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[本]のメルマガ vol.716


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■■ [本]のメルマガ                 2019.05.05.発行
■■                              vol.716
■■  mailmagazine of books             [令和第1号 号]
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★PR★ 原 書 房 最新刊 ★ http://harashobo.co.jp/

『インド神話物語 マハーバーラタ』[上下]

デーヴァダッタ・パトナーヤク著 沖田瑞穂監訳 村上彩訳
四六判 上下合計560頁 本体各1,900円+税

インド神話の壮大な叙事詩『マハーバーラタ』の物語を再話し、挿絵つきの読
みやすい物語に。背景となる神話やインドの文化をコラムで解説。英語圏で15
万部を売り上げている、マハーバーラタ入門として最適の一冊。

■CONTENTS------------------------------------------------------------

★トピックス
→ トピックスをお寄せください

★味覚の想像力−本の中の食物 / 高山あつひこ
→ その35「吸血鬼たち」その3.ドラキュラ

★声のはじまり / 忘れっぽい天使
→ 第119回 テロとの闘い? ―「仮面ライダー1号」の世界

★ホンの小さな出来事に / 原口aguni
→ 今回はお休みです。

★「[本]マガ★著者インタビュー」
→ インタビュー先、募集中です。

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■トピックス
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■トピックスをお寄せください
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 出版社の皆様、あるいは出版業界の皆様より、出版関係に関わるトピックス
(イベント、セミナー、サイン会、シンポジウム、雑誌創刊、新シリーズ刊行
など)の情報を、広く募集しております。

 情報の提供は、5日号編集同人「aguni」hon@aguni.com まで。

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■味覚の想像力−本の中の食物 / 高山あつひこ
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その35「吸血鬼たち」その3.ドラキュラ

その3.ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』
 
 さて、いよいよ吸血鬼の代名詞ともいえるドラキュラについて語る時が来た。
 
 ご期待に沿えなくては申し訳ないが、ブラム・ストーカー描くこの物語に、
私はあまりエロスを感じない。ドラキュラと言えば、恐ろしくも魅力的なドラ
キュラ伯爵が若い女性を次々に襲って行き、彼女たちも彼に魅せられてうっと
りと首筋を差し出す話だと思いこんでいた。だが、そんな場面はなかった。き
っと、映画のせいでそう思い込んでいたのだろう。

 けれど、今回読み直してみて、「蝋管録音機」や「速記術」や「輸血」が使
われ、「新しい女」という言葉も出てくる、実に時代の最先端を行く物語であ
ったことに気づかされた。

 そして、かのドラキュラ城の食事の風景が意外や意外……。

 と、いうところで、まずは順を追ってストーリーを見て行こう。

 若い事務弁護士のジョナサンがトランシルヴァニアへ出張で出かけるところ
から物語は始まる。彼の仕事はドラキュラ伯爵がイギリスで買う地所の手続き
やロンドンへの渡航準備をすることらしい。道中の宿で彼の行き先を知った土
地の人々は、なぜか魔よけの品を彼に差し出し、宿の女将は十字架のロザリオ
を彼の首にかけてくれる。断崖絶壁に建つドラキュラ城ではドラキュラ伯爵が
直々に出迎えてくれ手厚いもてなしを受けるのだが、ジョナサンは徐々に奇妙
さを覚えていく。やがてトカゲのように城を這い下りる伯爵の姿を見たり、影
のない貴婦人三人に襲われそうになったりして彼らの正体を知るのだが、伯爵
はジョナサンを城に閉じ込めたままイギリスに出発してしまうのだ。

 ジョナサンの婚約者のミーナは、親友のルーシーに会いに海辺の保養地を訪
ねる。ルーシーは、夢遊病にかかって夜出歩くようになる。ある夜、ルーシー
を探しに出たミーナは、墓地の腰掛に倒れたルーシーの上に、赤いギラギラし
た光を放つ黒い影が覆いかぶさっているのを見る。

