2008.08.16 Saturday
[本]のメルマガvol.330
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■■ [本]のメルマガ 2008.8.15.発行
■■ vol.330
■■ mailmagazine of books [一銭ももらえないなんて! 号]
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■CONTENTS----------------------------------------------------------
★トピックス
★「育児と書」柳瀬徹
→今回もお休みでーす。
★「ひよっこ行政書士のRock'n'law相談室」/いそむらまき
→遺産目当ての看護は意味があるのか(笑)というお話です。
★「虚実皮膜の書評」/キウ
→人と人との距離感を考えさせられる書評です。
★「帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?」/守屋淳
→牛のお尻でいられない現代を考えます。
★「図書館の壁の穴」/田圃兎
→今回はお休みの月でーす。
★PR★ 原 書 房 好評発売中 ★ http://harashobo.co.jp/-------PR+
「一級資史料で戦争を考える2008」フェア開催中!
◆『大東亜戦争全史』服部卓四郎(元参謀本部作戦課長)著 定価15750円
◆『戦藻録:宇垣纒日記』宇垣纒著 定価6300円
◆『GHQ歴史課陳述録 終戦史資料』上下 佐藤・黒沢編 各15750円
◆『時代の一面:東郷茂徳外交手記』東郷茂徳著 定価3990円 ほか多数
――八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店ほか、全国の有名書店で開
催中。ぜひお手にとってご覧ください。
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■トピックス
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●洋販が自己破産
7月31日、日本洋書販売(洋販)、および洋販ブックサービス(青山ブック
センター、流水書房を経営)が自己破綻しました。ブックオフコーポレー
ションが支援先となっていますが、業界には大きな衝撃が走っています。
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■「ひよっこ行政書士のRock'n'law相談室」/いそむらまき
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暑い日々が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。前回はお
休みをいただき、申し訳ありませんでした。…にもかかわらす、特にこれと
いった目新しい話題が降ってこなかったので、前回の終わりにちょっと書い
た、「身寄りのないお年寄りの世話を財産目当てでしてきた人は財産をもら
えるのか?」ということについて、相続編の続きとして書いてみようと思い
ます。暑苦しい内容ですので、今回はサクッと行こうと思います。
上に書いたように、亡くなった方(被相続人)の看護をしてきた人や、内縁
の妻などに財産がめぐってくるチャンスがあるのは、「相続人が不存在」の
場合のみです。もちろん、遺言書がない場合の話しですが。内縁の妻は、い
ろいろな場面で一般の配偶者と同じ権利を与えられているのですが、相続の
場面においては認められていないのです。
そして、「相続人が不存在」とはどういうことかというと、戸籍をいくらた
どっても相続人に当たる人が見当たらない場合や、相続人がみな相続放棄を
したような場合です。相続人はいるけれど、どこにいるのかわからない場合
はこれには当たりません。
では、「相続人が不存在」であったとします。そしたら家庭裁判所にまず、
相続財産管理人という人を選任してもらうように請求しなければなりません。
家庭裁判所はこの管理人を選任したら、これを公告します。そして公告から
2ヶ月の間に「私は相続人です!」という人が現れなければ、次は、被相続
人に対する債権者、つまり、亡くなった人にお金貸してた人いませんか〜?
