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[本]のメルマガ vol.166
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■■ [本]のメルマガ   2004.01.25.発行
■■       vol.166
■■  mailmagazine of books       [こう見えてもクタクタ 号]
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■■     創刊は1999年5月10日、現在の読者数は6569名です
■■ 「まぐまぐ」で、殿堂入りメールマガジンのひとつに選ばれました
■CONTENTS-----------------------------------------------------------

★トピックス
→年初めから不渡り出版社が二社も。好調に見えても切羽詰ってたわけで。

★「今日(こんにち)の芸術」/ 忘れっぽい天使
→「わだばゴッホになる」と言った青森出身のかの著名な版画家について。

★「現代思想の最前線」/ 五月(ごがつ)
→好例の洋書フェア。一番の注目作は、イーグルトンの『理論以後』。
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■トピックス
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■不渡りで銀行取引停止の出版社が年始から立て続けに二社も

不渡りなんて珍しくないと言えばイマドキはもう珍しくもないのかもしれない
が、今月13日に第三書館とギャップ出版がそれぞれ二度目の不渡りを出し、と
もに銀行取引停止となった。第三書館は出版業務を別会社が継続し、ギャップ
出版は自己破産申請の準備中という。年頭から景気の悪い話で、今年はますま
す業界的に「荒れ模様」な予感。ちなみに4月1日から施行される「総額表示
義務」については各社とも今のところ大過なくすごせそうだが。


■話題書『茶色の朝』をめぐるトーク・セッションを開催

フランスで50万部を超えるベストセラーとなった、フランク・パヴロフの反
ファシズムの寓話“Matin Brun”。この物語は、現代日本社会に生きる私たち
に何を問いかけているのか。日本語版にメッセージを書き下ろした高橋哲哉と
翻訳者の藤本一勇によるトークセッション。フランク・パヴロフ物語、ヴィン
セント・ギャロ絵、『茶色の朝』(大月書店)の出版記念イベント。

○『茶色の朝』が問うもの――私たちの危機はどこにあるのか
日時:2004年01月30日(金)午後6時半より
場所:ジュンク堂書店池袋店4Fカフェにて
出演:高橋哲哉+藤本一勇
入場料:1000円(ドリンク付)
定員:40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
問い合わせ:電話03-5956-6111(池袋本店)
http://www.junkudo.co.jp/evtalk.html#matin%20brun

■岡崎武志・古書遊覧「古本は、新しい!」

古本ライターの岡崎武志氏と共に、古本巡りの魅力を堪能する20日間限定企画。
入手困難な絶版・品切れ本、懐かしい本の数々が、皆様をお待ちしています。

日時: 2004年2月9日(月)〜2月29日(日)、20日間限定
場所: 三省堂書店神田本店4階レジ横特設フェア台
                               
*版元在庫僅少本フェアも同時開催!
*岡崎武志「古本道場」開催―申し込み不要―
  2月11日(水)14時〜 場所:三省堂書店神田本店4階
  2月22日(日)14時〜 場所:同上
*お問い合せ:三省堂書店 神田本店4階 03-3233-3312(代)
http://www.books-sanseido.co.jp/
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ISBN4-314-00954-3 http://www.kinokuniya.co.jp/
精神科医の第一人者による、ひきこもり論の集大成。ひきこもりの社会的背景
から、甘えの文化との関連、欧米や韓国との比較、サイバースペースの特質、
治療者としての倫理観にいたるまで、縦横無尽に展開してきた文化論と社会論
的考察を収録。ひきこもりから現代日本の文化と社会を読み解く!好評発売中
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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◎暴発する装飾――「棟方志巧−わだばゴッホになる」展

 この版画家は余りにもポピュラーな人気を誇っているので、マイナー志向の
作品を紹介することを主たる目的とする当欄で取り上げるのは気がひける。ま
た、彼が口にする、相田みつをと取り違えんばかりの数々の人生訓(そう言え
ばトイレの壁によく複製が飾られているところまでそっくり)は俗っ気が充満
していて反吐が出そうだし、故郷青森の名士として扱われることに喜々として
いたという田舎っぽさも気に入らない。ゴッホの絵を見て感動し「わだばゴッ
ホになる」と言って上京したという例のエピソードに至っては、余りのクサさ
にこっちの方が赤面しそうだ。