 ロンドンに帰ったルーシーは日に日にやつれて行き、心配した婚約者のアー
サーは友人の精神科医に相談する。医師は恩師のオランダ人ヴァン・ヘルシン
グに相談し、彼がこれは吸血鬼の仕業と見破る。彼は輸血を施し、様々な防御
策を駆使するのだが、吸血鬼は蝙蝠に化けて窓から入りこんでルーシーを襲い
続け、ルーシーは亡くなってしまう。

 しばらく後、子供たちが夜に襲われる事件が続けざまに起きる。この事件は、
「不死者」の吸血鬼として蘇えったルーシーの行いだとヴァン・ヘルシングは
断定し、彼女に求婚した三人の男たちと共に彼女に杭を打つのだ。

 ヴァン・ヘルシングはルーシーの友人ミーナに連絡を取る。そして、城をか
らくも脱出して彼女と結婚したジョナサンが、伯爵をロンドンで見かけたとい
う事から吸血鬼の正体を知る。ここで彼らは合流し、伯爵を追い詰めていくこ
とになる。

 けれど伯爵は反撃に出てミーナを襲い、無理やり自分の血を飲ませて「不死
者」にしようとする。

 ここから舞台がロンドンから大陸に、トランシルヴァニアのドラキュラ城の
方へと行くのだが、ミーナが逆に伯爵を追い詰めていくのが意外な成り行きだ
った。ミーナは吸血鬼に襲われて泣き伏すヒロインではないのだ。自分自身が
徐々に吸血鬼に変身していくという恐ろしい状況なのに、果敢に戦いに参加し
ていくところが、読んでいて意外でもあり痛快でもあった。

 彼女は、速記や蝋管録音機の記録をタイプ原稿に起こして状況分析ができる
ようにし、催眠術で自分とつながる伯爵の無意識を探り行方を探求するという
方法を提案する。そして、自ら男たちとの同行を願い出て、伯爵を狩り出して
行く。最後の最後には、ジョナサンの日記をもとにドラキュラ城への道筋を推
理してみせ、実にあっぱれな活躍をするのだ。

 ブラム・ストーカーのこの小説で、吸血鬼のイメージは固まったと言えるだ
ろう。

 吸血鬼は何も食べず、ただ人間の首筋に二つの穴を牙で開けて血を吸って生
きていく。蝙蝠や様々なものに変身できる。獲物に自分の血を飲ませると、吸
血鬼として蘇えらせる事ができる。鏡に映らず、影がない。

 彼らに効く魔よけには、ニンニク、野イバラ、ナナカマドの実や、十字架や
聖餠のようなキリスト教のシンボルがある。そして、朝の太陽の光を浴びるこ
とはできず、昼間に屋外に出られない。

 彼らを退治するには胸に杭を打ち首を切り落とす。その時、口の中にニンニ
クを詰めたりもする。すると、吸血鬼は一瞬元の人間の姿に戻ってから塵と化
すのだ。

 この小説の後に書かれた吸血鬼物語では、これらの特徴が当たり前のように
踏襲されていく。国民の多くがキリスト教徒ではなく、ニンニクの花を見たこ
とのないような国でも同様なのが何かおかしい。
 
 ところで、ここであげた第一の点について、私はとても疑問に思っている。
それは、この物語の第一章のドラキュラ城での場面から来る。

 ジョナサンが城に着くと、伯爵は自ら荷物を運んでくれて、寝室に案内して
くれる。その部屋の隣の隣にある八角形の小部屋の食堂には夜食の用意ができ
ている。

「さあ、なにもないが、気楽に一つやってもらおう。わしが相伴せんで申しわ
けないが、わしは夕食をすませたし、夜食はやらんのでな」

 なんて言いながら、伯爵は手ずから食器のふたを取ってくれる。
 
そこにあるのは、

「けっこうなローストチキン、それにチーズにサラダ。酒はトケイの古酒」

 若い青年の腹をたっぷり満たしてくれるご馳走だった。

 翌日も同じ部屋に朝食の準備がしてあり、明け方近くまで伯爵と話し込んだ
せいで夕方まで寝てしまったジョナサンは、一人で冷たいが豪勢な朝食と暖炉
にかけてあった暖かいコーヒーを飲む。