という公告を出して、また2ヶ月待ちます。そして2ヶ月経ったら、これに
申し出てきた人に対して返済して、財産を清算します。これでもまだ財産が
残っているようだったら、次のステップに移ります。
次のステップの説明の前に、「相続人が不存在」なのに、「私は相続人です
!」という人が出る可能性があるのか?という疑問がわくと思いますが、あ
くまで、この手続きを開始したのは戸籍で見当たらないだけですので、戸籍
上に現れていない、子どもなどが本当はいるかもしれません。そして、以降
の手続きでも同様ですが、相続人が現れた!時点で、内縁の妻などに権利は
なくなり、相続財産管理人も以降権限を失います。
さて、続きです。今度は再び相続財産管理人などの請求によって、家庭裁判
所は相続人捜索の公告というのをします。これが最後のハードルで、この公
告から6ヶ月以内にやはり相続人が現れなければ、内縁の妻や、被相続人の
看護をしてきた人などは、家庭裁判所に私に財産をください!というように
請求することができるのです。そして家庭裁判所が相当と認めれば、財産を
もらうことができるのです。
はぁー、こうして書くとつまらない手続きの話しですね。すみません。でも、
いかに面倒くさいかわかっていただければ幸いです。内縁の妻がいる人は遺
言書を書いたほうがいいですし、どうなるかわからない財産目当てで看護を
するっていうのもどうかなぁと思います。まぁ、そんな人本当にいるのか知
りませんが(笑)。でも昔のマンガやドラマで一度は目にしたパターンだと
思います。「こんなに面倒をみてきたのに、一銭ももらえないなんて!」み
たいなセリフ聞いたことありませんか?調べとけよ!って突っ込みたくなり
ます。
最後におまけとして、そんな人もいない、本当に財産の引き受け人がいない
場合はどうなるかご存知ですか?1つのパターンとしては、もしその財産が
不動産などで、共有者がいる場合にはその共有者のものとなります。そして、
共有者もいない場合は、国のものになります。国のものになる財産というの
は実際どれくらいあるものなのでしょう。どなたかご存知の方いらしたら、
ぜひ教えてください!では、また!
みなさまのご相談やご意見、または、それは違うぞ!などというおしかりも
お待ちしています。そのほかにも法律にからんで何か知りたいことなどあれ
ばお寄せください。もちろん、仕事依頼、メール相談(初回無料)もお待ちし
ております。
いそむらまき行政書士事務所
rockandlaw@yahoo.co.jp
---------------------------------------------------------------------
■「虚実皮膜の書評」/キウ
---------------------------------------------------------------------
『かもめの日』 黒川創 08.3 新潮社
物語は、女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワの「わたしはかもめ
(ヤー・チャイカ)」という有名な地球への語りかけから静かに始まる。
といって、この小説は宇宙開発競争の話でもなんでもない。
舞台は東京であり、登場人物はラジオ局で働く人たちであり、ラジオのた
めにショートストーリーを紡ぐ作家であり、突然死んでしまうその作家の妻
であり、男たちに乱暴された少女であり、気象データを整理・解析する研究
員であり、……
三人称多視点で、一見何のかかわりのないような人たちの日常と非日常
が、淡々と描かれながら、徐々に、そして緩やかに、つながってゆく、とい
う構成。そのめまぐるしく変わってゆく視点に、それでも、違和感を覚える
ことなく、ついていける。まるで、テレビのチャンネルを、特に何も考える
ことなく切り替えているような感じだ。ふと気になった場面でチャンネルを
止め、しばらく見入って、再び別のチャンネルへと移る。
読者の視点というものが、物語の中で、俯瞰的な場所に固定されている。
読み手は、小説の世界に没入しない。没入し得ないぐらい、淡々と、そして
めまぐるしく変転しながら、登場人物たちの日常と非日常が描かれている。
そのような俯瞰的なポジションは、この小説の最初に象徴されているのかも
しれない。宇宙からの視点だ。
面白い挿話がある。登場人物の作家が書いたとされる「マリヤの電報」と
いう短篇だ。マリヤとはチェーホフの妹のこと。「彼女は兄を愛していた。
そしてチェーホフは、この妹を自身の遺言執行者に指名した上で、四四歳で
死没していた。実際、マリヤ自身は、生涯にわたって忠実にその役割を守り
通して、ヤルタに残るチェーホフの旧別荘「チェーホフの家博物館」館長と
して彼の遺作・遺品・記録資料の管理につとめ、終生独身のまま、三つの革
命をまたぎ、兄の二倍を優に上回る長寿を生きた」(P9-10)。そのマリヤ
は、ソ連のヴォストーク6号の打ち上げに成功したとき、クレムリンのフル
シチョフに長い抗議の電報を打つ。「テレシコワ嬢らの全宇宙的偉業の達成
にはお慶びを申しますが、今は亡き兄アントン・パーヴロヴィッチ・チェー
ホフになりかわりまして、妹の私より、ひと言申し述べます」(P93)。テ
レシコワに「わたしはかもめ」と名乗らしめたあなた(フルシチョフ)はさ
だめし『かもめ』における成熟の足りない色男の作家トリゴーリンの役回り
をなぞるものである。「わが祖国の最高指導者が、感傷的な安手の通俗芝居
よろしく、思い入れたっぷりに、大まじめにこうした役回りをなぞることに
は、わたくしは大いに疑問を抱くほかありません。聞くところによります
と、テレシコワ嬢は、まもなく、クレムリンから祝福を受けつつ、あの「タ
カ」こと、ヴォストーク3号のアンドリアン・ニコラエフ少佐との婚約を明