 にもかかわらず、彼の作品を見かけるたびに感じる強烈な魅力を語ってみた
い誘惑に抗しきれなかった。ここには個人のナイーブな内面表現とも、民芸の
素朴さともつかない、奇妙な迫力がある。

 棟方志巧(1903-1975)。青森県出身。版画家。18歳の頃ゴッホの「ひまわ
り」の複製画に感銘を受け油絵を志すが、のちに木版画に転向。柳宗悦らの民
芸運動の指導者らに評価される。1956年に第28回ヴェネティア・ビエンナーレ
国際美術展の版画部門でグランプリを受賞。1969年には青森市名誉市民第一号
となる。『板極道』(中央公論新社)などの著書もある。生誕百年を迎え、宮
城県美術館、奈良県立美術館、Bunkamura・ザ・ミュージアムなど6つの美術
館で大規模な記念展覧会が催されている。

 棟方志巧の作品をじかに目にすると、間違いなく20世紀の前衛芸術の息のか
かったものであることが見て取れる。構図の異様なまでの奔放さ、対象の強烈
なデフォルメの仕方は、対象を、それが置かれていた元の社会的文脈から切り
離して捉える「抽象性」の志向の意識なくしては出てこないものだろう。知人
に画家だけでなく文学者も多く持っていたハイカラ青年だった棟方が、海外の
芸術の動向に対して鈍感だったとは思えない。
 しかし、それだけでは棟方志巧はエキゾチズムを売りにした現代美術家の一
人ということで終わってしまう。

 前衛美術が画家の自我意識を表現の中心に据え過度に主観的な傾向を強める
か(表現主義)、逆に主観性を廃して表現行為そのものを対象化するか(ダダ
イズム、コンセプチュアル・アート)、描線や色彩、更には素材そのものの自
律性をテーマとするか(抽象主義)の方向にほぼ集約されていくが、これは近
代という時代の中で孤独化していく表現者の立場を投影したものだ。芸術家た
ちは、資本主義社会の市場の中で「大衆」の注目を勝ち得るために、「個」の
アイディアの差異を際立たせる必要に迫られていたのだ。他の人がやるのとは
違うこと−が作品の商品価値につながっていく。大衆から遊離してみせること
が「前衛的試み」として、逆に大衆にアピールすることになるというわけだ。

 だが棟方は前衛美術が指し示す方向に、幸運にも背を向けることができた。
彼は、ねぶた祭りなどで知られる東北地方特有のデザイン感覚・色彩感覚を備
えており、大衆から遊離しないで創作をすることに疑問を持つ余地がなかった
ようだ。若い頃に川上澄夫の叙情的な版画に素朴に感動したせいもあっただろ
うが、柳宗悦らの民芸運動に触れたことは決定的な体験だったようだ。

 棟方は好んで日本的・東洋的な情景を描き始め、特に仏教的な題材には力を
入れた。初期の代表作である「東北経鬼門譜」(1935)は、東北の飢饉の最中
に、衆生を救おうと祈る仏の姿を描いた大作だが、作者個人の自己表出の影は
見られない。あくまで民衆の宗教的な感性の表出に焦点が当てられている。同
じく激しい表現ながら、ゴッホとはここが違うのである。

 「我」でなく、東北の民衆の感性に絶対の信頼を置いた「我々」の表現。そ
のために、彼の作品の特徴は、その独自の「装飾性」に表れることとなる。
 装飾というものは、近代芸術においては対象をリアルに描く行為に華を添え
る、二次的な意味合いしか持たない。だが、多くの民衆芸術のように、作者個
人が対象の意味合いを決定するのでない場合−つまり、あらかじめ民衆の中で
共有されている観念の表出が芸術の機能として求められている場合−対象を個
人が見たままにリアルに表現することに意味はなくなり、対象に内在している
象徴性の真に迫った表現こそが求められるようになる。民衆が信じる観念をす
っと浮かび上がらせるもの−それが「装飾」なのだ。

