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[本]のメルマガ vol.93
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■■ [本]のメルマガ     2002.1.15.発行
■■         vol.93
■■  mailmagazine of books          [まさに眼福 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★トピックス 

★「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)
→再び購入冊数減少計画か!(笑)

★「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
→自費出版という流通形態の可能性を、斬新な視点で取り上げます。

★「書店を面白くするためノウハウ」/掩耳
→書店員と出版社員という、おもろい夫婦のような関係を考えます。

★「本の周りをうろついて・・」/湯川新一
→しばらく休載になりまーす。
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■トピックス
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■小谷真理さんと山形浩生氏の民事裁判
気鋭の評論家・翻訳家である山形浩生氏の著述を、SF評論などで名高い小
谷真理さんが名誉毀損で訴えていた裁判の判決が出ました。判決の中で、山
形氏のHPでの謝罪が指定されていて、現在、それが下記から見ることがで
きます。
http://www.post1.com/home/hiyori13/jindex.html

■イベント情報です
池袋のジュンク堂で、いま話題の著者による講演会が行なわれます。
『「激論! ひきこもり」ひきこもりに向き合う哲学の激突と交差』
工藤定次氏と斎藤環氏の対談 2002年2月23日(土)18:00〜
入場料1,000円(ドリンクつき)
【ジュンク堂書店 池袋店】TEL 03-5956-6111
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■「全点報告 この店で買った本」/南陀楼綾繁
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第21回 タマには真面目に年頭所感

今年初めての「この店で買った本」です。今年も新刊書店を毎日覗いて、店
頭の動きを伝えたいと思いますので、ひとつヨロシクお願いします。買う冊
数は次第に減らしていくつもりですが(←みんなにムリだと云われますが)。

さて、出版界での昨年いちばん大きな出来事は、12月頭の鈴木書店破産に尽
きるでしょう。この取次会社がツブれることで、困った事態に陥った出版社
や書店はたくさんあります。ぼくも、自分が編集した雑誌(書籍コード扱い)
が、いつも大量に置いてくれる書店に発売日が過ぎても並ばないというコト
がありました。これまで鈴木経由で入れていたので、入荷してないコトに気
づかなかったそうです。熱心な書店員でもナニしろ扱うアイテム数がハンパ
じゃないから、一点ずつに手が回らないのでしょう。同情するとともに、あ
まりにも大量の新刊書を生み出してきたツケが一気に回って来たという気が
します。しかも、出版業界が外部にあまり情報を出してこなかったために、
この鈴木破産がいかにモンダイなのかは、一般の読者にはなかなか伝わりに
くいようです。普通のヒトは書店には本があってアタリマエだと思ってます
からね。
でも、そうじゃないんです。いまの書籍流通を変えないと、読者に本が届か
なくなる日も来るかもしれないのです。鈴木破産が、新しい流通システムを
つくりだすキッカケになれば、不幸中の幸いなのですが。

十二月一日
◎書肆アクセス
梅田俊英『ポスターの社会史 大原社研コレクション』ひつじ書房、
2400円+税(以
下同じ)

十二月三日
◎往来堂書店
大串夏身『文科系学生のインターネット検索術』青弓社、1600円

十二月五日
◎創文堂書店
イタロ・カルヴィーノ『パロマー』岩波文庫、500円

十二月七日
◎東武ブックス(日暮里店)
船戸与一『血と夢 増補新版』徳間文庫、648円
たかさきももこ『白衣でポン』第5巻、857円
【ひとこと】この辺り、心身ともに調子が悪く、ウチに引きこもりの状態だ
った。神保町に行く気もせず、自転車で近所の書店を回るのがせいぜい。そ
んなときは、買う冊数も少なくなるようだ。

