なるといった、図書館システム業者の問題などが主な原因らしい。
勤務先は地方の市立図書館なので、購入する雑誌はほとんどが国内雑誌だ。
公共図書館が国内雑誌の自動チェックインを行った例がないので、システム
仕様の提案から開発まで、メーカー任せではなく、図書館主導で行う必要が
あった。
また、システム開発とは別に、こちらの指定するフォーマットでデータ提供
ができる書店を探さなければならなかった。
書店にしてみれば、特定の取引先にあわせたデータ出力の仕掛けをわざわざ
用意することになる。数百誌の雑誌を1年間買うという位の契約では、利益
はそう大きくはない。少なくとも、外注してシステムを開発したら割に合う
とはとても思えない。
だから、システムに関するノウハウを持つ、自社内で対応可能な書店でなけ
れば対応は難しいだろうと考えた。
まずは、地元にある個人商店規模の書店にデータ仕様の説明をしてみたのだ
が、技術的な話がほとんど通じず、発注したい雑誌の3割以上が不扱いだっ
たため、次に幾つかの大手書店に話を持ち込んでみた。
ところが、雑誌の取引だけでは収益が見込めないという理由で、データ云々
の話以前に取引を断られてしまうケースが続出した。
そんな中、ようやく三省堂書店から良い返事を貰うことができ、一昨年から
システム運用を開始している。
稼働から既に2年が経過しているが、今のところ大きな不具合もなく、順調
に運用できている。
例えば「タイトルは忘れちゃったけど、新会社法の特集が出ていた雑誌を探
している」というような場合にも検索できるので、実際に役立つ場面はかな
り多い。
それに、雑誌を検索したときに、各巻号の一覧画面で雑誌の内容の一部が確
認できることの効果は、当初予想していた以上に大きい。
これと並行して、郷土関係の逐次刊行物については自館で目次を手入力し、
検索できるようにしようという取り組みを始めている。
まずは図書館スタッフが作業に取り組んでいるが、先々こうした作業につい
ては、青空文庫のような感じに工作員を募り、ボランティアでやってみるの
も良いのではないかと思い、準備を進めている。
追記:こんなシステムに興味があるという方は tanbousagi@infoseek.jp
までご連絡ください。システム会社や書店にどんな提案を行い、実
現に漕ぎ着けたのかをまとめた資料があるので、お送りします。
●国立国会図書館雑誌記事索引
●Nacsis-Webcat
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■「虚実皮膜の書評」/キウ
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「風化する女」 木村紅美 文學界2006年6月号
文學界新人賞受賞作。一読して思い起こしたのは絲山秋子の芥川賞受賞作
の「沖で待つ」だった。
会社の中での日常がベースに描かれていること。主人公の同僚の死から始
まること。違うところは「沖で待つ」は総合職の女・男の関係であること、
「風化する女」は事務職の女・女の関係であること。
冒頭でこれから語られるれい子さんの人物像をさっと描きあげる。
れい子さんは、一人ぼっちで死んでいった。
会社を三日も無断欠勤していたのを不審に思った上司が、管理人さん
に頼んでアパートの鍵を開けてもらったところ、ふとんの中で、すでに
硬くなっていたそうである。
れい子さんは四十三才で結婚はしていなかった。
会社では九時から五時まで口をへの字形にむすび、ふちのない眼鏡を
かけ、長い髪は黒いゴムでひとつに束ねて、もくもくと働いていた。入
社して二十年経っても、一般事務職のままで、昇給はなく、高校や短大
を出たばかりのちゃらちゃらした女の子たちと、同じ額の給料をもらっ
ていた。それで不満はないというか、あきらめているようでもあった。
「私」は部署も年齢も違うれい子さんと、昼休みの食事を一緒にしたこと
から、少し付き合いらしきものが始まる。「私」は結婚したばかりの二十代
だが、近く人間関係に嫌気が差して退職することになっている。