 棟方志巧が初めて渡米した際、最も強い印象を受けたものは一つはピカソの
有名な「ゲルニカ」、もう一つはインディアンのトーテム・ポールだったとい
う。このことは示唆的である。「ゲルニカ」は戦災にあった民衆の心の表現に
光を当てた点で、ピカソの作品の中でも異彩を放つものである。ピカソが民衆
に憑依する形で創作されたこの作品は、民衆の生活を象徴するものを一つ一つ
画面に強烈に「装飾させていく」ことで成り立っている。表現者自身の「観察」
を徹底的に推し進めたキュビズム時代の静物画とは根本的に創作態度が異なる
のだ。トーテム・ポールは言わずもがな。製作者たちは、複雑な宇宙観を装飾
的な記号の中に織り込んだ。民衆は絵を見るのでなく、「読んだ」のだ。

 棟方志巧は、民衆の感性を象徴する「装飾性」に着目し、民話のように物語
として「読ませる」と同時に、近代絵画として「見る」行為にも耐えられる強
度を持たせることに熱中した。この二面性こそが棟方の魅力なのだと思う。

 映画「ゴジラ」の音楽の作曲家である伊福部昭が、棟方志巧と歩を合わせる
同時代者だと言えるだろうが、民衆の象徴的な表現意識に基礎を置いた芸術家
は今後もう出ることは難しいのではないだろうか。グローバリズムの波は伝統
的な「我々」を個々の「我」に分解しようとしている。この揺り返しがいつか
また、思いがけない形で起こることを、心から期待したい。

*生誕百年記念展「棟方志巧−わだばゴッホになる」関連サイト
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/munakata/munakata.html

*棟方志巧関連最新刊
飯窪敏彦『棟方志功 写真集』(文芸春秋 3000円)
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価格1600円、ISBN4-7914-1115-7 http://www.seidosha.co.jp/
フーコー、ドゥルーズ、ジュネらによる「監獄情報グループ」関連文書6本を
特別掲載するほか、主要執筆陣に宇野邦一、十川幸司、ナンシー・フレイザー、
中山元、松葉祥一、原宏之、石田英敬ら19名の論考を収録。――好評発売中!
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■「現代思想の最前線」/ 五月
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◎洋書フェア2003の経過報告とイーグルトンの話題の新刊『理論以後』

ああもう年が明けたと思ったら、最初の一ヶ月がはや終わろうとしている。お
ちおち振り返る間もなく、出版社を立ち上げてから四期目に入った。時間の流
れがはやすぎて恐ろしい。この調子では十年などあっという間に過ぎてしまう
だろう。

三省堂書店神田本店四階哲学思想書コーナーの「人文社会系洋書ベストセレク
ション」フェアが今月31日まで開催されている。今年に入ってから全面的に商
品の配置をかえた。新入荷の書物を受け容れるために、ディスプレイは刻々と
変化していく。フェア台はそうやって「呼吸」し、新しいものになる。

フェア書目 http://biblia.infoseek.ne.jp/g/fbf2003.htm

先月の報告以後、さらに動きのあった商品を紹介する。書名、著者名、版元名
の順で表記している。

"Hegemony or Survival" by Noam Chomsky. Henry Holt.
"Reflection on Exile and Other Essays" by Edward Said. Harvard.
"Conversations with Manuel Castells" Polity Press.
"Feminism without Borders" by Chandra Mohanty. Duke
"The Shortest Shadow" by Alenka Zupancic. MIT Press.

チョムスキーやサイード、カステルらの書目が動くのは比較的に想像がつくが、
チャンドラ・モハンティの『境界なきフェミニズム』が動いたのが嬉しい。ス
ピヴァクほどには知られていないが、インド出身でアメリカで教鞭を執ってい
る、フェミニズム理論の俊英だ。まだ単著の日本語訳はないが、今後ますます
注目されていくだろう。ジジェクの盟友ジュパンチッチのニーチェ論も売れて
いて、彼女の著書のはじめての日本語訳『リアルの倫理』も同様に動いている。
同じ方が購入されているのだろうか。

"Gerhard Richter" by Gerhard Richter. MOMA, New York.