十二月八日
◎高円寺文庫センター
種村季弘『偽書作家列伝』学研M文庫、650円
美好沖野『オキノニッキ』(『月光』増刊)1428円
『ソトコト』1月号、◎◎円
【ひとこと】『オキノニッキ』は、やおい少女の日記本。解説の唐沢俊一も
『噂の真相』2月号の中森明夫も絶賛している。この店ではこういう本を目
立つ位置に置いてくれるので、見つけやすい。『ソトコト』は読書特集。ち
なみに、ぼくが昨年チェコで世話になったラデク・ランツさんが、秋からコ
コの編集スタッフになって日本に来ている。だから、というワケではないが、
最近の『ソトコト』はイイ味出していると思う。この日は、ヒトのウチで忘
年会があり、『ソトコト』を置き忘れてきたので、定価は不明。サイト
(http://www.nifty.com/SOTOKOTO/)は内容的には充実しているんだけど、
定価がまったく書いてないんだよねェ。どの出版社のサイトにも云えること
だが、キャッチコピーや表紙画像もイイが、書誌データベースとしても使え
るように、基本的なデータは必ず入れておいてほしい。
◎大竹文庫(高円寺)
『貸本文化』第19号、600円
◎信愛書店(西荻窪)
宇佐美道雄『早すぎた天才 贋作詩人トマス・チャタトン伝』新潮選書、
1300円
喜国雅彦『本棚探偵の冒険』双葉社、2500円
【ひとこと】西荻在住時はよく通った店。二年ほどまでに新築のため仮店舗
に移った。新しい店には今回はじめて行く。マニアックな品揃えは相変わら
ずだが、以前の店のように奥のコーナーに未来社やみすず書房の大昔の本が
並んでいるコトはなかった。アタリマエだけど。綺麗になって新しい読者が
つくことは嬉しいけれど、古いモノがそのままそこにあることの良さもまた
捨てがたい。

十二月十日
◎文教堂書店(市ヶ谷店)
ミステリー文学資料館編『幻の探偵雑誌8 「探偵クラブ」傑作選』
光文社文庫、724円
『噂の真相』1月号、448円

十二月十二日
◎丸善(お茶の水店)
『本の雑誌』1月号、619円

十二月十三日
◎文鳥堂書店(飯田橋店)
筒井たけ志他編『野口久光グラフィック集成 ヨーロッパ名画座』
朝日ソノラマ、3800円
樋口覚『雑音考 思想としての転居』人文書院、2400円
沖浦和光『幻の漂泊民・サンカ』文藝春秋、2095円
中島らも・チチ松村『らもチチ わたしの半生』青春篇、講談社、1300円
福山庸治『うろしま物語』太田出版、952円

十二月十五日
◎日本特価書籍
田中眞澄編『小津安二郎「東京物語」ほか』みすず書房(大人の本棚)、
2400円
山本武利『日本兵捕虜は何をしゃべったか』文春新書、680円
【ひとこと】この店は、新刊書を一割引で購入できる。最近よくこの店に来
るのは、毎週金・土の古書展が、古書会館の新築工事のため、一ツ橋の日本
教育会館で行なわれることになり、神保町の西側をよく歩くことになったた
めだ。歩く道が変わると寄る店も微妙に変わってくる。ニンゲンって単純だ。
◎高岡書店
島本和彦『吼えろペン』第3巻、小学館、533円
◎三省堂書店
たかさきももこ『今夜もお買い物』集英社、400円

十二月十六日
◎うらわ美術館 http://www.uam.urawa.saitama.jp/
『本という美術 大正期の装幀から現代のオブジェまで』図録、1800円
【ひとこと】うらわ美術館はアーティストブックを多く収集していて、開館
時の展覧会はかなりオモシロイものだった。しかし今回の展示は、副題のご
とくムリに手を広げすぎて収拾がつかず、かえってポイントのつかめないも
のになっていた。しかし、図録には恩地孝四郎『飛行官能』(1934)の全ペー
ジをはじめとして、まさに「眼福」と云いたくなるような美しい本の図版が
見られるので、トーゼン買い。この展覧会を見た翌日、大岡山の古書店「日
月堂」に行ったら、会場に展示されていた恩地装幀の尾瀬敬止『新露西亜画
観』(1930)があるではないか! 大枚ハタいて買いましたよ。図録に載る
ような本を買うようになるとは、自分がコワイ。

十二月十八日
◎文教堂書店(市ヶ谷店)
太田和彦『新精選 東京の居酒屋』草思社、1400円
『クイックジャパン』第40号、900円
『サイゾー』1月号、657円

十二月十九日
◎ブックファースト(神田店)
村田喜代子『人が見たら蛙に化れ』朝日新聞社、1900円
四方田犬彦編『李香蘭と東アジア』東京大学出版会、4400円
鶴ヶ谷真一『猫の目に時間を読む』白水社、1800円
『おすすめ文庫王国2001』(『本の雑誌』増刊)700円
『福神』第7号、1600円
村井弦斎『台所重宝記』平凡社ライブラリー、1200円
河竹登志夫『作者の家 黙阿弥以後の人々』全2巻、岩波現代文庫、1000円
(第一部)、1100円(第二部)
【ひとこと】5パーセントが還元されるというブックファーストのポイント
カード。いままで訊かれても「いらない」と答えていたのだが、CDにも使
えるようなので、つくってみる。そういえば、しばらく前の「新文化」に、
神田でブックファーストに対抗するため既存書店のポイントサービス戦争が
起こっているという記事が載っていた。ある店の店長の「やってもほとんど
意味はないのだが、やるしかなかった」というコメントが印象的だった。行
くも地獄、進むも地獄というカンジなのか。