 やがて現れた伯爵と話し合い、仕事の処理を終えた後の夕飯は、
 
「わしは今、外ですましてきたから、遠慮なく一人でやってもらおう」

という伯爵の言葉で、食堂で「ごちそうが並べてある」夕飯を食べることにな
る。

 伯爵が何も食べていないことや、召使が一人もいないことに気づいてきたジ
ョナサンは、ある日隣の部屋の様子を盗み見て、伯爵が寝室でベッドを整え、
食堂で「膳ごしらえ」しているのに気付くのだ。

 そう、伯爵が食器を並べおかずを置き、飲み物の用意をしているのだ。食器
を片付けるガチャガチャした音も聞いているので、お皿洗いも伯爵がしている
のだろう。

 もしかすると、料理も?

 ジョナサンは五月から六月まで、二カ月近い日々をこのドラキュラ城で過ご
している。その間の食事は特に記述はないが、きちんと与えられていただろう。
それだけの食物を調達するには、かなりのたくわえも必要だったろうと思う。
近くの宿屋等からできあがった料理を運んできたのかもしれないが、毎食のお
かずを取ってくるわけにはいかなかったろう。

 私は平井呈一のこの古風な「膳ごしらえ」という訳語に「食卓の用意」と
「料理する」に二つの意味があるのがうれしかった。もちろん原書ではlaying 
the table in the dining-roomで、お膳立ての意味しかないのだけれど。

 ベッドの用意を整え、コーヒーを淹れるドラキュラ伯爵というだけでも十分
宿屋の主人のような印象を受けるのだから、その上エプロンをかけて料理を始
めてもおかしくない気がする。少なくとも、朝食のゆで卵ぐらいはゆでただろ
うし、もしかするとフライパンに卵を割入れて目玉焼きくらいは焼いたかもし
れない。ここまでくると頭の中では、オムレツをひっくり返す伯爵の姿が浮か
び上がってきて仕方ない。
 珈琲だって入れるときには味見くらいはしただろう。もしかすると、あの香
りにつられてゆっくりと味わったかもしれないなんて思うのだ。


 ようこそ、ドラキュラ城へ。

 当館では、ジョナサンが行きがけの旅で楽しんだ「パプリカ・ヘンドル」と
いうカルパチア地方の郷土料理のパプリカで煮込んだチキンの料理や、「ママ
リガ」というトウモロコシの粥を添えてたべる「インブレタタ」という挽肉を
なすに詰めた料理などはご用意できません。

 けれども、最後に泊った宿屋で食べた「ロバー・ステーク(どろぼう焼き)」
という唐がらしのきいたベーコン、玉ねぎ、牛肉の串刺しの料理なら、たぶん
取り寄せることもできるはずです。

 まずは、ローストチキンにチーズの盛り合わせをご賞味ください。

 やっと、おいしそうなものをこんな風に並べて、おもてなしができるのがう
れしいです。さ、ハンガリー名物のトケイの古酒か辛口のゴルデン・メディア
ッシュもご一緒にどうぞ。

 ただ、お酒はあまりお過ごしになさらずにお休みくださいね。飲みすぎて寝
室ではないお部屋で眠ったりすると、三人の美女に襲われて、ドラキュラ城に
永遠に取り残されてしまいますから。

 無事に朝を迎えられれば、暖炉にかかった熱々の珈琲もお楽しみいただける
はずです。ドラキュラ伯爵が自ら入れた珈琲ですぞ。そのときお出しする冷た
いハムも伯爵が手ずから切った物に間違いありません。

 さあ今宵は待ちに待ったドラキュラ城の夜。ここでの味わいをあれこれ想像
してお楽しみください。


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『吸血鬼ドラキュラ』ブラム・ストーカー著 平井呈一訳 創元推理文庫

『ドラキュラ 完訳詳注版』ブラム・ストーカー著
              新妻昭彦・丹治愛訳・注釈 水声社

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高山あつひこ:ライター(主に書評)。好きなものは、幻想文学と本の中に書
かれている食物。なので、幻想文学食物派と名乗っています。著書に『みちの
く怪談コンテスト傑作選 2011』『てのひら怪談庚寅』等

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■声のはじまり / 忘れっぽい天使
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第119回 テロとの闘い? ―「仮面ライダー1号」の世界