芸術系の書籍では、ゲルハルト・リヒターの本が売れた。これは先月紹介した
某版元編集者氏の選書だったと記憶する。今回のフェアの中ではアート関連の
書目は少なく、他には建築家のピーター・アイゼンマンの本が一点エントリー
しているだけだが、リヒターのものもアイゼンマンのものもボリュームのある
書目なので、ぜひ一度手にとっていただきたい。

"Ecrits politiques:1958-1998" by Maurice Blanchot. Leo Scheer.
"L'Ombre de l'amour"by Agamben & Piazza. Rivages.
"Le Pouvoir psychiatrique" by Michael Foucault. Seuil.
"Deux regimes de fous" by Gilles Deleuze. Minuit.

フランス系の書籍では、フーコー、ドゥルーズ、ブランショ、アガンベンの著
書が順当に売れている。フーコーの書目はコレージュ・ド・フランスにおける
1973年から1974年にかけての講義の記録であり、これは周知の通り筑摩書房か
ら『ミシェル・フーコー講義集成』シリーズの一冊としていずれ翻訳出版され
るものだ。

"Maurice Merleau-Ponty: Basic Writings" Routledge.

フランス語の原典ではなく英訳版なのだが、メルロ-ポンティの選集が動いた。
日本では彼の著作はほとんどがみすず書房から翻訳出版されていて、学部生や
院生が研究するにはなかなか良い環境である。当たり前と言えば当たり前かも
しれない話になるが、著作の多くが日本語訳され、その書籍が絶版にならず市
販され続けたり新訳が出たりする思想家はやはり研究しようという学生も多い
が、逆にほとんど翻訳されていない思想家は、その後も依然として翻訳も研究
も少ないままに留まるケースがままあるように思う。

例えば、日本人のジョルジュ・バタイユびいき(これは悪意をこめて言ってい
るのではない)は今に始まったことではなく、先般『エロティシズム』の新訳
がちくま学芸文庫から発売されたばかりだが、彼と同時代を生き、交流もあっ
たロジェ・カイヨワはと言えば、70年代以後の一時期はあれだけ日本語訳され
たにもかかわらず、そのほとんどは絶版になり、忘却される一方だ。フランス
では書肆ファタ・モルガナが継続的に彼の著書をぽつぽつと出版し続けていて、
美文家の誉れも高い彼の優れたエセーは今も読み継がれている様子ではある。

「良質な随筆」というものは今や純文学同様に世界的に衰退しつつある「絶滅
危惧種」であるようにも見える。文学作品の流麗さと哲学論文の理知性を兼ね
備えたそれは、いつからか蜃気楼のように幻の存在と化している。恐らく私た
ち現代人が大局的に体験しつつあるのは、様々な境界の喪失である。文学は文
学に閉じこもり、哲学は哲学で専門化する。有史以来未曾有の高度なコミュニ
ケーション技術を発展させた現代人にとって、皮肉なことにもっとも困難な作
業とは、一方と他方をコミュニケイトさせること、越境し交流させることであ
る。すでに1988年の時点で伊藤俊治と植島啓司が問題化していたように、私た
ちはディスコミュニケーションの時代に深く分け入りつつあるのだ。

洋書フェアの話に戻ろう。新入荷の書目を紹介したい。

"After Theory" by Terry Eagleton. Basic Books.

昨年末(2003年12月)に刊行されたイーグルトンの最新著であり、今回のフェ
アで一押しなのは何をおいてもこの一冊である。フランク・カーモードやスラ
ヴォイ・ジジェクからすでに大いに評価されている。イーグルトンは相変わら
ずの鋭い舌鋒で、今度は「理論」の終焉を言い渡す。ここで言う「理論」とは、
構造主義からポストコロニアル批評にいたる、およそここ30年間のポストモダ
ンな思想的潮流の「理論」を指している。理論は現実世界を把握し、革新して
いくための知的営為でなくてはならない。ポストモダニズムはそうしたリアリ
ティの追求に失敗している、とイーグルトンは見ているのだ。