らかにするというではありませんか。(中略)この「宇宙的カップル」の誕
生を、クレムリンが司祭のごとく取り持つならば、二人の結婚を「自由意
志」だけによるものと信じることは、わたくしのようなひねくれ者ならずと
も、いっそう難しくなりましょう」(P95)。……
実際は、ヴォストーク6号の打ち上げ成功の6年前に、このマリヤは94歳で
亡くなっているという。完全に虚構であるのだけれど、この短篇の文章は、
妙にリアルで力強い。この抗議の電報の全文を紹介したいくらい。この作品
中、もっとも印象の深い文章である。マリヤの強い倫理観と、気難しさと、
自分の生き越し方への鬱屈した思いなどが、如実に表れ出て、ソ連の最高指
導者であるフルシチョフに抗議の電報を打つ。そのシチュエーションもかな
りユニークだ。そして、次のような視点は、この小説を底辺で支えるものと
なっているだろう。「兄アントンの『かもめ』は、どれだけ大まじめに生き
ているつもりでも、そのこと自体が滑稽さを伴わずにおれない、この人生と
いうものを「喜劇」と見ています。生まれてきた以上、人はこの舞台の一員
であることから降りることはできません。喜劇とは、そういうものです。人
を欺くことだけを目当てとした笑劇は、ただの騒々しい茶番と呼べるにすぎ
ません」(P95-96)。
この小説に登場する人物たちは、孤独である。それぞれが、孤独を抱え
て、係わり合いを持ちそうで、持てない。しかし、「一人きり、心がおかし
くなるほど離れていても、かすかに、つながっている」(P218-219)。この
小説のラストは、孤独だけれど、とても優しい。一つ間違えれば茶番へと堕
しかねない小説作成の現場にあって、茶番に貶めない適切な距離感が、この
小説をすぐれた文芸作品として成り立たせている。
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■「帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?」/守屋淳
---------------------------------------------------------------------
33「むしろ鶏口となるも、牛後となるなかれ」
――牛の尻でいるよりは、鶏の口になるほうがよい。『史記』
この言葉に対しては、藤堂明保さんという有名な漢学者の人が、面白いこと
を言っています(ちょっとうろ覚え)。
要は「牛後」と「鶏口」では、対応していないではないか、ということ。
つまり、一方が「口」であるならば、もう一方は「肛」つまり、「肛門」に
なるべきではないか、というわけです。
口にはなっても肛門にはなるな……なるほど、片や入口で片や出口、こちら
の方が確かに繋がっていますね(笑)でも、「むしろ鶏口となるも、牛肛と
なるなかれ」だと、ちょっと生々しすぎて、後世に残らなかったのかもしれ
ないですね……
昔、この言葉の説明としては、大きな組織の一員として安定をとるか、小な
りといえどもボスになってリスクをとるか、この対比みたいなものが多かっ
たように思います。
でも昨今は、大きな組織に所属していたから、安定しているのか、というと
そうは限らないですよね。
牛の比喩で言えば。突然メタボ対策に目覚めた牛さんが(笑)、ダイエット
に励み。お尻の肉がどんどんなくなっちゃう。「お尻の肉でいいや」とか
思っていら、いつのまにかサヨウナラの運命に……
現在、世界経済は同時不景気に突入しつつありますが、こうなってくると、
またもや九〇年代のリストラという悪夢の繰り返しが起こってこざるを得な
いのではないか、という気がするのです。そう、牛後が牛後でいられなく
なってしまう、ということですよね。
確かに、日本の場合は少子高齢化で人口減だから、長期的に人手が足りない
という予測もなされたりしています。しかし、企業の方も不景気時に生き残
るためには、なりふりかまわず解雇や海外への安い労働力への転換を推し進
めざるを得ない面も出てくるでしょう。
今回は、ありきたりなオチなんですが、やっぱり一人で食べていける技量、
労働市場で価値を認められる何かを持たないと、今後は個人の生き残りが難
しくなるのかもしれません。
---------------------------------------------------------------------
■あとがき
---------------------------------------------------------------------
>昔、香港にいったときなんですが
>はあはあ
>クーラーの効いたバスから降りたら、いきなり眼鏡が真っ白に曇ってびっ
くりしたことがあるんです
>ああ、暑いし湿度高いし、あるでしょうねー
>で、今日なんですが、近所のスーパーから出たらやはり眼鏡が真っ白に
曇ったんです。こりゃ日本は亜熱帯気候に突入したな、とマジメに思いまし
たね(笑)
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→今回もお休みでーす。
★「ひよっこ行政書士のRock'n'law相談室」/いそむらまき
→遺産目当ての看護は意味があるのか(笑)というお話です。
★「虚実皮膜の書評」/キウ
→人と人との距離感を考えさせられる書評です。
★「帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?」/守屋淳
→牛のお尻でいられない現代を考えます。
★「図書館の壁の穴」/田圃兎
→今回はお休みの月でーす。
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「一級資史料で戦争を考える2008」フェア開催中!