十二月二十二日
◎日本特価書籍
篠田節子『妖櫻忌』角川書店、1400円
◎書肆アクセス
飯干陽『明治の少年記者 木村小舟と「少年世界」』あずさ書店、2200円
『朱夏』第16号、1715円
『etc.』12・1月号、300円
◎東京堂書店
三田村鳶魚『時代小説評判記』中公文庫、781円

十二月二十八日
◎三省堂書店(神保町本店)
臼杵陽『イスラムの近代を読みなおす』毎日新聞社、1600円
『だれでもわかるイスラーム』(『文藝』別冊)河出書房新社、1143円
◎文教堂書店(市ヶ谷店)
安藤哲也『本屋はサイコー!』新潮OH!文庫、486円

十二月二十九日
◎たらば書房(鎌倉)
『レコード・ダイアリー2002』(『レコード・コレクターズ』増刊)、
1143円

十二月三十日
◎TOKYO文庫TOWER(渋谷)
原武史『〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々』講談社学術文庫、
860円
清原なつの『アレックス・タイムトラベル』ハヤカワ文庫、800円
【ひとこと】12月にオープンしたこの店は、渋谷の老舗・大盛堂書店がセン
ター街入り口につくった文庫専門店。しかし、大手書店の文庫コーナーとさ
ほど変わるところのない品揃え。いまの流通では専門店化は難しいから仕方
がないのだが、この店でしか見つけられない商品がまったくないのがヨワい。
文句云いつつも、一階のレジ前に清原なつののサイン本(新刊でもないのに
ナゼだろう)があったので、思わず買う。

今月の購入本 計46冊(それでも少しは減りました)
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■「今日(こんにち)の芸術」/忘れっぽい天使
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自費出版について思うこと

忘れっぽい天使

自費出版の点数が増えてきている。自費出版と銘打たれたもので年間3
万点余出ているそうだが、著者買上げを前提に作られた本などを含めると
倍はいくであろう。国や大学その他の公共団体が資金を提供して作られた
書籍というものもある。最新型の洗濯機を作らせるために国家が企業に資
金を提供した話は聞かない。オリンピック・スポーツや歌舞伎と同様に、
書籍も保護し振興すべき文化の一つで、利潤を超えた価値を持つというわ
け。書籍の価値の他、当然多少の政治的判断が入ってくることだろう。
それなりの文化的価値を持つと著者は信じているけれど、公共団体から
援助を得るには至らず、商業出版社からも商品価値を認められなかった本
が、自費出版として刊行される。

一口に自費出版と言ってもその内容は多様だろう。壮年に達した人が書
く「自分史」などは、よっぽど特別な仕事を行った人が書いたものは別だ
が、書店の店頭に並ぶ必要は特にないだろう。家族や知人に配ればそれで
いい。自費出版の体裁で出してもらって、一定以上売れたら著者にバック
してもらうというやり方もある。自費出版とは言え、商品化への道も狙っ
ていて、書店に委託販売させるために出版社が営業に動く。原稿の審査も
結構厳しいらしい。著者にとっては自分の書いた本が書店の店頭にある程
度の規模で並ぶことにメリットがあるし、出版社にとっては資金繰りのリ
スクを回避できるメリットがある。このやり方の場合、自費であっても
著者は「セミプロ」としての自覚を持ってほしい。社会性・エンタティメ
ント性を充分考慮に入れ、「書店の店頭でどう手に取られるか」まで計算
した上で原稿を書き進めてほしいものだ。

有名版元から本を出せば肩書きに箔がつく、という理由で学術書を自費
で出版する人もいる。中身さえ良ければ、学問の発展につながるし出版社
は助かるしで、どんどん出すべきだろう。専門書出版社は売れる見込みの
立たないものを無理に自腹を切って出版する愚を犯さないほうがいい。人
文科学・自然科学などの学術書は、細々とはしていても、アカデミズムに
よって整備された「読まれるための道筋」というものが確実に存在するは
ずだ。専門書を読む「その筋の人」を捕まえることは労を厭わなければ実
はそれほど難しくはないはず。版元と著者は本をバラ撒くのでなく、事前
に顧客に情報を流すなどの手間をかけた上で書店に営業に行くべきではな
いか。もちろん書店員への入念な商品説明は不可欠である。