退職を前にした「私」に仕事はあまりなくなり、天涯孤独のうちに亡く
なったれい子さんの部屋の後始末を頼まれ、そこかられい子さんの職場では
見せない一面を垣間見ていくことになるのだけれど、それほど劇的ななにか
が隠されているわけではなく、それは会社の中での地味な日常を、少し活性
化する程度の、予想されうる趣味の世界といっていい。
それだけの地味な話であり、ストーリーを紹介するほどのなにかがあるわ
けでもないのだけれど、もういなくなってしまったれい子さんという人間の
あり方が、「私」を通してつつましく浮かび上がってくる作品で、とてもう
まく書けているのだと思うし、好感も持てた。おそらくこのように語られる
れい子さんの生涯に、近しい感情を持ちながら読む人間は多いのではないだ
ろうか。劇的ななにかがあるわけではない人生は、一般的であるだろうけれ
ど、それを一個の作品として描くことは、難しいことだろうと思う。
「沖で待つ」と比べてどうなのかと考えると、「沖で待つ」には、お互い
のどちらかが先に死んだ場合、死んだ側のパソコンのハードディスクを破戒
するという約束を、亡くなった男の同僚宅へ忍び込んで果たす、といったあ
る意味「劇的」な要素が後半に仕込まれている。そのハードディスクの中に
仕舞いこまれた同僚の「秘密」ははっきりとは分からない。おそらくそれは
「風化する女」のれい子さんの知られざる側面と同様の、凡庸な「秘密」で
あるのだろう。それらの隠された一面はささやかなものに違いない。そう
いったものを隠して描いても、表に出して描いても、ともに作品として描き
きれているのであって、この両者の小説を描く技術は、きわめて高いのだと
思われる。
こういった日常と日常へ回収可能な一見<非日常的なもの>を丹精に描け
る作家が、今後どのように作品を紡ぎだしてゆくのか、見ていきたい。
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■帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?/掩耳
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・大道廃れて、ここに仁義あり
――やれ仁だ、やれ義だと声高に叫ばれるのは、大いなる「道」が失われた
ときである(老子)
「大道廃れて仁義あり」という言葉で、現在でもよく使われる名言であり、
以下、次のように続いていきます。
・智慧出でて、ここに大偽あり(大きな虚偽がはびこるのは、人間の賢しら
がのさばりだしたときである)
・六親和せずして、ここに孝慈あり(慈父出でよ、孝子出でよと叫ばれるの
は、肉親の情愛が薄れたときである)
・邦家昏乱して、ここに貞臣あり(忠臣があらわれるのは、国の政治が乱れ
たときである)
まあ、そりゃそうだよなーとしか言えない指摘のオンパレードですねー。決
まりやルール、法が複雑化するのは、破る人が増えちゃうからに他ならない
ですし、複雑な金融システムや商品が開発されれば、それに応じた巨額の不
正が派生しがちなものです。
で、最近、ある新聞記事からこれらの言葉を思い浮かべたのですが、それは
《与党の教育基本法改正検討会(座長・大島理森元文相)は12日、同法改
正案で焦点の「愛国心」の表現をめぐり、「我が国と郷土を愛する態度」と
することで合意した》(共同通信)4月12日
という奴です。こりゃまさに、「大道廃れて仁義あり」「六親和せずして、
ここに孝慈あり」そのものだな、と……
で、こういった「愛国心教育」といった報道でいつもまず疑問に思うのは、
国とか郷土の側に愛されるだけの実態がなければ、逆効果になるだけじゃな
いの?という疑問なわけです。
会社で言えば、「社会貢献をベースとした理念やビジョンが会社に浸透して
いて、社員を大事にし、育み、公平な競争が繰り広げられている」といった
組織であれば、わざわざ「愛しなさい」とか教育しなくても、そりゃ社員は
愛社精神に燃えるでしょうと思うのです。
でも、「自社さえ良ければいい、儲けのためなら何をやってもいいという社