 1960年代生まれのぼくにとって、「仮面ライダー」はテレビの楽しみのど真
ん中に位置するものだった。「仮面ライダー」は1971年から放映が開始された
子供向け特撮ヒーローもののドラマシリーズで、現在でも続いている。

 当時、テレビの影響力は絶大であり、「ウルトラマン」シリーズとともに少
年たちの心を鷲掴みしていた。仮面ライダーカードがおまけについていた「ラ
イダースナック」が、カードだけ抜き取られ菓子が捨てられる事件が多発し、
社会問題になった程だ。ぼく自身も、スナック菓子を捨てたことこそないが、
仮面ライダーのマネをして自転車やぶらんこから飛び降りて叱られた記憶があ
る。最近になって東映がyoutubeで毎週2話ずつ「仮面ライダー」を公開して
いることを知り、懐かしさの余り見ていたのだが、子供の頃には気づかなかっ
たことでいろいろ考えさせられるところがあった。今回はその雑感を書くこと
にする。ぼくは仮面ライダーのマニアではなく、再公開された話も全ては見て
いないし、原作の石ノ森章太郎の漫画さえ読んでいない。従って、事実関係的
な点でピリッとしたことは言えないことをあらかじめ断っておく。

 注目したことは、初期の「仮面ライダー」は左翼過激派との戦い、つまりテ
ロリストたちとの戦いをイメージして作られたのではないかということ。「ウ
ルトラマン」シリーズにおいて、ウルトラマンと怪獣・宇宙人は巨大化した姿
で戦う。これは国家対国家の大戦争をイメージした戦いであり、ビルが倒れた
りなど被害も大規模で、ほとんど東京大空襲を思い起こさせる。そしてウルト
ラマンをサポートする「科学特捜隊」「地球防衛軍」といった組織は、国家が
膨大な予算を割いて作った軍隊であり、各国との連携も緊密である。「ウルト
ラマン」シリーズは恐らく太平洋戦争がモデルであり、日本が連合国側の一員
として枢軸国と戦うといったイメージが前提にされている。

 しかし、等身大の姿で戦う「仮面ライダー」において、敵は社会の内部に紛
れている存在だ。仮面ライダーたちが立ち向かう「ショッカー」「ゲルショッ
カー」は今で言えばISのような非国家的・超国家的組織であり、その目的は
地球を侵略することなどではなく、既存の国家の転覆にある。「仮面ライダー」
の放映が始まった1970年代前半当時は日本赤軍や東アジア反日武装戦線といっ
た過激派が活動を始めた時期に当たる。作中で敵の隠れ家を指す言葉として
「アジト」が頻繁に用いられるが、これは左翼用語であろう。彼らの手口は、
圧倒的な武力を用いての国家との直接対決ではなく、身を隠して隙を突く形で
行うテロリズムである。仕掛けを施したペットや観葉植物を送り込んで庶民を
混乱に陥れるなど、比較的小規模で地道なものが多い。武装闘争も辞さずとい
う方向で過激化していった一部の新左翼の動きに、制作者たちは敏感に反応し
たのではないか。「ウルトラマン」では敵は外からやって来るが、「仮面ライ
ダー」においては敵は内部に潜んでいるのだ。
 
 ショッカーは山岳地域に基地を構え、「首領」(姿を現さない)がスピーカ
ーを通じて指令を出し、「地獄大使」らの幹部が作戦を立て、改造人間と戦闘
員が実行する。彼らは拉致・洗脳というやり方で仲間を増やし、見どころのあ
る人間には改造を施して怪人に仕立てる。仮面ライダーの仲間には「少年ライ
ダー隊」という子供たちの団体があるが、その子供たちを拉致して彼らが運営
する「恐怖学校」という施設で再教育し、彼らの仲間に入れようと試みる回も
あった。ショッカーは利権を貪る暴力団ではなく、独自の「思想」を持つ集団
であり、構成員はそれを狂信していることになっているのだ。ショッカーの幹
部らは仮面ライダーと対決して敗れていくが、死ぬ間際に「ショッカー万歳!」
のようなセリフを残す。その忠誠心は仮面ライダーが「勇敢だった」と認める
程だ。