◆『大東亜戦争全史』服部卓四郎(元参謀本部作戦課長)著 定価15750円
◆『戦藻録:宇垣纒日記』宇垣纒著 定価6300円
◆『GHQ歴史課陳述録 終戦史資料』上下 佐藤・黒沢編 各15750円
◆『時代の一面:東郷茂徳外交手記』東郷茂徳著 定価3990円 ほか多数
――八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店ほか、全国の有名書店で開
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暑い日々が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。前回はお
休みをいただき、申し訳ありませんでした。…にもかかわらす、特にこれと
いった目新しい話題が降ってこなかったので、前回の終わりにちょっと書い
た、「身寄りのないお年寄りの世話を財産目当てでしてきた人は財産をもら
えるのか?」ということについて、相続編の続きとして書いてみようと思い
ます。暑苦しい内容ですので、今回はサクッと行こうと思います。
上に書いたように、亡くなった方(被相続人)の看護をしてきた人や、内縁
の妻などに財産がめぐってくるチャンスがあるのは、「相続人が不存在」の
場合のみです。もちろん、遺言書がない場合の話しですが。内縁の妻は、い
ろいろな場面で一般の配偶者と同じ権利を与えられているのですが、相続の
場面においては認められていないのです。
そして、「相続人が不存在」とはどういうことかというと、戸籍をいくらた
どっても相続人に当たる人が見当たらない場合や、相続人がみな相続放棄を
したような場合です。相続人はいるけれど、どこにいるのかわからない場合
はこれには当たりません。
では、「相続人が不存在」であったとします。そしたら家庭裁判所にまず、
相続財産管理人という人を選任してもらうように請求しなければなりません。
家庭裁判所はこの管理人を選任したら、これを公告します。そして公告から
2ヶ月の間に「私は相続人です!」という人が現れなければ、次は、被相続
人に対する債権者、つまり、亡くなった人にお金貸してた人いませんか〜?
という公告を出して、また2ヶ月待ちます。そして2ヶ月経ったら、これに
申し出てきた人に対して返済して、財産を清算します。これでもまだ財産が
残っているようだったら、次のステップに移ります。
次のステップの説明の前に、「相続人が不存在」なのに、「私は相続人です
!」という人が出る可能性があるのか?という疑問がわくと思いますが、あ
くまで、この手続きを開始したのは戸籍で見当たらないだけですので、戸籍
上に現れていない、子どもなどが本当はいるかもしれません。そして、以降
の手続きでも同様ですが、相続人が現れた!時点で、内縁の妻などに権利は
なくなり、相続財産管理人も以降権限を失います。
さて、続きです。今度は再び相続財産管理人などの請求によって、家庭裁判
所は相続人捜索の公告というのをします。これが最後のハードルで、この公
告から6ヶ月以内にやはり相続人が現れなければ、内縁の妻や、被相続人の
看護をしてきた人などは、家庭裁判所に私に財産をください!というように
請求することができるのです。そして家庭裁判所が相当と認めれば、財産を
もらうことができるのです。
はぁー、こうして書くとつまらない手続きの話しですね。すみません。でも、
いかに面倒くさいかわかっていただければ幸いです。内縁の妻がいる人は遺
言書を書いたほうがいいですし、どうなるかわからない財産目当てで看護を
するっていうのもどうかなぁと思います。まぁ、そんな人本当にいるのか知
りませんが(笑)。でも昔のマンガやドラマで一度は目にしたパターンだと
思います。「こんなに面倒をみてきたのに、一銭ももらえないなんて!」み
たいなセリフ聞いたことありませんか?調べとけよ!って突っ込みたくなり
ます。
最後におまけとして、そんな人もいない、本当に財産の引き受け人がいない
場合はどうなるかご存知ですか?1つのパターンとしては、もしその財産が
不動産などで、共有者がいる場合にはその共有者のものとなります。そして、
共有者もいない場合は、国のものになります。国のものになる財産というの
は実際どれくらいあるものなのでしょう。どなたかご存知の方いらしたら、
ぜひ教えてください!では、また!