風で、社員は使い捨て、しかも有力派閥や情実人事が横行している」といっ
た会社だったら、いくら愛社精神を教え込んでも、すぐに萎れちゃうのでは
と思うわけです。それじゃ会社としてもマズイので、会社を愛せーと宣伝し
まっくて、まさに「大道廃れて仁義あり」状態……
いまの日本社会、景気が良いはずなのに実感できない人が多く、社会の固定
化が進み、自殺者は高止まり、公務員や政治家に対する過剰な優遇など、
「愛せない理由」があまりに多くなっている気がします。で、こりゃまマズ
イと、言うこと聞きそうな小さい子供にあまり調子の良いこと教えていると、
大人になって現実に直面したときに反動に走るのではとも思うわけです(笑)
今の右よりの人って、昔共産党員だった人が多いのとまったく同じ理屈です
な……
さらに思うのは、人はいろいろな組織や集団、枠組に入れ子状に所属してい
るわけです。
人→家庭・一族→都道府県市町村・会社→日本→アジア→世界
で、このうちのどれを(一つとは限らない、全部もあり)愛し、それを愛さ
ないかは、その人次第でしかないとも思うわけです。
国が大好きという人がいても結構、家庭や一族しか信用できませんというの
でも結構、地球レベルの幸せを願っていますというのも結構、しかしある立
場が、それを他の立場に押し付けるのは(説得や勧誘ならわかりますが)い
かがなものか、と思わざるを得ません。他人に押し付けなければ満足できな
いというのは、ある意味でその人や立場の弱さの証しではないかしらん……。
そういえば、与党には公明党も入っていますが、思想・宗教の自由があるの
なら、「自分の属しているどの枠組を最も愛するかの自由」もあってしかる
べきとは考えないんでしょうかねえ。他の宗教を押し付けるのが論外である
なら、自分の愛すべき枠組を押し付けられるのも論外であると思うのですが
……。
しかも、人が所属する枠というのは、枠同士の利害が往々にして対立しあい
ます。たとえばアメリカの独自行動が国際社会にダメージを与えたり、公務
員独自の利権と国益が対立し合ったり、派閥の利益と会社の利益が相容れな
かったり……。しかも、国家や公務員、派閥といった枠は、より大きな「国
際社会」や「国益」、「会社のため」を隠れ蓑に、私益をむさぼってしまう
のが常道でもあります。
何回も同じことを書いている気がしますが、子供って馬鹿じゃありません。
逆に、滅茶苦茶鋭いものです。どうせ教えるなら、自分が家庭や企業や国家
といった集団を愛した場合、それぞれにどんなプラスとマイナスが生まれや
すいのかを教えてあげれば、より賢くこういった構造を子供が理解してくれ
るのでは、とも思います。なんだか、この件では、大人の方が深く物事を見
つめることを怠っている気がしてなりません……
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■あとがき
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>最近、金融業界の最前線の人とお話しする機会があったんです
>はあはあ
>そうしたら、面白い話がありまして。いま政府が盛んに「小さい政府」と
かいっているけど、その裏で金融関係のお役所の人は数が増えて権限も強化
されているらしいんです。
>えー、それって完全な逆行じゃないですか
>そうそう。大蔵省があったころは、金融機関の小さなミスとかを公的な場
でいきなり罵倒とかはなかったらしいんですが、今は平気でそういうことを
やりまくって、みなビクビクしているんですって
>構造改革とかいってるわりに、成果が出なかったというか、うまく立ち
回った官僚の権限を強化しただけに終わっちゃたんですかね
>そうかもしれませんねー。わたしゃ自分が格好悪いせいか、どうも格好い
いことを言う人たちの振る舞いにはに敏感になっちゃうんですよねー。
>それってモテないブオトコが、ハンサムな奴のあらを探すのと同じ構図
じゃないですか??
>う、グサッ、そうかも……(笑)
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