 ショッカーはメンバーに絶対の忠誠を求めるが、組織としての決断は極めて
冷酷である。ショッカーの力に限界を感じた「首領」はゲルダムという別の暴
力的な組織との合併を果たし、ゲルショッカーという新しい組織を作る。その
際、古くからのメンバーは全員始末してしまうのだ。ゲルショッカーに追われ
た古参の戦闘員が無残に殺されていく様子は、子供ながらにショックだった。
いわゆる内ゲバ・粛清は過激化した運動によく見られる現象だ。

 では仮面ライダー側が右翼・保守勢力を代表しているかと言うと、それは違
うのである。「ウルトラマン」シリーズでは、国家直属の機関がウルトラマン
をサポートしているが、「仮面ライダー」シリーズ(少なくとも初期において
は)では、ライダーたちが軍や警察と協力してショッカーを倒す場面は一切見
られない。滝という相棒がFBI捜査官という設定になっているがFBIが前面に出
てくることはない。仮面ライダーはもともと本郷猛という文武にすぐれた若者
がショッカーに拉致され、怪人に改造される過程で、脳だけ改造を免れた状態
で脱出したという設定になっている。本来ショッカー側の人間であったはずが、
洗脳を免れた故にショッカーの敵対者となるという設定は、左翼内部での路線
の違いによる仲間割れを思い起こさせる。過激派と穏健派の抗争ということだ。 

 仮面ライダーの重要な仲間として立花藤兵衛という人物がいる。彼は本郷の
大学の先輩で、アミーゴというバーのマスターをしていたが、後にレーシング
クラブの経営者となり、更に前述の「少年ライダー隊」という組織の会長とな
る。「少年ライダー隊」は、恐らく江戸川乱歩の少年探偵団からヒントを得た
ものと考えられるが、ショッカーを監視する全国的なネットワークを備えた少
年少女による団体である。仮面ライダーの顔を模した派手なヘルメットをかぶ
って危険を伴う諜報活動を展開しているが、この団体を仕切るのは自治体の人
間でもなければ彼らの親でもない、立花という一個人である。また、ショッカ
ーに恨みを持つ者が作り上げた「アンチショッカー同盟」というベタな名前の
組織も存在する。これも政府から独立した自主組織である。同盟員の女性がシ
ョッカーの戦闘員を、まだ危害を加えられていないにもかかわらず跡をつけて
きたという理由だけで、いきなり殺してしまう場面もある。「少年ライダー隊」
にしても「アンチショッカー同盟」にしても、政府や警察や法とは独立して動
く、私的な組織であることは「仮面ライダー」を語る上で大きなポイントとな
るだろう。内部抗争故に警察の手を借りるわけにはいかない、そうした事情を
匂わせる。

 昭和の「仮面ライダー」については思い入れがあり、他にも書きたいことが
たくさんあるのだが、長くなってしまうので機会を改めることにしたい。最後
に強調しておきたいのは、太平洋戦争がバックにあるであろう「ウルトラマン」
に比べ、テロとの戦いや内部抗争がバックにあるであろう「仮面ライダー」は
より陰惨でドロドロした物語だということだ。大勢の市民がいる街中でドーン
と姿を現す「ウルトラマン」の怪獣と違い、「仮面ライダー」の等身大の怪人
たちはいつ、どこで、どのような形で現れるかわからない。その後、オウム真
理教事件や3.11他、多くのテロ事件を見てきた我々にとって、「仮面ライダー」
はより身近な世界なのかもしれない。

*『キャラクター大全 仮面ライダー大全 昭和編』(講談社 本体4800円)

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■「[本]マガ★著者インタビュー」:
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 メールにて、インタビューを受けていただける印象に著者の方、募集中です。
 【著者インタビュー希望】と表題の上、
 下記のアドレスまでお願い致します。
 5日号編集同人「aguni」まで gucci@honmaga.net

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■あとがき
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 またまた配信遅れました。すみません。

 気づけば、令和第1号です。(aguni原口)

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  ・5日号:aguni原口 gucci@honmaga.net
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