愛、悪、死、信といったヴィヴィッドな大問題に取り組むのが知識人の仕事な
のだと彼は主張する。大上段に振りかぶっているわけではない。社会的実践か
ら離れた場所に知的営為があるのではないということを彼は強調したいわけだ
ろう。彼は本書の半年前に回想録を刊行しているが、いよいよ彼も老いてきて、
言うべきことは今のうちに言い、為すべきことは為しておこう、と考えている
のかもしれない。

"The Gatekeeper: A Memoir" by Terry Eagleton. 2003, St. Martin's
Press. ISBN: 0312316135

残念ながらこの書目は、フェアでは扱っていないが、前述の『理論以後』同様、
購読しておきたい本である。

"Redistribution or Recognition ?" by Fraser & Honneth. Verso.
"Encounters with Alphonso Lingis" by A. E. Hooke. Rowman & Littlefield
"Refractions of Violence" by Martin Jay. Routledge.
"Organs Without Bodies" by Slavoj Zizek. Routledge.

ナンシー・フレイザーとアクセル・ホネットの連名になっている最初の一冊は、
たしか前年度のフェアで書目がリストには挙がったものの、結局入荷してこな
かった本だったはずだ。三番目のジェイの新刊は入荷して早速売れているそう
だ。「9.11以後」の世界を読み解く上で、「暴力」は非常に重要なキーワード
になっていると言える。ジジェクのドゥルーズ論については前回少し触れたよ
うに思うので割愛。注目作である。

フェアの終了まであと一週間。お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください。

* * *

さて恒例だが最後に、私がオンライン書店bk1の「人文レジ前」コーナーで
今月取り上げた人文書新刊を列記し、ベスト1を発表したい。

『政治』P・ブルデュー著/藤本一勇+加藤晴久訳/藤原書店
『熱狂とユーフォリア』亀山郁夫著/平凡社
『空虚の時代』G・リポヴェツキー著/大谷尚文+佐藤竜二訳/法政大学出版局
『〈帝国〉と〈共和国〉』A・ジョクス著/逸見竜生訳/青土社
『犠牲と羨望』J=P・デュピュイ著/米山親能+泉谷安規訳/法政大学出版局
『茶色の朝』パヴロフ物語/ギャロ絵/藤本一勇訳/高橋哲哉解説/大月書店
『精霊の王』中沢新一著/講談社
『カオスモーズ』F・ガタリ著/宮林寛+小沢秋広訳/河出書房新社

ベスト1は企画面では『茶色の朝』。『世界がもし100人の村だったら』に続
く、よくできた大人の絵本だ。いっぽう、内容面では『精霊の王』。宗教思想
と革命思想とポストモダニズムの非常に巧みなブレンドは中沢のデビュー当時
からの得意技だったが、本書ではその最新ヴァージョンが確認できる。金春流
の能楽論とネグリの政治論がくっついちゃうのは見事だが、見事であるがゆえ
にただ読んで感心していればいい代物ではない。中沢のいかがわしさは彼の冒
険心と表裏一体である。そこをどう肯定し評価していくとともに、論破してい
くかが問題だ。[2004年1月25日]
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★PR★平凡社の新刊★『宋詩選注(1)』銭鍾書=著、本体価格2900円、
ISBN4-582-80722-4 東洋文庫最新刊。唐詩と異なる魅力を湛える宋詩。20世
紀中国の泰斗が各詩人を評し、作品を注釈する。蘇軾をはじめ、理知と日常性
を重んじた宋詩の真髄を味読できるアンソロジー、待望の邦訳。全四巻。
『木村伊兵衛と土門拳』三島靖=著、本体価格1400円、ISBN4-582-76488-6 
平凡社ライブラリー最新刊。日本写真史上の二大巨頭はいかに時代と向き合っ
たか。スタイルもテーマも好対照に見える終生のライバルである二人が追求し
た「写真」とは。証言を交えつつ両者の魅力再発見する。写真図版多数。
『[改訂新版]万葉の旅(中)近畿・東海・東国』犬養孝=著、本体価格1200円、
ISBN4-582-76489-4 平凡社ライブラリー最新刊。日本各地にある万葉の地を
訪ね歩き、草陰にひそんでいる古代人の足跡、風のそよぎに感ぜられる万葉び
との詩情をゆたかに説き起こす、「犬養万葉」の集大成。全三巻。好評発売中
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