そして詩歌・戯曲などの非商業型(自己表現型)文学。これは結構問題で
ある。そもそも読者の満足よりも自己の満足のほうが優先されているのだ
から。からかっているのではない。表現を直截にめざす文学とは、本来そ
うあるべきなのだ。著者は読まれるのを待つのでなく、読者を探しにいか
なければならない。書店の店頭でそれがかなわない場合、手渡しする相手
を選ぶことにアタマをひねるべきだ。卑下する必要などない。
ぼくも昨年詩集を出版した。400部で100万円ちょいかかり、一部
の大手書店と詩の専門店「ぱろうる」に配本された。それ以外は郵送か手
渡しで、知人・友人・敬愛する芸術家たちに送り、3割程度の相手から感
想をいただいた。特に友人からの素朴な反応は嬉しかった。それで充分。
ぼくの作品は実験的な傾向が強く、エンタティメント性が極端に少ない。
こうした文学を無理に既存の流通に乗せるのは良くない。返品の量を増や
すだけだ。店頭に置いてもらうなら、そこの店員と展示の仕方をじっくり
話し合ってからだ。
コミケのような自主的な流通の場を設けて著者同士で販売・交換するこ
とは、今後決定的に重要になってくることだろう(更に大事なことはその
場を一般客に対しオープンにし、絶えず入口を開いておくことだ)。

どんな人も本は書けるし書くべきだと思う。自費出版はもっともっと増
えていい。それはいたずらに店頭での流通量を増やせということではない。
定価が印刷されているからと言って、本が商品であるとは限らない。本は
それにふさわしい多様な流通の場を欲しがっているだけなのだ。

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■「書店を面白くするためノウハウ」/掩耳
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3)書店はどうやったら個性化できるのか(大型店向けノウハウ)
    ――優秀な出版社員は、書店にとって奪い合うべき対象なのです

五百〜千坪クラスになると、書店とは、実は個性化するのが案外難しくなっ
てきます。

まず基本。
本は、制度的に値段で差をつけらません。さらに、お店の立地も、最初に与
えられた条件の変更はほぼ不可能です。

また、千坪クラスの店になると、個々の商品の違いでも差をつけつことも難
しくなってきます。千坪あれば、おそらく流通している本の六割くらいはカ
バーできるはずなのですが、例えば一年簡棚に並べても一回も売れないよう
な本を調べて排除すると、案外、どんな立地でも同じような品揃えになって
しまうのです。

そんな状況下、どこで差をつければいいのか。基本的に三つのことが考えら
れます。
1)他店で手に入らない商品がある(品切れ、絶版本、サイン本)
2)他店にないオマケがつく(グッズ、情報、イベント・・・)
3)他店では出会いにくい本に出合うことができる

この内、3)は前回まで取り挙げた棚の作り方、そしてフェアなどのやり方
に大きく関係するものです。

例えば、他のお店が棚差しでしか置かない本が、フェアとしてズラッと並べ
られたとき――そのフェアや、商品に「おや、なんだろう」と顧客がつい歩
み寄って、手に取ってもらうだけの力があれば、それはライバル店ではなく
その店に通いたいと思わせる個性化の大きな原動力になるわけです。
これは、この連載の後の方で詳述します。

さらに、1)と2)。
これも、実現できれば、「当たり前のものしか置いてない店ではなく、その
店に行きたい」と思ってもらうための大きなきっかけになるものです。
しかし、各書店、わかっていても中々できない部分もあるわけです。
なぜなら、書店単独の力では不可能で、出版社の方の強い協力が必要となる
からです。自分だけが「やりたい」と思っても、空回りになってしまう事項
なのです。

ここから、いかに出版社の方と良好な関係を作るか、という課題が出てきま
す。ただし、出版社のどんな人でも仲良くなればいい、というわけではあり
ません。例えば、「自社の本を無理にでも押し込めばいいと思っている営業
の方」や、「自社の商品に関して、きちんと説明ができない方」は、いくら
頑張って付き合っても、ほとんど益のない場合が多かったりします(なんか、
ちょっと過激になってきたけど、お許しを・・)。具体的ケースでいえば、
例えばある専門書の販売促進――ある本を新刊コーナーに置いて欲しいと営
業にいらっしゃったとします。その場合、以下のように考えます。
・専門書はある程度、顧客層が絞られ、その分の売上げは確実に見込まれる。
・そのような顧客の方は、まず100%その専門書の置かれるであろう棚に
直行するはず。
・にもかかわらず、それを新刊コーナーに置いて欲しいということは、その
本自体に衝動買いする要因がある。または、ある売り方の工夫をすれば(他
にも、書評に確実に載るなどの外部条件によって)、それはそのジャンルの
専門家でなくても衝動買いする可能性がある。