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お待ちしています。そのほかにも法律にからんで何か知りたいことなどあれ
ばお寄せください。もちろん、仕事依頼、メール相談(初回無料)もお待ちし
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いそむらまき行政書士事務所
rockandlaw@yahoo.co.jp
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『かもめの日』 黒川創 08.3 新潮社
物語は、女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワの「わたしはかもめ
(ヤー・チャイカ)」という有名な地球への語りかけから静かに始まる。
といって、この小説は宇宙開発競争の話でもなんでもない。
舞台は東京であり、登場人物はラジオ局で働く人たちであり、ラジオのた
めにショートストーリーを紡ぐ作家であり、突然死んでしまうその作家の妻
であり、男たちに乱暴された少女であり、気象データを整理・解析する研究
員であり、……
三人称多視点で、一見何のかかわりのないような人たちの日常と非日常
が、淡々と描かれながら、徐々に、そして緩やかに、つながってゆく、とい
う構成。そのめまぐるしく変わってゆく視点に、それでも、違和感を覚える
ことなく、ついていける。まるで、テレビのチャンネルを、特に何も考える
ことなく切り替えているような感じだ。ふと気になった場面でチャンネルを
止め、しばらく見入って、再び別のチャンネルへと移る。
読者の視点というものが、物語の中で、俯瞰的な場所に固定されている。
読み手は、小説の世界に没入しない。没入し得ないぐらい、淡々と、そして
めまぐるしく変転しながら、登場人物たちの日常と非日常が描かれている。
そのような俯瞰的なポジションは、この小説の最初に象徴されているのかも
しれない。宇宙からの視点だ。
面白い挿話がある。登場人物の作家が書いたとされる「マリヤの電報」と
いう短篇だ。マリヤとはチェーホフの妹のこと。「彼女は兄を愛していた。
そしてチェーホフは、この妹を自身の遺言執行者に指名した上で、四四歳で
死没していた。実際、マリヤ自身は、生涯にわたって忠実にその役割を守り
通して、ヤルタに残るチェーホフの旧別荘「チェーホフの家博物館」館長と
して彼の遺作・遺品・記録資料の管理につとめ、終生独身のまま、三つの革
命をまたぎ、兄の二倍を優に上回る長寿を生きた」(P9-10)。そのマリヤ
は、ソ連のヴォストーク6号の打ち上げに成功したとき、クレムリンのフル
シチョフに長い抗議の電報を打つ。「テレシコワ嬢らの全宇宙的偉業の達成
にはお慶びを申しますが、今は亡き兄アントン・パーヴロヴィッチ・チェー
ホフになりかわりまして、妹の私より、ひと言申し述べます」(P93)。テ
レシコワに「わたしはかもめ」と名乗らしめたあなた(フルシチョフ)はさ
だめし『かもめ』における成熟の足りない色男の作家トリゴーリンの役回り
をなぞるものである。「わが祖国の最高指導者が、感傷的な安手の通俗芝居
よろしく、思い入れたっぷりに、大まじめにこうした役回りをなぞることに
は、わたくしは大いに疑問を抱くほかありません。聞くところによります
と、テレシコワ嬢は、まもなく、クレムリンから祝福を受けつつ、あの「タ
カ」こと、ヴォストーク3号のアンドリアン・ニコラエフ少佐との婚約を明
らかにするというではありませんか。(中略)この「宇宙的カップル」の誕
生を、クレムリンが司祭のごとく取り持つならば、二人の結婚を「自由意
志」だけによるものと信じることは、わたくしのようなひねくれ者ならずと
も、いっそう難しくなりましょう」(P95)。……
実際は、ヴォストーク6号の打ち上げ成功の6年前に、このマリヤは94歳で
亡くなっているという。完全に虚構であるのだけれど、この短篇の文章は、
妙にリアルで力強い。この抗議の電報の全文を紹介したいくらい。この作品
中、もっとも印象の深い文章である。マリヤの強い倫理観と、気難しさと、