僕が書店員時代、専門書としての色合いが強いものに関しては、往々にして
「この本は、どこに衝動買いしてもらえる要因があるんですか」と聞いてい
ました。そこで、きちんと答が返ってくれば置き、返ってこなければ置かな
いということをしていました。きちんと答の返ってくる、来ないの割りあい
は半々という感じだったでしょうか・・優秀な方の中には、ご自分でPOP
を書いてくれたり、一緒に置けばさらに衝動買いの可能性を高めてくれるよ
うな他社商品をリストアップしてくれるような営業の方までありました。そ
ういう方こそ、恐らくこちらが食い下がってでも付き合ってもらうべき方な
のだと考えられるわけです。書店と出版社のお互いの利益になる提案を、こ
ちらができさえれば、そういう方は間違いなく力を尽くしてくれると信頼で
きるからです(これは、恐らく書店員も逆の意味で版元の方に見られている、
と容易に予想のつくことでもあります)。

そして、このような出版社の方は、優秀であるがゆえに往々にして、どこで
も引っ張りだこになります。つまり、大げさなようですが出版社の優秀な方
というのは、書店員にとって奪い合うべきだという状況が生まれてくるので
す。

なのに、逆に、書店員はあくまで出版社さんにとってのお客さん、奢っても
らって当然なもの、などと考えていては、その時点で脱落なのです。出版社
さんとの美味しい企画も、「きみの所だけに・・」という美味しい話とも、
一生無縁になってしまいかねないわけです。
優秀な出版社員の脳裏にある、書店の優先ランキングの中で、自店をを常に
トップクラスにしておく――これは、自店の利益を上げるという目的のみを
考え抜けば、単純に導き出される一つの方策なのです。

例えば、確実に数日で売りきれるサイン本を出版社さんが手に入れたとして、
まずあそこに声をかけて挙げよう――そう、まっさきに脳裏に浮かぶ書店に
なるために・・いや、大げさなことではないんですが、やはりいくつか原則
があります。
1)経費で落ちるという状況でなければ、極力奢ってもらうことはしない
(万が一、奢ってもらう状況になったら、心からのお礼をいいましょう)。
2)版元さんに何かを頼むときは、それが極力お互いの利益になるものにな
るよう、頭をひねる(自分の利益ばかり大きいことだけを頼み続けては、よ
い関係は続けられないということです。目指すべきは共存共栄)
3)力関係で態度を変えない

まあ、他業種の方から見れば、なんて常識的なことを、と言われそうですが、
しかし悲しいかな、いろいろな方の話を聞く限り、おごってもらって一切例
もいわない書店員、セクハラまで始める書店店長や社長、海外の出版社さん
からの招待旅行で自分一人だけオペラを見せろわがまま三昧のべて顰蹙買い
まくった書店二代目社長など(ああ、実名出してやりたい)・・希ではなく
いるようです。そういうとこは長期的に見れば凋落して行かざるを得ないの
ではないでしょうか(続)
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■あとがき
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>成人式ですねー
>はあはあ
>こういうときって結構TVとかで、最近の若者はイカンとか、いや大人の
方がイカンとかいう討論みたいのやるんですけど・・
>ああ、昔、若者とおじさんがすごい形相で罵り合った番組見たことありま
すよ
>あれって、若者にも大人にも、それぞれの集団には一定の割合でイカン人
たちがいて、お互いに相手のイカン人たち突つきあって、「お前の方がより
だ、駄目じゃないか」と言い合う結果になりがちなんですよね。
>ああ、そりゃ、若者にも大人にもいろんな人がいますからね。
>お互いの駄目な部分突つきあっていれば、議論がすれ違うのは目に見えて
いるんだけど、それでもやりあう人たちと、厭きもせずやらせるTVって一
体・・と思うんですが
>いっそ、マナーの明かに悪い若者と大人を共々セレクトして、討論させた
ら面白いんじゃないですか? 案外、意気投合して徒党くんじゃったりして
(笑)
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