自分の生き越し方への鬱屈した思いなどが、如実に表れ出て、ソ連の最高指
導者であるフルシチョフに抗議の電報を打つ。そのシチュエーションもかな
りユニークだ。そして、次のような視点は、この小説を底辺で支えるものと
なっているだろう。「兄アントンの『かもめ』は、どれだけ大まじめに生き
ているつもりでも、そのこと自体が滑稽さを伴わずにおれない、この人生と
いうものを「喜劇」と見ています。生まれてきた以上、人はこの舞台の一員
であることから降りることはできません。喜劇とは、そういうものです。人
を欺くことだけを目当てとした笑劇は、ただの騒々しい茶番と呼べるにすぎ
ません」(P95-96)。
この小説に登場する人物たちは、孤独である。それぞれが、孤独を抱え
て、係わり合いを持ちそうで、持てない。しかし、「一人きり、心がおかし
くなるほど離れていても、かすかに、つながっている」(P218-219)。この
小説のラストは、孤独だけれど、とても優しい。一つ間違えれば茶番へと堕
しかねない小説作成の現場にあって、茶番に貶めない適切な距離感が、この
小説をすぐれた文芸作品として成り立たせている。
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■「帰ってきた中国古典で浅学菲才が直る?」/守屋淳
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33「むしろ鶏口となるも、牛後となるなかれ」
――牛の尻でいるよりは、鶏の口になるほうがよい。『史記』
この言葉に対しては、藤堂明保さんという有名な漢学者の人が、面白いこと
を言っています(ちょっとうろ覚え)。
要は「牛後」と「鶏口」では、対応していないではないか、ということ。
つまり、一方が「口」であるならば、もう一方は「肛」つまり、「肛門」に
なるべきではないか、というわけです。
口にはなっても肛門にはなるな……なるほど、片や入口で片や出口、こちら
の方が確かに繋がっていますね(笑)でも、「むしろ鶏口となるも、牛肛と
なるなかれ」だと、ちょっと生々しすぎて、後世に残らなかったのかもしれ
ないですね……
昔、この言葉の説明としては、大きな組織の一員として安定をとるか、小な
りといえどもボスになってリスクをとるか、この対比みたいなものが多かっ
たように思います。
でも昨今は、大きな組織に所属していたから、安定しているのか、というと
そうは限らないですよね。
牛の比喩で言えば。突然メタボ対策に目覚めた牛さんが(笑)、ダイエット
に励み。お尻の肉がどんどんなくなっちゃう。「お尻の肉でいいや」とか
思っていら、いつのまにかサヨウナラの運命に……
現在、世界経済は同時不景気に突入しつつありますが、こうなってくると、
またもや九〇年代のリストラという悪夢の繰り返しが起こってこざるを得な
いのではないか、という気がするのです。そう、牛後が牛後でいられなく
なってしまう、ということですよね。
確かに、日本の場合は少子高齢化で人口減だから、長期的に人手が足りない
という予測もなされたりしています。しかし、企業の方も不景気時に生き残
るためには、なりふりかまわず解雇や海外への安い労働力への転換を推し進
めざるを得ない面も出てくるでしょう。
今回は、ありきたりなオチなんですが、やっぱり一人で食べていける技量、
労働市場で価値を認められる何かを持たないと、今後は個人の生き残りが難
しくなるのかもしれません。
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■あとがき
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>昔、香港にいったときなんですが
>はあはあ
>クーラーの効いたバスから降りたら、いきなり眼鏡が真っ白に曇ってびっ
くりしたことがあるんです
>ああ、暑いし湿度高いし、あるでしょうねー
>で、今日なんですが、近所のスーパーから出たらやはり眼鏡が真っ白に
曇ったんです。こりゃ日本は亜熱帯気候に突入したな、とマジメに思いまし
たね(笑)
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